東芝の社外取締役、自社株保有額は「全然少ない」具体的にどうなっているのか調べてみた。今年3月末時点の東芝株保有数は大学教授の伊丹敬之氏で8千株、元外交官の島内憲氏で8千株、元外交官の谷野作太郎氏で1万株、金融ベンチャー企業社長の斎藤聖美氏で1万6千株だ。これに株価を掛け合わせれば、東芝株保有額が出てくる。不正会計問題の表面化前には東芝株は500円台を付けることも多かった。単純化のため500円で計算してみると、東芝株保有額は伊丹と島内両氏でそれぞれ400万円、谷野氏で500万円、斎藤氏で800万円になる。仮に東芝の経営が劇的に改善し、株価が2倍の1,000円へはね上がっても、得られる利益は伊丹と島内両氏の場合400万円、斎藤氏の場合でも800万円にとどまるわけだ。これだけ見れば「自社株保有額は結構大きいじゃないか」と思うかもしれないが、大間違いだ。役員報酬との比較で見ると、「結構大きい」どころか「全然少ない」となるからだ。まず留意しなければならないのは、役員報酬1,550万円は毎年確実に懐に入ってくる現金であるということだ。それに対し、保有する東芝株は三重に不利である。第1に、金額的に大きく見劣りする。第2に、毎年値上がりするわけではない。第3に、値上がりどころか値下がりリスクもある。
情報源: 東芝不正会計問題の盲点 「バフェット基準」を満たさない社外取締役は機能しない! | 牧野 洋の「メディア批評」 | 現代ビジネス [講談社]
自社の株価に対して興味を持たない社外取締役というのは、名ばかりのコンサルタントと何も変わらない。もっといけないのがお飾りで終わっているところだ。