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[TV]普通のカレーが世界最高のカレーになる理由。#NHK 仕事学のすすめ 小山薫堂 人を幸せにする企画術 <終> 第4回



作家の小山薫堂さんはとてもいいオーラを持っていると思う。
ライフスタイルが常に、おおらかであり、仕事にもいつも茶目っ気がたっぷりだ。しかも上質な笑いを持っている。

NHKの番組「仕事学のすすめ」で、書籍ではおなじみの「あのエピソード」が写真付きで紹介された。実際にそのお母さんの写真を見るとその現場の空気感までもが伝わってくる。やはり、テレビは凄い!書籍では想像するしかなかった…

企画はサービス精神旺盛な体質から生まれる…

   大学の授業で、カレーライスが準備され、一人の鈴木さんというお母さんがゲストに招かれる。

このゲストのお母さんがカレーの作り方を語るのだ。

お母さんいわく、作り方はきわめて普通。カレーのルーはインスタントだそうだ。

この段階で、「このカレーを食べたい人?」と薫堂さんが、生徒に聞くと、誰も手をあげない。

「ある情報を与えると、あなたたちはこの普通のカレーが食べたくなるはずです」といい、

薫堂さんは息子さんのことをお母さんに聞いてみる。

お母さんは、「息子は野球ばっかりやっています」と答えた。

さらに、「息子はアメリカで野球をやっています…」と続く。

薫堂さんが、「息子さんのお名前は?」と伺うと、お母さんは、「ありふれた名前ですが、イチローと申します」と答えた…。

つまり、そこにいる鈴木さんなるお母さんは、イチロー選手のお母さん、鈴木淑江さんだった。

そして、そこのある普通のカレーは、イチロー選手の大好物で、まさに朝から食べていたという「朝カレー」が目の前で用意されていた。

そこで、薫堂さんが、再度「このカレー食べたい人?」と質問すると、全員がその「普通のカレー」を食べたくなったという。

普通のカレーでも、イチローの大好物となると、価値が大きく変革するのです。

あのイチローが世界で最高に美味しいと言っているんだから美味しいはずだという先入観も働くでしょう。

この普通のカレーを食することによって、他の人よりもイチローとの距離は確実に近くなることでしょう。

イチローが大好きだったカレーという情報が加味されて、それが今すぐに食することができるという環境が、興味や関心を生む。

このあまりにも、非日常的な瞬間こそが、「企画」そのものだろう。

しかし、そんなことよりも、山形の大学にまで、名古屋にいるイチローのお母さんに来てもらい、学生たちの授業でカレーを作ってくれとお願いをした薫堂さんが凄すぎる!

どんなコネがあろうとも、大学生たちの驚く顔が観たいという薫堂さんならではのサービス精神旺盛さがこの企画を実現したと思う。イチローのお母さんもテレビ番組だと登場しなかったことでしょう。

テレビ番組にならなくても、薫堂さんの著書やこんな「仕事学のすすめ」で、このエピソードは何度となく、繰り返されたほうが価値があるのかもしれない。

テレビのバラエティ番組では一瞬の企画で終わり、権利関係の問題から二度と人々の前で放送されることがない。むしろ、テレビ番組にしばられない、アカデミックな授業だからこそ実現できた企画だったと思う。




 

http://www.nhk.or.jp/program/shigotogaku/

NHKネットクラブ 番組詳細 仕事学のすすめ 小山薫堂 人を幸せにする企画術 <終> 第4回.

仕事学のすすめ 小山薫堂 人を幸せにする企画術 <終> 第4回


7月26日(木)
午後11時00分~11時25分
小山薫堂 人を幸せにする企画術 <終> 第4回
15人の社員を率いる企画会社社長であり、大学の「企画構想学科」教授でもある、放送作家・脚本家の小山薫堂氏。「企画力のある人材」はどうすれば育つのか?若手もアイデアを出したくなる企画会議の運営法、「バースデーサプライズ」など企画力を鍛えるための具体的・実践的な「場」づくりまで、その方法論もアイデアに満ちている。企画力をつけるとは「サービス精神旺盛な体質に改善する」ことという、その人材育成術に迫る。

7月19日(木)
午後11時00分~11時25分
小山薫堂 人を幸せにする企画術 第3回
六本木の一等地のカフェのプロデュースや老舗ホテルの顧問など、仕事の領域を広げる放送作家・脚本家の小山薫堂氏。いずれの仕事も、すし屋さんでたまたま隣り合わせた、宿泊中たまたま社長から感想を求められた、といった偶然の出会いが出発点だった。タクシー運転手との会話もネタの宝庫だという。「相手の人生に自分の足跡を残したい」という小山氏。出会いを仕事につなげていく、その独特のコミュニケーション術に迫る。

7月12日(木)
午後11時00分~11時25分
小山薫堂 人を幸せにする企画術 第2回
人気放送作家、アカデミー賞脚本家として順風満帆に見える小山薫堂さんにも、大学受験の失敗や、東京・原宿の竹下通りに出した店の倒産などの挫折体験、売れっ子時代のスランプなどがあった。それを乗り切れたのは「人は知らないうちに最良の人生を選択しながら生きている」という父の教えがあったからだという。小山さんは、どんな「視点の切り替え」をして危機を乗り切ったのか。失敗を成功に転じる、小山流思考法とは?

7月5日(木)
午後11時00分~11時25分
小山薫堂 人を幸せにする企画術 <新><全4回> 第1回
「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」などの放送作家として名をはせ、脚本家デビューとなった映画「おくりびと」ではアカデミー賞を受賞。観光キャンペーンから飲食店のプロデュースまで、卓抜な企画力を発揮する小山薫堂氏。「次々にヒット企画を生みだす秘密はどこにあるのか?」に迫る4回シリーズ。第1回は交通事故防止キャンペーンや故郷・熊本の観光PR事業、「おくりびと」などこれまで手がけた企画の着想の舞台裏を明かす。




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