「フエル」で検索 ナカバヤシ フエルフォトブック 勝手マーケティング


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企業活動において、自社の優位性やブランドを過去のフォーマットにこだわるだけで、維持できるパターンと、維持できないパターンがある。

ナカバヤシという会社は、後者のパターンであろう。

「フエルアルバム」という絶対的な認知がありながらも、

1.デジタルカメラによる焼きプリントそのものの減少。
2.豪華なアルバムに貼って残す行為とマーケットの減少、
3.100均ショップなどで売られる簡易写真ボックスへの代替化など、

などの脅威にさらされている。

たとえば、アップルが、iPhotoに標準で「フォトブック」作成機能をつけ、新規にデジタル写真を製本化するビジネスに簡単に参入してくる。
Yahoo!の写真共有サイト「Flicker.com」がプリントサービス会社と提携し、サービスを開始する。
フジフィルムが「フジフィルムフォトブック」で参入してくる。などなど

アップルとYahoo!とフジフィルムが「アルバム」業界ということでは、ナカバヤシとすでに同業種となっている市場がすでに存在する。

すでに、ナカバヤシの「フエルフォトブック」は後発ではあるが、「フエルアルバム」の「フエル」というネーミングブランドをそのまま継承でき、「”フエル”で検索」のSEOもトップで登場する。

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問題は、この市場の成長性が低い市場(ポテンシャルは存在する)で、参入者が異常に多いというケースである。

それについてのソリューションは…

【1】知人のフォトアルバムを見る機会を増やす
【2】一度、自分のフォトアルバムを作ってみる
【3】フォトブック作りを有料サポートできるリアル店舗サービス
などが考えられるだろう。

あえて、フエルフォトブックにおいては、
料金価格が最初に明示されること、IE以外のブラウザでも対応されること。
インタフェースの改善も今後の課題だろう。

また、今後の展開の中で考える要素として…

競争要因の中でも、一番目の「(1)新規参入の脅威」が予測不可なことが、デジタルエコノミーの特徴である。



M.Eポーターの競争戦略を理解しよう
より

デジタルエコノミーにおける市場環境とは、昨日までまったく異業種の企業が、突如新規参入してくるということなのである。それは業界という枠ではなく、ユーザー側の視点から見ると、当然ということが多い。

ユーザーは、「アルバムが欲しい」のではなく、「思い出の写真をパッケージで見たい、またはそれでコミュニケーションしたい」という、曖昧な欲求と、未知ではあるが希望購入価格帯を自然に持っている。

デジタルカメラが登場すれば、それをマネージメントするのが、PCであり、PCからプリントアウトするという焼きプリントの新市場が形成され、それをプロがサイトで印刷し製本するというフォトブックというのが新たなフォトブック市場である。

まだ価格が高めであることが成長性を鈍らせてはいるが、何かの劇的な価格破壊者が現れ(Googleが広告挿入したフォトブックを出すなど)、価格を落とせば一気に普及する可能性は存在している。

また、日本人には、自分が製本したものを購入するという意識がないので、知人の結婚式のギフトというような市場しかマーケティング的にイメージされていないのも普及しない原因かもしれない。

偉大なプリクラ文化を経過したコドモがやがてオトナへと成長し、写真を交換しあい、かつての思い出を融合させて新たなフォトブックという形成するという新たな市場が生まれる可能性もある。

残念ながら、プリクラの低画質な思い出をどのように、復元作業するかが問題でもあるが…。

また、そんな側面を持った広範なフォトプリンティング業界内での、市場占有率を誇っていても、業界外のフレームワークの変化に、占有率そのものに、意味がなくなってきている。
いや、むしろ、占有率が新規参入への機会を遅らせる足止めになっていたりもする。

業界のフレームワークが変化していることに気づきながらも、どう対処していいのかがわからないのが、多くの伝統的な企業が陥るジレンマでもある。

かつて、PPM分析では、タテ軸の市場「成長率」は上下のタテ軸のみであったが、デジタルエコノミーでは、いくつもの市場が発生し、複雑に概念が三次元的に変化しはじめている。



PPM分析

タテ軸の「成長率」が三次元化することにより、それぞれのゾーンの戦略も三次元化されなければならない。

そのためには、市場の成長率をあらゆる可能性もふまえて、新規市場に、早めに低い時点でスタートし、デジタルエコノミーに対しての、スピードの「反射神経」を高め、ユーザーとしてのサービスの「経験」し、そこから生み出される「ユーザーの感情」を理解しておくことが一番重要だ。

新しいサービスの前で、必ず、人々は何かおもしろそう、楽しそうを感じさせないと、触手が伸びない。

それは経験値がないからだ。

フォトブックそのものの市場の成長性をあげるには、誰かから、フォトブックを見せられて、

「これいいなぁ!」

「いくら?」

「それは安い!」

「今度やってみよう」

「でも、カメラが…」

「そうだ、新しいデジカメ一眼を買おう!」

とまで変化するシナリオまで想定しなければならない。

で、あればメーカーの新製品とタイアップキャンペーンなどの戦術も考えられる。

カメラの購入者は、ポテンシャルの高いユーザーだ。

カメラメーカー側も、今買えばこのサービスが無料で…となる。

フォトブックのいいところは、本人以外の第三者への口コミが発生し、身内を中心に展開できるところだ。

そんなマーケットを共有できる企業はいないだろうか?

保険業界や、冠婚葬祭、もしかすると、デジタルフォトフレーム?、いろんな業種の市場の共有のチャンスをフォトブックは持っていたりする。

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