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「ジャスト・スタート 企業家に学ぶ予測不能な未来の生き抜き方」
Just Start
レオナード・A・シュレシンジャー、チャールズ・F・キーファー、ポール・B・ブラウン 著
バブソン大学(Babson College)の卒業生には、トヨタの豊田章男氏、イオンの岡田元也氏らがいる。アントレプレナーシップ教育において20年間全米ナンバーワンという大学だ。
本書はその起業家としての考え方と行動をまとめた書。
レオナード・A・シュレシンジャーは2008年7月から2013年6月まで第12代学長を務めた。
ヴァージニア大学ダーデン経営大学院サラス・D・サラスヴァシー教授は、「起業家の行動は、独創的ばかりだが、考え方には多くの共通項がある」という。
プリディクションの後、「行動する」→「学ぶ」→「活かす」 →「行動する」→「学ぶ」→「活かす」→「行動する」→「学ぶ」→「活かす」… の無限の繰り返しを行うという。
人々はビジネスを考える時に必ず、
「予測に基づいた推論=プリディクション Prediction」
を行なっている。予測可能な情報を精査する。既知な情報から計画を立てる。
「未知の事に対して行動から学ぶ=クリアクション Creaction =Create&Action」
Creactionの手法
- 手近な手段ですばやく行動する
- 許容損害を定める
- 発見したこと、学んだことを活かす
- 協力者を作る
- 本当に実現できるのか?
- 自分に出来るのか?
- やるだけの価値があるのか?
- 自分は本当にやりたいのか?
- 自分は何者か?
- 何を知っているのか?
- 誰を知っているのか?
フォーシーズンズホテルの創業者イザドア・シャープは2つの戦略を取った。
- どんな商品でもおいておく ホテルにいながらにしてすべての買い物ができる
- よい人材を集める ホテルは立地と思われていたがそれよりも人材が不可欠と判断した。
※フォーシーズンズは、24時間ルームサービス、コンシェルジェ、バスルームの電話を発明した。
「いつも笑顔で(Smile)、お客様の目をちゃんと見て接しよう(Eye)、お客様を名前でお呼びしよう(Recognition)、従業員同士は声に出してお互いに意見を言い合い、お客様にもはっきりとお伝えしよう(Voice)、みんなで情報を共有化しよう(Informed)、清潔にしよう(Clean)、一人ひとりが役割を果たし、全員でホテルを正しい方向に持って行こう(Everyone)」――これらの意味が「S-E-R-V-I-C-E」の意味
http://www.net-ric.com/seminar/2005/2005_1.html
このJust Startで起業家の考え方は、Creaction&Predictionの共通項があることはよく理解できる。
特に企業の場合は、Predictionに常に重きがおかれ、その精緻さでプロジェクトは動き、日本の場合はそのドキュメントでハンコが動く。
しかし、両輪のうちの片輪であるCreactionについては、全く議論されることがない。Predictionの通り、くりかえさなければならない。勝手にCreactionしようものならば、即座にプロジェクトから放り出されてしまう。Creactionの行動を取る前に、Predictionのレベルにまで会議資料を作り、合議が得られるようにしなければならない。そうしないとCreactionにつながらない。
しかし、もはやその段階でCreactionはCreactionではない。
この書が有効なのは、企業のトップや起業家であり、大きくても小さくても、経営判断できる人が手にしなければならない書である。
そして、それ以外の人は、今までうまく行かなかったプロジェクトの理由がここにあることに気づき、Creactionを図ることだろう。そして、実行レベルのPredictionを作りながら行動することだ。
きっと、そこから組織が変わる兆候が見えてくるはずだ。
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