地上デジタル放送普及のカギはオープン化

地上デジタル放送普及のカギはオープン化

地上デジタル放送が開始されて、まもなく一年が経過した。高画質、高音質、双方向性、データ放送、移動体放送(ワンセグ放送)と技術的な話題は豊富にあるが、実際にコンテンツに関しては、ハイビジョン放送と移動体放送以外は、あまりピンとくるものが多くはない。

地上デジタル放送普及のカギはオープン化

地上デジタル放送が開始されて、まもなく一年が経過した。高画質、高音質、双方向性、データ放送、移動体放送(ワンセグ放送)と技術的な話題は豊富にあるが、実際にコンテンツに関しては、ハイビジョン放送と移動体放送以外は、あまりピンとくるものが多くはない。

・ハイビジョン放送番組表
http://www.d-pa.org/program/index.html

そもそも「地デジ」は、アナログ放送で満足していた我らに、帯域の少なくなった電波対策として、デジタル化することとなったことがきっかけだ。そこで、デジタルに変更するベネフィットを後づけで考えているから、「仏(ハード)作って魂(コンテンツ)入れず」的な状態になってしまっている。技術が先行して、それを活かすコンテンツを後で考えることに矛盾がある。これも世の常であるが…。

これらを活かすビジネスプレイヤーは、とんでもない異業種からの新規参入組であったり、コミュニティパワーであったりするのが、メディアの歴史が証明している。

●地上デジタル放送の普及のキラーコンテンツ

地上デジタル放送の普及のキラーコンテンツは4つとボクは考える。
1)EPGのRSS化
2)メタデータのblogコミュニティ化
3)ハードディスクによるタイムシフトとプレイスシフト
4)ワンセグ放送とケータイ電話

1.EPGのRSS化

まずEPG(電子プログラムガイド)は、HD搭載DVDレコーダーの普及によって、一気に活用されることとなった。しかしながら、現在のフォーマットでは、番組タイトルや時間、チャンネル、出演者くらいでしか判断することができない。これを「RSS」で公開することにより、RSSリーダーのようなPCによる受信によって、PCで録画をコントロールしたり、ケータイサイトで気になる「キーワード」を登録しておけば、自動的にDVDレコーダーに録画されるということが実現する。

テレビのEPG画面に、本人の興味のない広告を挿入するという意味のないスペースによってインタフェースが乱されているのも許せない。

2.メタデータのblogコミュニティ化

EPGのデータだけでは、テレビのコンテンツのインデックスとしては、不十分だ。今後は放送前だけでなく、HDに撮りためたコンテンツが残っていることを考えると放送後も拡張していけるメタデータ化が必要だ。BMLを生成するサービスサイトも必要だろう。これらに適しているのが、blogのコミュニティである。テレビを見た人たちが、放送コンテンツにTrackBackしながら、メタデータを生成していくのだ。

そのためには、使える写真などを提供し、広報的にblogユーザーを巻き込むことだ。著作権云々の前に、広告主が興味を抱く、番組広報のマーケティングを工夫すべきではないだろうか?

3.ハードディスクによるタイムシフトとプレイスシフト

そして、ハードディスクに収録されたコンテンツは、タイムシフトはもちろん、カードデバイスや、iPodや携帯端末によって、場所のシフトまで行われるようになる。時間と場所を選ばずテレビを見る時のコンテンツは「検索型コンテンツ」となり「ゴールデンタイム」の番組などの概念がなくなるだろう。ある意味、テレビ番組のDVD化によるビジネスと同じことが短期間の中で発生すると考えられる。

4.ワンセグ放送とケータイ電話

そして、もっとも期待ができるのが、ワンセグ放送だ。携帯電話が2005年から地デジ端末になるからだ。

●ケータイがテレビ受像器に向く理由

ケータイがテレビ受像器に向く4つの理由がある。
1)8000万人を超えた高い普及率
2)絶えず持ち歩いていること
3)携帯とテレビで部品が共用できること 4.通信機能を搭載していること

しかし、ドラマなどの視聴は、モバイル環境下においては難しい。電車の待ち時間や、電波の届く移動時間などが視聴者となる。

これだけ、モニタにおけるテレビ番組の占有率が減りながらも、視聴率が減らないナゾを差し引いても、純粋にテレビを見る機会が8000万人ものケータイユーザーに広がるのだから、ワンセグ放送はあなどれない。

近い将来、「テレビ」もPCにおける「デスクトップ」と「モバイル」という概念に近づき、映画はデスクトップ、ニュースはモバイルという視聴に変化していくのかもしれない。

まずは、地上デジタル放送を普及するためには、番組情報をデジタルでオープン化することからすべてははじまるのである!

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