映画「ハンガー・ゲーム」2012/09/28公開 ※ネタバレ注意

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まもなく、映画「ハンガー・ゲーム」が日本で公開される。

http://www.hungergames.jp/

http://www.imdb.com/title/tt1392170/ (English)

Box Office

Budget:

 $78,000,000 (estimated)

Opening Weekend:

 $152,535,747 (USA) (25 March 2012) (4137 Screens)

Gross: $672,826,249 (Worldwide) (30 June 2012)

このデータを見るだけで、制作予算の7,800万ドルを2012年の3月の米国での初公開週末(オープニング3日間)のみで、1億5253万ドルと、2倍近くもリターンしている。世界興行収入では、6億7282万ドルと8.6倍もの制作費回収率だ。

ちなみにMarvel’s The Avengers(アベンジャーズ)は、制作予算が2億2000万ドル、米国初公開週末のみで、2億743万ドル(制作費回収率は0.94)。世界興行収入は、14億8158万ドルで6.73倍だ。
http://www.imdb.com/title/tt0848228/ 

制作予算効率からいうと、アベンジャーズよりも利回りが良い映画だ。

「ハンガー・ゲーム」の場合は、さらに、これから日本での公開分が加算されるることとなる。

しかし、なぜ、世界公開からこんなにも公開が遅いのかが不思議だ。

おそらく、全世界で7000万部売れている原作の評判が十分に伝達されていない事が要因にあるのだろう。

そこで、日本人好きな全米ナンバー1映画の登場だ。

どうも、日本での宣伝手法は、映画の中身のことよりも、賞を受賞しているとか、大ヒットしていることの方が重要なようだ。だから、全世界同時公開というよりも、公開が待たされる結果へとなってしまうようだ。

ボクが観たのはオーストラリアでの初日公開。

完全に字幕なしの英語だけでの理解なので正当な評価とはいえないが…

評価の前にこの映画には、いろんな映画の既視感が満載だ。

ナチスの収容所のようなところから選別されるシーンは、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」を思いだし、選別された少年少女が格闘するのは、深作欣二監督の「バトルロワイヤル」。テレビショーのシーンは、ダニー・ボイル監督の「スラムドッグミリオネア」やリュック・ベンソンの「フィフス・エレメント」。また、戦士の描き方には、ノーマン・ジェイソン監督の「ローラーボール」に至るまで。移動の超特急はカート・ウィマー監督の「ウルトラヴァイオレット」

書籍でヒットしていても、映画がハズレないためには企画段階でいろんな映画でのイメージしやすいところを随所に落としこんでいるのかもしれないと思うほどだ。

この映画の本質は、ハンガー・ゲームという戦争と、それをメディアの世界で見ているエンタメの世界との2つの世界感の落差だ。そこにあるのは、プロレスなどの興行ではなく、完全なるリアリティショー。

しかも、視聴者までも味方につける必要がある。

ヒロインのジェニファー・ローレンスのすっぴんで原野を弓だけで駆け抜ける姿と、メイクをして番組で紹介されるという両面が見られる。

ここからは、ネタばれ。

 

 

 

 

 

ヒロインのジェニファーと自然の美しさ、虚構ひしめくメディア側の世界。

よく比較される「バトル・ロワイヤル」のような血生臭さはなく、良くも悪くもハリウッドテイスト。

広大な自然の開放感がバトルロワイヤルの残虐性を希薄化させているのかもしれない。

戦闘モードだけでなく、かつの恋人と運命を背負う同士との恋人関係への発展なども見所だ。

おそらく同じ非日常な状態を共有する「吊り橋効果」に勝るものはなく、かつての恋人はあっさりと過去のものになってしまう。

主人公がタフさを発揮しながらも、ルールには従う点が、若干消化不良。

こんな世界なんて…と!最後の大ドンデン返しを強く強く期待したのだが、それは次回作へと引き継がるのか?

続編へ続くのような、姑息なエンディングがなかったことだけでも助けられた。

ヴィジュルデザイン的に、一件の価値があるだろう。

ジェニファー・ローレンスの好き嫌いで評価が非常に別れる映画だ。

ボクは彼女の透き通った透明感とメイクをした時の派手さに、ぐっと心を奪われてしまったが。

 

 






 

 

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