007慰めの報酬のパンフレットは、先行ロードショーのせいなのか?パンフレットは1月24日(土)からの販売だった。
007のパンフレットだけは、なぜだか集めている。
このパンフレットビジネス。おそらく日本だけの独自文化である。この映画を見た”記念”という概念はあまり世界では通用していない。
インターネットでこれだけ情報が満載の時代。オフィシャルなコメントで数10ページだけで、800円はかなりの割高なメディアな気がする。300円だったら、ちょっとは購入を考えるかもしれない。
しかし、それほど順調なビジネスではないようだ。
「パンフレット付き前売り券」というチケットの販売方法をなぜ、映画配給業界は考えないのだろうか?
「無料映画パンフレット」というメディアをどうして作らないのだろうか?
高収益でも部数が流通しなければ、まったく意味がない。また、映画館にわざわざ足を運ぶ貴重な人たちが対象者であるから、このパンフレットを物販と考えるのではなく販促物と考えることはできないだろうか?
平日の昼間の映画館は、映画の日や何かのキャンペーンがないと、どの映画館もガラガラ。
飛行機業界ならば、空気に乗っていただくよりも、格安チケットで販売している枠だ。
レイトショー価格があるのだから、マチネ価格も当然あるべきだ。
しかし、値段を下げることはビジネスの最終手段だ。値段を下げる前に価値を高める施策を取るべきだった。
パンフレットは、一部の人にしか販売されていなくても、すべての人が800円の価値として認識しているのである。
方法は3つ。
1.平日の昼間は、パンフレット(800円)が先着○○名に当たる(配給会社+興行館負担)
閑散期への集客にプレミア付与
2.前売り券購入者には、パンフレット代金がもらえる。もしくは300円で買えるとか(配給会社負担+興行館負担)
携帯ストラップなどのグッズをパンフレットに置き換えるとキャンペーンコストが下がる。顧客には500円の割引感。オペレーションは要検討。
3.パンフレットのメディア化
映画館に2時間、出費して来る顧客をトラッキングしないなんてもったいない。こんなエンターテインメントユーザーへのメディアを真剣に検討すべきだ。
映画館で次回公開映画のチラシを配っている場合ではない。
映画パンフレットを無料にして、メディア化する。
紙を薄くし、ページを倍増。
広告スペースを売る。すると日本の映画館全体がメディア化できる。
全国規模での広告。映画のターゲットにしぼった広告。エリアごとの広告が掲載できる。
すると、新聞社のビジネスモデルが適用できることとなる。
新聞社 = 配給会社
記事の製作と広告枠の媒体を売る。
広告代理店=広告代理店
広告を集め、出稿する機能
新聞販売店=映画興行主(地元広告代理店)
地域の広告を集める
映画パンフレットという日本独自の文化を、「R25化」するのはそれほど難しいことではない。
無料のフリーペーパーであれば、映画を見た人が、映画のパンフレット情報があることにより、知人にも配ってくれるというデリバリーシステムも構築できる。そこに割引券や、ファーストフードの割引券、映画の半券で入れるレストランなどの、ローカル地域バージョンの広告枠があるとさらに収益を高めることができる。「ホットペッパー」化である。
映画が稼げるのが週末だけという、需要と供給の不均衡をパンフレットメディアで解消できるかもしれない。
リクルートのビジネスモデルを研究すべきだろう。
ちなみに映画関係者で、このビジネスモデルにご興味があれば、こちらへ。