KNNポール神田です。
提灯記事とは、Wikipediaによると、
提灯記事(ちょうちんきじ)とは、その記事元の団体・企業或いは個人を持ち上げるために書かれた雑誌・新聞などの記事に対する呼称。有力な者に媚びへつらう者に対する「提灯持ち」という蔑称に由来する。厳密には広告ではないが、記事の対象となる相手に対する批判・攻撃などはないか、あったとしても相手を立てるように書かれる。広告であることを明示する記事広告とは一応区別されるが、裏で複雑な取引が絡んでいるケースもあり、境界があいまいになることもある。
特に商品・サービスの紹介がコンテンツの柱となるメディアでは、広告収入の比率が多い上に企業からのいち早い情報入手が不可欠であるため、読者の購買意欲を掻き立て企業の売上げに貢献する(少なくとも不利益を与えない)スタイルの記事が大半となる。
一般報道においても、取材活動が特定の者の情報リークに大きく依存する習慣ができてしまうと、情報提供者に都合のいい報道しかなされなくなることがある。日本では犯罪報道が警察や検察からの情報提供に一方的に依存していることの弊害が指摘される。
そして、現在、ブログによる「提灯記事」が溢れ出している。
実際に、提灯記事斡旋業者によると、
【事例】
原稿料お支払い条件 | 【ブログのみ応募可】
■記事内容は、下記条件をすべて満たすようにしてください。 原稿料お支払い条件を満たしていない場合は、原稿料をお支払い致しません。 (1)HP(下記)を参考に、「この冬すごく売れている、話題のこだわり○○○の販売サイトを見つけた!」といった感じで、ご自分の言葉で200文字以上の紹介文を書いてください。 (2)「○○○」というワードから、リンクしてください。 ※記事内の途中に「○○○」というワードを必ず一度はご使用頂き、その際ワードが下記のURLに必ずリンクするようにしてください。 <URL> (3)「○○○(提灯記事斡旋業者の会社名)」の文言の掲載は控えてください。 (4)書き込み期限は2006年12月25日までです! 書き込み期限後に記事をアップしていただいても、報酬はお支払いできません。 ※掲載報告の際は、ブログのトップページではなく、記事が直接見えるURLを申請してください。 |
---|---|
ウェブサイトのリンク |
記事中に下記のリンクタグを1箇所以上貼り付けてください。 |
といった内容だ。
問題は、どこにも、この記事が「提灯記事」であるということが明記されていない点。
問題は、(1)のブロガーが、経験も体験もしていないことを文言で200文字以上で「提灯記事」をねつ造せよと指示していることだ。これは、広告代理店のコピーライターに依頼すべきことでブロガーにたったの数百円で依頼することではない。
しかも、(2)のキーワードをリンクさせることによってのSEO効果を狙うというこれもまた「セコイ」技を強要している。しかもURLつきだ。
CGMが確かにメディアとして重要な位置づけになっていることを企業や広告業界に浸透しているのは大変うれしいことだ。しかし、自分のブログが単なる金儲
けのツールとして、「提灯記事」や「あさましBlog(アフリエイト)」だらけにするのはとてももったいない。本当に、自分がいいと思っている製品を真摯
な態度で伝えることのほうが広告よりももっと意味のあるCGMだからだ。
良心の呵責に耐えないブロガーは、文言のどこかに、「提灯ブログ」を示す言葉をEmbedできる仕組みが必要かもしれない。
斡旋業者も、そんな熱意あるCGMと企業を結びつけなければ、せっかくのCGMもあだ花で終わってしまうだろう。
ネットコミュニティは金銭だけで動くのではなく、「信頼」をベースに動いていることを理解しなくてはならない。