アラビアのロレンス(Mastered in 4K) [Blu-ray]
2014/12/22
今日、新宿ミラノ座で、あの「アラビアのロレンス」を観てきた。
新宿ミラノ座は、2014/12/31日に58年間の営業を終える。
新宿ミラノ座より愛をこめて ラストショーが開催されている。
500円で名画を観ることができる。
http://www.tokyucinemas.net/news/last-show/
ミラノ座の劇場館主からの丁寧な解説があってからの上映。
厳かな緞帳が静かに昇る。
あと、この緞帳は何度かを繰り返して、役目を終える…。
ボクが最初に「アラビアのロレンス」を見たのは、確か小学生の頃だった。
当時、この超大作映画が、同性愛も描いていたんだという事を初めて理解した。なるほどなぁ…。
今、見ると、ピーター・オトゥールの演技がおかしいし、それを良しとしたデビッド・リーン監督の隠れた意図もあったのかと初めて気づいた。
映画大好きな父に連れられ、神戸の新開地の聚楽館での70mmと梅田OS劇場でのシネラマであった。
連日、「アラビアのロレンス」「ベン・ハー」「スパルタカス」「サウンドオブミュージック」「スパルタカス」「パットン大戦車軍団」のすべて戦争娯楽大作映画だ。
戦後の飲まず食わずを体験した父とボクとでは、映画の見え方が全く違う。
小学校の頃に戦争映画を見させられ続けたボクは、父の想いとは違って、歴史の重要性よりも、人類のどうしようもない、愚かさを小学生の頃に悟ってしまった。シネラマ映画のおかげで…。
シネラマの巨大さは、当時のボクにとっては、洗脳に近かった。
戦争を体験したかのようなトラウマだ。当時は、このようなバイオレンスにR指定はまったくなかった。
ロレンスは、2人の人類を殺してしまったことに後悔したが、後々、なんとも思わなくなってしまった。大義があれば、組織のためならば、人を自分の意に反しても殺せる人だ。
小学生の頃に、この人は尊敬できない…と感じた。
あれから、45年立って、この映画を見た。
今の自分を恥じる。ロレンスと同じ、組織や社会や世相に迎合している自分を恥じる。
今のボクは、ボクじゃない。
明日から、いや、今日からボクはボクの為に生きていく。怖いものはどこにもいない時代だ。言論統制も、戦争もこの日本では、何もない。
たかだか70年前にあれだけのことが起きた地なのに…。
しかし、世界は、今だに70年前の、虐殺や侵略や従軍慰安婦でモメている。
バカ!としか思えない。過去をどれだけひきずっているのか?
過去は反省し、修正していくためのものだ。歴史は二度と繰り返さないための世界の先達からのギフトにすぎない!
ジャンボジェットにジャイアント馬場、巨大政党に、大国アメリカ。
21世紀はミニマルな時代。747の未来は、787に、アポロ計画は、スペースシャトル化へ。
メディアの世界だけが、オリンピックにワールドカップへと肥大化している。
もはや、世界はそんな時代ではない。
新宿ミラノ座が2014年12月末に閉館。
もう、1,000人で一緒に映画を観る時代は二度と訪れない。
最後の数日を、緞帳がおごそかに昇り降りする劇場で、過ごしたい。
映画館に愛をこめて。
サイナラ、サイナラ、サイナラ…。Huluに出演している場合じゃないよ。淀川先生。
予告編
町山さんの、アラビアのロレンス、同性愛「ホモネェ」解説
予習編
復習編
確かに、ピーター・オトゥールの演技は、改てそう言われて見るとそうだ。
台詞回しもおかしいし、英国での歩き方も変だ。
製作のサム・スピューゲルも認めていたのか…。それにしてもテレビ東京、もう少し考えて流すべきだなぁ…
それにしても、宇多丸さん、スゴイ洞察!
https://www.youtube.com/watch?v=xXoNDOnKSRU