アンダーアーマーUnder Armour:「アンダードッグ」と「アスレジャー」による成長戦略

スポーツウェア産業は、機能とファッションにおけるブランディングにかかわる産業へと成長した。
スポーツをする為のウエアではなく、機能性を持ったカジュアルウェアとして浸透してきている。

1996年に創業した Under Armour (鎧の下着)は、コンプレッションによるアンダーウェアという、ブルーオーシャンから切り込み成長し、今やアディダスを抜き、ナイキをも焦点にする企業に上り詰めた。

地下の倉庫で創業し、20年で時価総額70億ドル
NYSE UA
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/detail/UA
時価総額 7,058,639千ドル 70億ドル 約7000億円

スポーツ用品業界の世界市場規模は小売販売額ベースで約25兆円~30兆円

http://marketss.blog.jp/tag/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E7%94%A8%E5%93%81%E5%B8%82%E5%A0%B4%E8%A6%8F%E6%A8%A1

スポーツ用品業界再編の歴史
http://marketss.blog.jp/archives/52283320.html

このスポーツウェアの機能性をビジネスウェアと組み合わせることによってのブルーオーシャンもありそうだ。ビジネスウェアに、もっと快適な機能性を追求したブランドはどこも手を出していない…。Tシャツやジャージで仕事をするがいざという時にはスーツ。スーツに変わるスポーツウェアがあれば…。

Under Armourという1996年の新興ブランド20年の成功モデルは研究するに値するだろう。

そういえば、読売ジャイアンツもUnder Armourになっている…。
http://www.underarmour.co.jp/giants/

明確なブランドコンセプトが、「アンダードッグ」

雑草的なプレイヤーが努力でのし上がる。才能や体格ではなく、努力で勝ち取るというのが庶民的な夢と一致。そのためのツールとしてのコンプレッションウェアで、自分の能力を最大限に引き上げるツールとしてのウェアだ。「特段優れていないが、努力でのし上がる」という「アンダードッグ」に象徴されるポジショニング

「アスレジャー」というターゲット設定

「アスレチック」「レジャー」の造語「アスレジャー」
米国のミレニアル世代が、ヨガやフィットネスにジーンズを捨て、スポーティーなウェアでよりファッショナブルなウェアを展開している。

❏1996年にワシントンDCで、当時23歳だった元大学アメフト選手のケビン・プランク氏(現最高経営責任者)が創業して以来、急成長を遂げた。

❏「特段優れていないが、努力でのし上がる」という「アンダードッグ」に象徴されるポジショニングは、競合からの差別化を図るだけではなく、ブランドをより魅力的に感じさせるという。「これはとても民主的なポジショニングだ」と、戦略コンサル企業ビバルディ・パートナーズ(Vivaldi Partners)の最高経営責任者であるエリッチ・ジョアチムスセイラー氏は話す。

❏「誰もが(コンセプト)を受け入れることができるため、ブランドの成功のカギとなった」。消費者テクノロジーのパイオニアになる創業者であり最高経営責任者であるケビン・プランク氏によると、アンダーアーマーは創業当時から常にテクノロジーを大事にしていたという。

❏怪我をするリスクを減らすコンプレッション・シャツ(圧縮されたシャツ)や、発汗を制御する合成織物などを開発してきたからだ。

❏アンダーアーマーは フィットネスや商品に対する情熱的なオンラインコミュニティーを構築するためにもテクノロジーへ投資してきた。これらのオンラインコミュニティーは利用者にとって生活の一部になっている。過去2年の間にも、アンダーアーマーはエキササイズアプリ「マップ・マイ・フィットネス(MapMyFitness)」や、カロリー計算アプリ「マイ・フィットネス・パル(MyFitnessPal)」のリリースと、ヨーロッパのフィットネスアプリである「エンドモンド(Endomondo)」を買収するために7億ドル(約840億円)以上費やした。

❏6200万人ものユーザーが、いずれかのアプリに最低でも月に1回ログインをしている。アンダーアーマーは世界でもっとも大きいデジタル・ヘルス・プラットフォームを管理しているのだ。アナリストの予想によると、次の20年から30年の間に起こるアンダーアーマーの成長の3分の2は、米国外のグローバル市場での販売とフィットネスアプリからもたらされるという。

❏「アスレジャー」で若い世代をつかんだ

アンダーアーマーがミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭に生まれた若年層)やジェネレーションZ(1990年代前後〜2000年代終盤に生まれた世代)などを掴んでいるのは「アスレジャー」のおかげだ。

❏アスレジャーは運動競技(アスレチックス)と余暇(レジャー)を組み合わせた英語の造語。スポーツブランドでヨガの衣装や競技者と同じスポーツウェアを普段着として着こなすスタイル。若者の間で人気が沸騰しており、米国の10代では「ジーンズを捨ててスポーティな服に切り替える」現象が起きている。

情報源: アディダスを打ち砕いた新興ブランド「アンダーアーマー」:その雑草魂の成長戦略とは? | DIGIDAY[日本版]