東京選挙区のポスター板には、23〜26番の位置に連番で候補者名の掲載されていないポスターが貼られている。
なぜ?東京選挙区に「支持政党なし」の比例区のポスターが?しかも4連続で貼られているのか?と一瞬思った人へ
現職、国会議員でも勘違いする選挙区の候補者名なしのポスター
民進党比例候補の有田芳生さんからのツイート
Tweets by aritayoshifu
https://www.minshin.or.jp/candidate/6121
昨日から都内を走っています。あちこちの公営掲示板に「支持政党なし」のポスターがズラリ。選管は機敏に対応すべきです。 pic.twitter.com/UnnNo3Iv49
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2016年6月28日
@aritayoshifu 有田さん、支持政党なしの選挙区のポスターがズラリと貼られていて、「選管に機敏に対応すべき」とはどういう事ですか?違法だという事ですか?公選法をご存じない一般の方々の発言であれば未だ判りますが、公然と事実を摘示し人の名誉を毀損していませんか?返答願います
— 支持政党なし (@sijinashi) 2016年6月28日
実は、現職の国会議員である有田芳生さんですら勘違いするくらいの奇策な戦術だったからだ。
ボクもこれには、東京選挙区になぜ比例区のポスターを貼っているのか疑問に思った。
しかも、東京都選挙区のポスター板には、連番で貼られているのだ。
選挙ポスターの番号のしくみ
各選挙区ポスターの場所を表す番号は、公示日の朝8時30分、2回くじ引きをおこなって、決定される。
1回目のくじ引きは、くじ引きを引く順番を決めるためのくじ引き。
そして、2回目に、引いた番号によって選挙ポスターの番号が決まり、一斉にその番号にポスター貼り舞台が動き出すしくみである。
では、どうやって連番の枠をゲットできたのか?
なんと、公示日の朝8時30分のくじ引きには参加せず。戦わずに勝つ!奇策!
東京都選挙管理委員会に確認したところ、 支持政党なしの候補者4名はくじ引きが終わってから、受付にこられたとのこと。結果として、空いている番号に順番に番号を付与したという。
「支持政党なし」の候補者は時間おくれで4人で現れ、空いている番号を見事連番でゲットしたということだ。
これも、公示日の17時までに立候補を受け付ける法律だから、まったく違法ではないのだ。選挙のポスターの場所を決める抽選を8時30分からおこなっているだけで、ここに参加しなければならないという義務はないのだ。
こういうアイデアを実行できるのは「選挙ハック」として、非常にユニークかと思った。ホント、やるなぁ…。
4人で列を組んで、遅れて獲得した連番だという。なんとすごいアイデアだ!
こういう奇策でも「合法的」に自分たちのポスターを貼れたという時点で単なるインディーズ候補とは一線を画したと思った。しかも、候補者の名前も顔もないポスターも!比例代表の宣伝を見事に選挙区でなしえているのだ。
なぜ?連番のポスターの枠がゲットできたのか? 大川総裁のインタビュー
しかし、候補者の顔も名前もない選挙区ポスターは問題ないのか?
これもまた、選挙ポスターとしては、事前審査でも必要な候補者名の要素は、サイトで確認ということ。であるが、これも違法ではない。
そこには、URLはなく、「支持政党なし」で検索とある。 SEOが悪いとどうやってカバーするつもりなのだろう。
選挙区は「支持政党なし」検索 公認候補者へとある。
選挙ポスターに関しては、「候補者の名前を書かなくてはならない」という文言はなく、候補者名をしらしめる文言があれば問題ないとのこと。
これは日本の、いや世界の近代政治史の歴史に残る、はじめての候補者名のない非常にレアなポスターとなることだろう。そして、この4連番でのポスター掲示も初ではないだろうか?
