テストステロン型経済からオキシトシン型経済へ。経済は「競争」では繁栄しない―信頼ホルモン「オキシトシン」が解き明かす愛と共感の神経経済学

テストステロンとは?

テストステロンは、主に、男性の睾丸で95%、副腎で5%で分泌される。女性も副腎や卵巣でテストステロンを分泌する。血中テストステロン値で比べると、男性の5~10%(1/10~1/20)胎生期、妊娠6週目から24週目にかけて大量のテストステロンが分泌される時期があり、これにさらされると、アンドロゲン・シャワーで、くすり指が長くなる傾向を持つ。
テストステロンは、競争や攻撃に向く排他的な男性的なホルモン

オキシトシンとは?

オキシトシンは、視床下部で生合成され、脳下垂体後葉から分泌されるホルモン。9個のアミノ酸からできたペプチド(小さなタンパク質分子)で,信号を伝える神経伝達物質として働いています。オキシトシンは出産時の子宮収縮作用や乳の分泌促進作用など女性に関与し、親子の絆を深める物質と知られていますが、社会的な人間関係を築く上でも関与していることがわかってきました。
オキシトシンは、信頼や安心感に向く協調的な女性的なホルモン

テストステロン型経済はサル山構造

サルの社会では、テストステロンの強いボス猿が集団のすべての富とすべてのメスを奪い、その他のオスは子孫を残すこともできない格差の社会に生きている。そして、ボス猿が老いてくると新たなボス猿にその座を奪われることによって、常に集団は一部のエリートボス猿の子孫であるという組織を形成している。

人類においては、婚姻制度によって、リーダーでなくても、子孫を残せ、家庭を築け、民主主義において公民権を得て、会社に存在することによって、価値を提供し、生活の糧を得ている。しかし、ほとんどのルールはボス猿たちが作ったもので、その中で生かされていることにはサルの社会と実は変わりがない。

源泉徴収などは、まさにピンハネされていることさえも最初からなかったことにされているとしか思えない。

人間界のボス猿たちは、ピケティの「r>g」 の資本主義というマクロな構図で、サル山経済を築いている。

これらはすべて、テストステロン型の経済学が機能している限り何も変わらない。いつまでたっても競争につぐ競争で叩き潰して成長するしかないのだ。戦争型の経済だ。

一方、オキシトシン型経済となると、様相が変わる。
たとえば、コロンビアのポゴタのアンタナス・モックス市長などは、オキシトシン型のリーダーだ。

オキシトシン型のリーダーの発想

世界一危険な都市と言われたかつてのコロンビアのボゴタ市。富が偏ることによって、高級住宅街とスラム街が隣り合わせに併存し、暴力と犯罪が横行する。
1994年に市長に選出されたアンタナス・モックス。街を変えるには市民ひとりひとりが変わっていく必要があると考え、まず交通マナーの遵守を訴えた。

道路にピエロの恰好をした人たちを送り、マナーを守った人には、白いカードを、守らなかった人には赤い(レッド)カードを渡しました。そのような意表を突くいろいろな方法でモラルの向上を誠実にして愚直に訴え続けました。
最初は懐疑的だった市民も、やがてモックスの愚直な訴えに耳を貸すようになった。さらにレストランの深夜営業の禁止、家庭内暴力をなくそうという運動、市民の武装解除などを進めていった。
当時のボゴタ市では銃で殺される人が、大変多かったのです。1990年前半、人口10万人当たりの犯罪による死者の数は世界最悪でした。モックス氏は夜一時以後のレストランなどの営業禁止、家庭内暴力をなくそうという運動、市民の持っている武器を回収する運動などを行いました。大きな抵抗もありましたが、それらを実行し、その結果、犯罪での死者が劇的に減少しました。人々ははじめは疑問に思っていましたが次々と成果を上げる市長を支持しました。人々から資金を集め公共事業に投資しました。治安が安定した、ボゴタには外資も次々に投資を始めるようになりました。

その後の市長もこの精神を受け継ぎ、無所属のエンリケ、ペニャロサ氏が市長となりました。ペニャロサ氏はスタッフには多くの有能な民間人を登用しました。そして安定した市の状況を背景として思い切った、都市改革を始めました。町の中心にあった、犯罪の温床であったスラム街を取り壊し、公園に変えました。貧しい人のために、安い公営アパートを作りました。道路を整備し公共の交通機関、新交通システムであるトランスミレニオを作りました。専用レーンで、安く早く人々を運べます。また、自転車専用道路を作りました。そして多くの人が自転車を使うようになりました。市の中にあった豪華のゴルフ場を素敵な公園にし、そのほかにも1000か所の公園を造りました。また素晴らしい大きな図書館を作り、市民がみんな利用しやすいようにしました。これらの政策により町は劇的に素晴らしい都市に生まれ変わりました。これらの公共事業で多くの雇用が生じて、人々の所得も向上したことでしょう。

