【映画】「ターミネーター 新起動/ジェニシス」ネタバレ注意 タイムトラベル・パラドックスの先にある期待感

この夏、一本の映画をあげるとすると、やはりこの「ターミネーター 新起動/ジェニシス」だろう。
アーノルド・シュワルツェネッガーがまともにようやくスクリーンに戻ってきてくれたといっても過言ではない出来だ。

さらに3DでMX4Dだ。しかし、この時期、「進撃の巨人」「ミッションインポッシブル」「アベンジャーズ」とMX4D向けの映画ばかりで、どれをかけるかが、しばらく映画館の差別化となりそうだ。

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正統派のターミネーターが戻ってきた

なんといっても「ターミネーター」「ターミネーター2」の流れを組む意味では、今作は、「ビギンズ」であり「ゼロ」である。

http://www.terminator-movie.jp/

物語は未来から始まる…。そう、かつての「猿の惑星」シリーズでいうところの、「続・猿の惑星」→「新・猿の惑星」といった展開だ。崩壊する未来から過去へやってくるそして、新たな未来を築いていく。どこかでストーリーは同じ未来をたどってしまう。それが、タイムトラベルパラドックスだ。

タイムトラベル・パラドックス・ムービーの特徴

タイムトラベル映画の常に問題は、未来から過去へ戻ってきた時に、ストーリーが変わってしまうことだ。そして、ストーリーが変わるとその未来は時空の違うアナザーワールドとなる。そこからまた、舞い戻ってくると時空は常に、「現在」思われているとこからタイムトラベルによって無限に分岐してしまうのだ。「未来」は違うし、戻る「現在」も無限となるのだ。

この映画もそのパラドックスに陥っいてはいるが、新旧 T800 の闘いを見られるだけでも、ターミネーターファンとしては論理を超えて楽しめる。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の法則で、本人は本人に会ってはいけないという法則をこのジェニシスは大きく破るのだ。

つまり、タイムトラベルで、過去が変わってしまった時点で同じ未来に到達するのは非常に難しいということだ。未来に納得していない当人が未来を変えようとすればするほど、当人はどこから、どうやって来たのかという設定が変わるからだ。

しかし、そんな理屈や論理を超えて、ターミネーターは楽しませてくれる。ジョン・コナーとカイル・リースの上下の関係性でありながら、親子というややこしい関係もある。
さらに、カイル・リースとサラ・コナーが結ばれないとジョンが誕生できないので、行為をせかす、シュワちゃんという関係性だ。

そして、ラストにエンドロールが流れても席を立ってはいけない。

続編のはじまりがスタートするのだ。

しかしながら、映画の世界が続き物ばかりの企画モノしか作られなくなってきているのは、産業そのものが停滞しているのかも知れない。

イ・ビョンホンのT3000

ユル・ブリンナーの「ウエストワールド」