一応、親切にURLを記述すると、
http://支持政党なし.com/election.html
しかし、候補者の名前はわかってもプロフィールが一切ない。しかもネット選挙時代なのに候補者のウェブやSNSが全くない。これで選挙区で氏名を投票用紙に書かせるのはかなり厳しいと言わざるをえない。
- 東京都選挙区
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おおつき ふみひこおおつき 文彦東京都出身・49歳
党事務局長(城北・城西地域担当)
新宿・杉並・中野・豊島・文京・板橋・北・荒川・練馬
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- 東京都選挙区
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さとう ひとし佐藤 ひとし千葉県出身・45歳
党東京都副代表(城南地区担当)
千代田・中央・港・目黒・渋谷・世田谷・品川・大田
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- 東京都選挙区
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さめじま りょうじさめじま 良司鹿児島出身・61歳
党事務局次長(城東地区担当)
足立・葛飾・江戸川・江東・墨田・台東
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- 東京都選挙区
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ふかえ たかし深江 孝大阪府出身・54歳
党事務局次長(三多摩地区担当)
東京23区外
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そこで、選挙公報でわかった情報をここに掲載してみる。
23 おおつき文彦 おおつきふみひこ 男 49歳 支持政党なし 新 なし
24 佐藤ひとし さとうひとし 男 45歳 支持政党なし 新 なし
25 さめじま良司 さめじまりょうじ 男 61歳 支持政党なし 新 なし
26 深江孝 ふかえたかし 男 54歳 支持政党なし 新 なし
東京都選挙区候補一覧より抜粋
https://4knn.tv/sangiin-3/
支持政党なし を選挙区で選ぼうとすると、
23 おおつき文彦
24 佐藤ひとし
25 さめじま良司
26 深江孝
… らの中から1名選ばないといけなくなる。
しかし、やはり、彼らの候補者としての情報はどこにもない…。
だとすると、最初に目につく、23 おおつき文彦さんしか記名しないのではないだろうか?一番後ろの26 深江孝さんは不利だろう…。
「支持政党なし」の公募条件と国会議員1人あたり年間4,500万の国費負担。選挙区よりも比例区当選が目標?
これが 「支持政党なし」の公募条件だ。選挙区の供託金300万円は自腹だそうだ。
基本的に4候補を連番にしたのは、比例代表で勝ち取るだけの戦略だったのだろうか?
そうすると供託金をみずから用意した公募の候補の命運が気になってしかたがないのだ。
もちろん、参議院の場合は、1/8で供託没収ポイントが免れて供託金やポスター代金などが返還される。
それは自分の名前が書かれた場合だ。
参議院選挙区・供託金 300万円・有効得票総数÷議員定数÷8
参議院比例代表・供託金600万円 (「比例区議席割り当て数×2×600万円」)
むしろ、ちょっと考え方を変えてみよう。
各選挙区がだめでも比例代表で勝ち得た場合、10名の候補を擁立できた貢献度合いを考えてみると比例1人で当確候補ひとりあたり490万。2人だと980万という計算もできなくないからだ。それは国会議員1人あたりの国費負担が大きいからだ。
国会議員一人あたりに払われる国費
選挙区がダメでも、比例代表で当確することができれば、国会議員として歳費(議員給与)が129万4千、年間で約1500万。さらに、文書通信交通滞在費が、年間1200万。
3人までの公設秘書が国費負担 政策秘書の最高ランクで64万0032×1.15×(12か月+3.950か月)=1173万9786 第一秘書、第二秘書の最低ランクで31万4588×1.10×(12か月+3.950か月)=551万9446。
http://blogos.com/article/86263/
3人の公設秘書で約年間2200万
つまり1人の国会議員が生まれると、歳費1500+文書通信交通滞在費1200+公設秘書2200万をあわせるとざっくりと年間4900万ほどの国費(つまり税金)がはいってくる。
比例で2人当確すれば、年間9800万だ。
それだけではない。国会議員5名以上の団体には、政党交付金が給付される。
国民ひとりあたり250円の負担で、300億円が下記の法則で分配される。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seitoujoseihou/seitoujoseihou04.html
単純に300億円の半額の150億円が議員数割として、日本の政党に属する政治家381人で割ると、1人あたり3937万の議員数割の政党交付金だ。さらに得票数割がはいるので、5名集まることはとても重要な要件となる。
国会議員が5人に満たないところとあわせて、あと5人になれば、政党交付金がもらえる政党として認可される。
なので、交付金がもらえない政党要件を満たさない議員が「支持政党なし」に加わるというのは政治の世界では十分にありえるのだ。
そう考えると、比例代表で2人でも当確すれば、8人分の所帯くらいはなんとでもなるという計算が働く。さて、「支持政党なし」のこのユニークな選挙ハック。どのような結果になるのだろうか?ポスターだけでなく結果からも目が離せなくなった。