弾言(だんげん)
成功する人生とバランスシートの使い方
アスペクトさんからの献本。
この本は、
P.195からに注目してほしい。
資産=負債+資本 が カネ=モノ+ヒト
という図式に置き換える。この発想はとてもユニーク。
しかもかつては、
ヒト<<モノ
↓
カネ=モノ
それが、
ヒト >>モノ 時代を迎え
↓
カネ=ヒト と説く。
そのココロは「カネ化」である。
貸借対照表や損益計算書が読める人は多くても、カネ、モノ、ヒトの勘定科目を正確に定義づけができる人は多くはいないだろう。
カネを世の中の問題解決の手法として、因数分解していくと、「カネ」という本当の資質が見えてくる。
それが、「カネ化」だ。カネはありとあらゆる森羅万象を、見える化するのに適したツールだったのだ。
時間をカネ化する。人をカネ化する。労力をカネ化する。給料をカネ化してみる。人生をカネ化する。
カネ化というメジャーメントですべてを数値化された価値に置き換えてみる試みは斬新なアイデアであり、小飼弾の発明のひとつといってもいいだろう。
「新しいカネの法則性」が見え隠れしている。
P.193「ベーシック・インカム」の発想は税金のあり方を根本的に変えるだろう。次の与党になる政党は、一度試算してもいいだろう。
この書は、物質的なカネではなく、世の中をはかるモノサシとしての「カネ化」のあり方を学ぶことができる。
特に第2章のサブタイトルどおり、「相互理解のツールとして戦略的に使いこなす」である。
カネそのものが価値を持っているという共同幻想やファンタジー、いつでもモノやヒトの労力と交換できるという物質的なリアリティある姿の両面性を理解しておく必要がある。
カネの由来や意味を考えることができたと「弾言」したい。
自分の体験とスリあわせて自分なりの、カネ化のバランスシートを再構成したいと感じた。
保守的で、前例主義の人にこそ、一度手にしてもらいたい。きっと、眼からウロコだと思う。
もちろん、ワーキングプアだと勝手に思い込んでいる人にも有効だ。