事業の集中と選択

(株)東芝は14日、関連会社である東芝イーエムアイ(株)の全株式を英EMI Groupまたは同グループ会社に売却すると発表した。譲渡価格は約210億円で、売却益は単独で約200億円、連結で約130億円。2007年度上期に売却を完了する見込み。

全日空がホテル事業を1000億円で売却するのと同様、「本業」に専念せざるをえなくなっているようだ。事業単体で黒字が確保できている間に、本業のための「投資」にまわされる。

その一方、JT(日本たばこ産業=第3位)は、総額2兆2000億円で、第五位の英ガラハーを買収。ソフトバンクは日本ボーダフォンを1兆9000億円で買収するなどの大型の買収も絶えない。
本業への専業投資はさかんに、複合的なシナジーを期待する投資は減少する傾向があるようだ。

かつて1980〜90年代のM&Aは、複合的なシナジーやグループ力を強化させるベクトルが強かったが、ここ数年、専業型M&Aが主流になってきてるようだ。

その一方、インターネット業界は、まだまだ1980〜90年代のM&Aが定着しつつある。そもそも、インターネット事業の場合、「本業」というスタンスそのものが存在していないからだ。

「○○屋さん」と標榜することができない。従来の「○○屋さん」の概念で違うところで動いているからだ。競合関係やインフラ、市場規模、技術進化にあわせて、変化自在に変化していく「なんでも屋さん」なのだ。

たとえば、Googleは何屋であろうか?Googleは検索屋であり、広告屋であり、地図屋であり、メール屋であったりする。非ネット企業では関連しないそれらの事業ドメインがGoogleの場合は「検索」という事業ですべて串刺しにできる。これがネット企業の複合的なシナジーだ。

あえて、Googleを新しいカテゴリーで表すると、「案内屋」である。
物理アナログ的職業には、そんな仕事がありえなかったが、ネットでは誰もが「案内屋」を利用して広告を消費している。

ネット事業とアナログ事業との間では、ますます「事業の集中と選択」の価値観に開きが見えてきそうだ。


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