最近のテレビ番組がつまらない、いくつかの理由

【追記】2022/05/23  この記事を執筆してから13年もの時が経由しても、まだテレビ局側のアプローチはのんきなままだ。

TV東京が、日経新聞にユニークなお詫び広告という名の宣伝を掲載した。
TVerの宣伝だ。

2022年4月10日から日本全国でTVer経由でTV東京の番組がリアルタイム配信されるようになった…。
しかし、ゴールデンタイム限定なのが残念だ。

TVer
https://tver.jp/

TVer は民放の護送船団方式の『放送』から『通信』への新たなチャレンジである。NHKも2019年8月26日から一部開始
それでもまだ、本丸で勝負しているつもりがないのが、24時間放送でないところだ。

いまだに、『編成』でいうところの『ゴールデンタイム』だけのサイマルキャストによる放送だ。
コマーシャルも筆者の場合、『ヨコハマタイヤ』の深田恭子さんばかりがヘビーローテーションされる。年代と地域とスキな番組からのマッチングだからだ…。
https://www.youtube.com/watch?v=s2NmDHqvLUU

興味のあるものを5つ選ぶとかでCM対象を選ばせたほうが良い…。
しかし、それをした方が、マッチングの精度は上がるが、広告のマッチングの数量は減る。
どうしてもView数や視聴率を優先してしまうと、マッチしない広告を露出するビジネスをめざしてしまう。いや、それではない、広告主の立場に立って、欲している消費者とのマッチングを目指さないと、テレビモニタが減少する中での変わらない視聴率のシェアでのビジネスと変わらないからだ。

いや、もっと詳細に情報提供してくれる人へは、もっとフィットした広告主をマッチングすべきだろう。
amazonでもPayPayが使えるようになったので、コマーシャルでも、PayPayなどのポイントをプレゼントし、オプトインしたユーザーには、PayPayポイントによる割引と視聴者の反応を、かつてのTSTUTAYAのレンタルビデオのTポイントとの役割同様に紐付けるべきだろう。

そう、TSUTAYAのTカードは、レンタルビデオやDVDの情報と紐付けられた顧客情報を分配されていたから価値があったのだ。

【追記終わり】

週末の昼番組のテレビのEPGを眺めていて気づいたことがある。

あらら、再放送ばかりだ…。

http://j.mp/eOHVe

さらに、情報バラエティの生番組。情報ニュース番組。そしてスポーツに、将棋。

「天才をつくる!ガリレオ脳カツ研究所」に関しては、PR生番組が120分にもなっていた。
肝心の本放送は、なんと予告編よりも短い90分…。
予告編の方が本編より長いという逆転現象がテレビ番組制作の現場で起きている。

制作費は、3時間30分の番組でも、おそらく一本は一本ということで、一本分の制作費だろう。

今、録画しているのを見ながら、執筆しているが、実にくだらない…。前頭葉を刺激するという名目のもとに、無駄なゲームに何時間も過ごさせられる…。

吉本芸人のリアクションとジャニーズだけの情報バラエティ番組。要素は要約すれば1/5に縮まる。
「ためしてガッテン (NHK 水 20:00)」を、早送りで見たほうがよほどタメになる。
http://www3.nhk.or.jp/gatten/

そういえば、一昨年あたりから、テレビ番組の作り方が大きくかわってきている。これは、「テレビ」という業界の「フリーミアム(無料ビジネスモデル)」が、崩壊しているからだろう。

まずは広告の変化だ…。
広告主が変わる…サラ金の広告が消え、パチンコの広告が増える。サラ金のCMの次は、その被害者のためのCM 借金返済専門の弁護士事務所のCMが登場し、 空き枠対策のAC「自殺防止CM」も登場。コンビニの柳原可奈子は業務サービスのコンセントを抜き、自分の携帯を充電…。

ITJ法律事務所 上原美優編 http://j.mp/UYdsm

パクロス http://j.mp/1B7RYZ

なんだかCMまでも、殺伐としてきている。テレビを見ていて、物欲を刺激されるどころか、見ていることを止めたくなるCMが増えてきている。CM営業が不調だと、番組は制作費減少で、反対に制作費のかからない番組をワイド化して長時間にする。さらに内容が薄まってしまって、まるで、CMスポットの間の空き枠対策番組となってしまう。ますます見ている側がアホらしくなってしまう。

ニュース番組のワイド化も問題だ。どうでもいいニュースにまで、鋭く迫る(笑)。

ニュースだけでは、インパクトがないので、女性アナのキャラクターを引き出す。しかし、キレイなアナウンサーの困っている表情が似合うのは滝川クリステルくらいのものだ。

さらに、ネタに困ると、世界の動物ネタが増えてくる。動物ネタがニュースに流れると、大したニュースがなかったことを素直に喜べる。さらに、ネットで流行している珍グッズものまで。さらにはランキングものになると、もうそれはニュースでも、特集でもなく「企画」だ。