二人の市長が行った、6年間の政治により、犯罪は劇的に減少し、所得階層の差が減少し、素晴らしい機能的な都市に変わりました。ペニャロサ市長は3年の任期を終えて再選できないので、再び、モックス氏が市長となりました。これを見ても、一般庶民のための政治をすることがいかに大事であるかがわかります。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/100323.html

http://koiti-ninngen.cocolog-nifty.com/koitiblog/2010/03/post-66a1.html

オキシトシン型経済のチカラ

コロンビアのボゴタ市は、真逆の割れ窓理論と同じく、ほんのすこしの予兆で社会を良くしていくことができることを表している。罰金で攻め立てるのではなく、警察の替わりにピエロが交通整理を行うことによって、抑圧的ではなく、笑いでクルマのマナー向上を積み重ねていった。そんな小さな幸せを感じた市民の「オキシトシン」効果は、伝播していく。他者にやさしくなる循環は社会をよくしていく循環を実感させた。

まずは、オキシトシンがあふれる社会・経済をめざそう!

電車の中の優先座席でなくても、座席を少し譲るだけで、心はオキシトシンで満たされる。譲られた側もオキシトシンが分泌される。そう、親切はする側にもされる側にも効果がある。一方、電車で「立ち入りによる遅れ」で舌打ちする人がいる。人類の同胞が一人、命を賭してしまっているのだ。また、そんな電車の鉄の塊に身を投げたくなるほどの痛みよりも痛い社会が存在するからだ。

であれば、「自殺センター」を創ろう。そこで自殺したい人の話しを伺おう。なぜ、自殺したいのか?何が問題なのか?文学も映画も舞台も音楽も生まれるはずだ。説得したいボランティアもいるだろう。政治家も関心を持つだろう。余命三ヶ月の癌患者も。それでも死を選ぶ人には、できるかぎり社会に迷惑を及ぼさず、臓器のユーザーも紹介した上で、安楽死させてあげるべきだ。自殺センターで一度死んで、生き返ってきた人たちは、自分の経験をオキシトシンで満ちた心で、後続するモノにきっと語れるはずだ。
自分が死んで舌打ちされるために生まれてきた人はいない。社会は反省すべきなのだ。

オキシトシンの増やし方

❏グルーミング効果

「グルーミング」と呼ばれる行動をすることです。グルーミングとは、簡単に言うと、人との触れ合いです。ハグ、抱擁、マッサージ 他者に触れること 親切行動 一人で食事しない 感謝する

http://matome.naver.jp/odai/2139639782648626601

 

❏ファーストネームで呼ぶだけでもオキシトシンの量は増える

ポーラ化成工業は、次のような実験をしました。普段、ファーストネームまたはファーストネーム由来のニックネームでよばれていないという30代女性19名を対象に、初対面の人間による15分間のファーストネームでのよびかけを行ったのです。その結果、ファーストネームでよびかけるだけで、女性たちのオキシトシンの分泌が増加し、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少するということがわかったんです。
http://www.men-joy.jp/archives/145678

テストステロンの長所とオキシトシンの長所だけを取り入れる

テストステロンが多い人の長所
堂々としていて決断力もあり、自信に満ちている
闘争意欲があり、自己主張もしっかりとしている
たくましい体格と筋肉がある
性欲が旺盛で、生殖能力も高い

テストステロンが少ない人の長所
倫理観が強く、浮気をしない
平和主義で、やさしい
社会的で、人あたりがいい
家庭的で、子供の面倒見もいい

反対にテストストロンの、短所だけだと最悪…になる。

テストステロンが多い人の短所
一人の女では満足せずに浮気を繰り返す
DVや犯罪等の反社会的行為を犯しやすい
孤独願望が強く、家庭的ではない
落ち着きがなく、物事の分別がつかない時がある

テストステロンが少ない人の短所
生殖能力が低く、男性的魅力に欠ける
決断力がなく、優柔不断
体の線が細く、筋肉量も少ない
野望がないため、出世しずらい

http://mote7.com/menu10.html


経済は「競争」では繁栄しない――信頼ホルモン「オキシトシン」が解き明かす愛と共感の神経経済学