なぜ?マイクロソフトはそんなに儲かるのか?

Windows XPが、2014年にサポート中止となり、ビジネス的には、Microsoftとの縁が切れたと言っても過言ではない。

今や、Windows XPは、Googleよりも、Appleよりも、Microsoftの宿敵のライバル中のライバルである。
さらに最強のライバルは、Windows7である(笑)

実際のライバルよりも、過去の自分ほど、厄介なライバルはいない。

後藤真希にとってのモーニング娘。であり、大島優子にとってのAKB48である。その存在が大きければ大きいほど、超えるのには時間がかかる。
あのSirポール・マッカートニーでさえ、Wings時代は、ザ・ビートルズが邪魔な存在であった。しかし、現在ではそれを乗り切り、ジョン・レノンの歌もパートで平気で歌う開き直りだ(笑)。

Microsoftにとって、今一番チカラを入れて売るべきものは、Windows8であるはずだ。8ではなく、Windows7 Cloudとかの名称で出荷したほうがよかったとボクは思う。

なぜならば、現在は、Windows9 からWindows10までチラホラ顔をのぞかせてしまっている失態ぶりだ。これでは誰も急いで「8」にする理由もない。クラッカーに叩かれまくって、枯れて安全になった
頃に使えばいいのだ。Appleの最新鋭を誰もMicrosoftには求めていない。冒険しないOSで安定して、堅牢であればいいだけだ。

それでも、創業者のビル・ゲイツは、資産総額810億ドル(約8.8兆円)で21年連続の首位という世界一の金持ちであり続けている。不思議でならない。これだけダメダメなマーケティングなのに…。なぜだ?


調査会社米ガートナーによれば、
2013年、世界ソフトウエア市場は、4,073億ドル(40兆円)であり、2012年の3,855億ドル(38兆円)から4.8%増加している。
Microsoftは、世界のソフトウェア市場の、なんと16.1%のシェアを締めているのだ。

Microsoftは、首位で、657億ドル(6兆5700億円)oracleは、2位で296億ドル(2兆9600億円)とMicrosoftとの差はダブルスコア以上。3位のIBMの売上高は291億ドル(2兆9100億円)4位ドイツSAPの185億ドル(1兆8500億円)、5位米シマンテックの64億ドル(6400億円)、6位 EMC56億ドル(5600億円)、7位HP49億ドル(4900億円)8位VMware48億ドル(4800億円)9位CA Technologies 42億ドル(4200億円)10位 Salesforce.com 38億ドル(3800億円)


http://www.gartner.com/newsroom/id/2696317

アドビはガートナー調査からは圏外だが、40億5000万ドル(4050億円 2013年)2012年の44億ドル(4400億円)から落ちている。
http://japan.cnet.com/news/business/35041440/
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20121214_Q4Earnings.html

そして、本題はここからだ!

マイクロソフトの収益モデルはこのようになっている。

2013年の売上 657億ドル(6兆5700億円)を分配してみるとこうなる…。

コマーシャルライセンシング 47% 308億ドル(3兆800億円) (商用ライセンス)
「Windows Server」製品とボリュームライセンス版Windows、企業向けOfficeが含まれる。

コンシューマーライセンシング 23% 151億ドル(1兆5100億円)(消費者用ライセンス)
OEM版Windowsのライセンス、家庭や小企業ユーザー向けのOffice、「Windows Phone」

コンシューマーハードウェア 14% 91億ドル(9100億円)(消費者用ハードウェア)
「Xbox」ハードウェアと「Xbox Live」の料金、「Surface」製品、キーボードやマウスといったPCアクセサリー

コンシューマーその他 8% 52億ドル(5200億円)(消費者用その他)
WindowsおよびWindows Phone向けのオンラインストア、実店舗のMicrosoft Store、Xbox向けのゲームおよびサービス、オンライン広告(主にBingの広告)、「Office 365 Home Premium」

コマーシャルその他 8% 52億ドル(5200億円)(商用その他)
「Windows Azure」と商用版「Office 365」

Microsoftは、2013年の夏から売上計上報告を変えたので過去との対比がむずかしくなった。以前は、「Windows」「Office」「Enterprise」だった。

Microsoftの売上の半分(47%)を占めるコマーシャルライセンシング(商用ライセンス)部門はこんな複雑奇々怪々で難解なポートフォリオだ。


http://zoom.it/pR0h#

つまりMicrosoftの売上の大半は、一度導入してしまった企業から半永久的にチャキンチャキンと、搾り取るビジネスで成立しているのである。

なので、コンシューマー向けのWindows8などの普及は、利益には、1/4(23%)程度しか影響がないのだ。

Googleがネット上のサービスを無料で取り組めば取り組むほど、Microsoftは、「無料のサービスで大丈夫なんですか?広告が入ってきても平気なんですか?」のビジネス悪魔の囁きを繰り返しておけば安泰なわけである(笑)

Microsoftを打倒するには、Googleが本格的に商用ライセンス部門で、Microsoftよりも、ほんのすこしだけ安い価格で提供すればよいのだ。Googleの問題は安すぎたり、無料だったりするところだ。それはGoogleのビジネスモデルの62%がアドワーズ/アドセンス広告で形成されていることに起因する。

そう、Microsoftが、そんなに儲かる理由のひとつは、Googleのビジネスモデルとバッティングしていないという側面があるからだ。かつてAppleはGoogleとラブラブな関係だった。Appleのボードメンバーにエリック・シュミット元GoogleCEOがいたくらいだ。しかし、Android OS の無償提供でiOSとバッティングしてしまい蜜月関係は終わってしまった。

Microsoftの強さは、Linuxが登場した時と同じく、「無料(タダ)ほど信用できないものはない」という心理的なIT担当者のキンタマを握っているところにある!そして、ライバルOSが普及する前に、自社OSからのアップグレードという超古典的なしばりで業界を牽引、いや停滞させているのだ。

そろそろ、Microsoftの時代を終焉させなければ、IT業界は1990年代のマルチメディア時代から何にも進化しないままだ。

ちなみに、Googleは…。

そして、Appleは…。

http://www.zdnet.com/apple-google-microsoft-where-does-the-money-come-from-7000026043/