毎日、本当は一面記事クラスのニュースは起きていないことがよくわかる。なのに時間枠がワイド化しているので、大きくあつかわざるを得なくなる。酒井法子が終われば、市橋容疑者だ。ディレクターは、次なるニュースの仕込みを血眼で探さざるを得なくなる。ネットの噂でも漁りはじめ、最悪、ねつ造ニュースまでが出る始末となる。
当然、大多数のニュースは、ウラを取って確実でないと報道ができないので、取材力の真剣勝負となる。
架空請求業者と戦う、日本テレビのイマイ記者の取材は、電話とリダイアル機能だけで説得力を持った番組に成り立っている。
報道特捜プロジェクト スペシャル 架空請求の裏側
http://bit.ly/3wW3Ho
この番組が終わってしまったことそのものが残念である。

スポーツ番組は、メジャースポーツからマイナースポーツや、セカンドリーグなど、ある意味、マイナースポーツをメジャー化できるのも、テレビのチカラでもある。ローラーゲームの頃の東京ボンバーズを想い出して欲しいものだ。

そして、それらの制作費の問題を一番解決するのが、再放送だ。

かつては、映画と音楽の再放送で視聴率は稼げた。

しかし、映画は細切れにカットされて、吹き替えになり、CMまみれの映画でもみたい人は、中間に自宅にいる人になってしまい、レンタルビデオでまかなわれている。地上波本邦初!とふれこまれでもしないと見る気、いや録画する気にもならない。そして、見ていない録画映画は数十本に至り、新しい映画があると、古いのから、見ていないけど消してしまうという視聴行動を取っている。

また、音楽にいたっては、純粋な音楽番組そのものが、なくなり、トークやランキングにうもれているので、再放送しにくくなってしまった…。一社提供の「シオノギ MUSIC FAIR(フジ土18:00)」くらいのものか?なんと45年間も継続している…。

少し前の「SmaSTATION!!」は、

http://www.tv-asahi.co.jp/ss/

「スペシャル」という名の再放送の構成だった。これでも十分に楽しめる。
毎回、視聴している人にとっては重複になるのだが、テレビを視聴する機会が激減している今となっては、「笑っていいとも!増刊号」のような再放送再編番組でも十分楽しめる。しかも、ハイライトシーンだけが視聴できる。編集で新たな情報を加味すれば十分に使える。そして、制作費は、スタッフ人件費だけでまかなえるのだ。

今後のバラエティ番組は、再放送スペシャル番組が、のきなみ増えてくることだろう。また番組改編期、9月と3月ともなると、新番組がスタートするのではなく、一ヶ月くらいはスペシャルという名のそれぞれの番組に、他の番組の宣伝が入ったプロモーションが続く。しかし、これが実にウザい。

録画番組で見た時には、本日とか、明日ではまったく意味がない。
これからの番組宣伝には、「何チャンネルの何曜日の何時」とまでとクレジットを入れないと番組宣伝にはならないのだ。

海外のドラマが、ケーブル、DVD、国内地上波、海外輸出と放送され、シーズン3,4,5,と続き、ドル箱になるのと反対に、日本のドラマは早期の1クール打ち切りなどが続く。ジャニーズを起用しようが、吉本を起用しようが長くは続かない。幸い、日本映画とのテレビ局タイアップを事業局経由でヒットさせているが、映画のCM宣伝枠を正価で考えていたら赤字ビジネスだ。キャリア主体の携帯電話と同様に、テレビ局主体が招いた制作社の自由を奪ってしまったことが原因かもしれない。

そんな中、NHKで放送されている、「世界ふれあい街歩き」はよくできている旅番組だと思う。
「世界ふれあい街歩き」
BS-hi毎週 木曜日22:00 金曜日8:00(再) 地上波 毎週金曜日 22:45〜
http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/

インタビューワーが、カメラマンと、海外の街を歩くだけなのだが、まるで自分が歩いて世界を旅をしているかのような気分にさせてくれる。とても変わった番組だけど、キレイな映像を、街の人との会話と共に展開している。
おそらく、ディレクターが女性で英語が堪能でないせいか(想像です)、何度も、外国人に質問しかえされるが、それが反対に妙にリアルである。自分がまるで、質問している感覚なのだ。男性が妙に親切なのもインタビュワーが女性ならではだろう。
不思議だったのが、吹き替えで話しをしているが、インタビュワーの声が聞こえないところだ。
テレビコ  http://j.mp/1B76ZW
によると、なんと、丸二日もかけて音声を街頭のノイズで消しているという…。この職人ワザには驚いてしまった。

たとえば、この手法をバラエティに取り組むとすると、有名人が街を歩いて、街の人の反応を、元に有名人を逆に当てるという番組も可能だろう。もしくは、有名人が街を歩くと、どんな反応をするのかという、視聴者が、疑似有名人になるというようなリアリティ−番組も可能だろう。

中途半端に作られた情報番組よりも、リアルな情報番組の方がおもしろいとますます思いはじめた。
近い将来、twitterでそれぞれの日常がライブで販売されるようになり、それが放映さ