ヤフー個人ニュースに寄稿しました!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20141209-00041344/
日本のレストランの種類は5,000アイテムに及んでいる。ダントツで世界でNo.1だ。
和食に洋食、中華にイタリアン、フレンチ、各国外国料理…多岐にわたる。
例えば麺類のうどんジャンルだけでも、「関西」「讃岐」「カレー」「ほうとう」「沖縄そば」などの専門店が存在する。さらに、ラーメンジャンルとなれば、「札幌」「喜多方」「東京」「横浜家系」「博多」などの地域別に、「味噌」「醤油」「塩」「つけめん」「油そば」「魚介系」「オリジナル系」の掛け算によるラーメン専門店数となる。
ラーメン専門店だけでも、日本では3万5,000店舗あり、市場規模は5,550億円だ。年間3.8億杯も消費されている。
料理のたかが1ジャンルでこれだけの規模を持つのが、我ら日本人の育った食文化のDNAだ。
一方、海外にある日本食レストランは、推計で20,000~24,000店舗。もっとも多いのは北米の約10,000店、次いでアジア地域の約6,000~9,000店。欧州には約2,000店、中南米に約1,500店、オセアニアに約500~1,000店、ロシアに約500店、中東にも約100店の日本食レストランがある。
http://www.nissui.co.jp/academy/data/07/
それが、2013年3月では55,000店舗(外務省調べ農林水産省推計)に成長している。
2020年の成長分野は「食」だ!
世界の食の市場規模は340兆円(2009年)だが、2020年には、680兆円と倍増する。アジア地域では82兆円(2009年)が229兆円と3倍に増える。
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/pdf/20130620.pdf
この急成長する市場に、日本食は、「文化」「味」「材料」「スキル」「習慣化」などによって10%食い込むだけで68兆円。20%のシェアでは136兆円のアウトバウンド効果が期待できる。これは十分に可能な数字だ。
さらに、日本の食文化をアウトバウンドすることによって、観光や、食材の輸出などと多岐にわたって日本文化の認知を育て、農家や酪農家や刃物産業、衣類、観光に至るまで、日本ブランドへのシナジーは限りなく増える。
日本食の海外でのアドバンテージと競争力
外国人が好きな外国料理の1位は「日本料理」であり、外国人観光客の日本への訪日前に期待することの1位も「食事」である。
平成32年度(2020年)日本の社会保障費は131兆円が想定されているが、それと同等の売上、いやそれ以上が見込めるのだ。むしろ、消費税よりも、海外の潤沢な市場からこの費用を捻出すべきと考えた方が良いのではないだろうか?
2020年、東京オリンピックまでの、あと5年。この5年に出来る限りの策を講じるしか、我らの生きる道はないと思う。もしかすると最後のチャンスかもしれない。
食のアウトバウンドは、世界でも通用する戦略だ。限りない可能性を秘めている世界市場でもある。
このチャンスをどうとらえるのか、官民ファンドだけではなく、政府をあげてでも、海外で日本の多岐にわたるレストラン輸出をぜひ展開していくべきではないだろうか?
国内だけを見ていては、何もできない。…かといって海外で何をという時に、飲食ビジネスは、投資と結果が短期的に見えやすいビジネスだ。
この5年で目標を建てて、集中し、世界の680兆円の「食」の市場を狙ってほしい。