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12万円のオムレツとリッツカールトンのナイン・ドッツ 

MXテレビ『モーニングクロス』で作家であり俳優の中谷彰宏さんのオピニオンクロス「値上げすると、売れる」で『12 万円のオムレツ』の話しがあった。非常に面白いアイデアだと思った…。

ちなみに『モーニングクロス』は朝7:00にここにアクセスすれば東京圏外でも視聴できる。オピニオンクロスは7:40分あたりだ。
http://mcas.jp/

付加価値マーケティング
値段を下げたマッサージ店は、客数増えてサービス悪化。客層が落ち、クレームしかこない。
三万、五万、十万のメニューがあると客層が大きく変わる

付加価値マーケティング
市場=顧客÷事業者数
値段を上げるとゆとりが生まれる

気になって検索してみると、どうやらリッツカールトンのサービスのようだ。

お二人で10 万円「究極の朝食」

ザ・リッツ・カールトン大阪のメインダイニングのラ・ベが、お2人のためだけにご用意する特別な朝食。
お客様の目の前でシェフがこだわりの食材を使用したオムレツをお作りいたします。シャンパンのさわやかな味わいと生演奏で始まるこの贅を尽した朝食とともに、ヨーロッパ貴族の邸宅を彷彿させるホテルのメインダイニングで夢のようなひとときをお過ごしください。

時間
毎日7 a.m. ~ 10:30 a.m.
料金
お2人様 108,000円
場所
フランス料理「ラ・べ」 (5F)

究極の朝食メニュー

ドン・ペリニョン(フルボトル)
フレッシュ・フルーツ・ジュース
鳥骨鶏の卵を使用した3種類のオムレツ

◆ 一品目のオムレツ (フロム・ザ・リバー)
オシェトラキャビアを添えたオムレツ コンディメント チャイブ入りサワークリーム

◆ 二品目のオムレツ (フロム・ザ・シー)
オマール海老のオムレツ 甲殻類のソース カプチーノ仕立て

◆ 三品目のオムレツ (フロム・ザ・ランド)
トリュフ入りオムレツ、スライストリュフと野菜添え
※季節により上質のトリュフが市場にない時期には、モリーユ(アミガサ茸)を使います。
デニッシュペストリーとブレックファーストバスケット
コーヒー、又は紅茶

※1日1組様限定、完全予約制。3日前までにご予約をお願いいたします。※生演奏の内容は変更する場合がございますので、予めご了承ください。※上記プランは、特別価格のため、全ての割引の対象外となります。※当店で使用しているお米は、リゾット以外全て国産米です。※上記税込料金にサービス料13%を加算させていただきます。※写真はイメージです。メニューの内容は変更する場合がございます。予めご了承くださいませ。
http://www.ritz-carlton.co.jp/restaurant/labaie/breakfast/

なるほどサービス料や消費税を入れると12 万円のオムレツになるのだ。2人なのでおひとり6 万円。
1000円のコーラを売るリッツ・カールトンだから(原価率1/10)、モエ・シャンドンのドンペリニョンのフルボトル(原価1万5,000円)がついたオムレツ2人前で12万円は決して高くはないのかもしれない。原価率1/10にしてしまうとドンペリニョンだけで15万円だ。

100円のコーラを1000円で売る方法―マーケティングがわかる10の物語

当然、オムレツが12 万円となるとテレビなどのマスメディアの取材はあるだろう。タレントに食べてもらうというタイアップ企画の話しも飛び込んでくるだろう。広告宣伝費をかけるよりも、『ありえなさそうな価格がもたらす、ウイスパー効果』は大きい。

そして、さすがは、リッツ・カールトン、『オムレツ12 万円』という『ひとつの企画』が『伝説』として一人歩きする。そして、その今日でも予約できる伝説があるので、いつかは、あの『オムレツ12 万円』たべてみたいという『夢』にまで昇華させることができる。
きっと、その場でプロポーズとかの演出を考えたら、リッツ・カールトンはそれ以上の応えを出してくれることだろう。

しかし、このメニューを当初、企画した時には難航していたそうだ。

リッツ・カールトンというおもてなし

大阪のリッツカールトンでは「10 万円のオムレツ」を1日2名のカップルにだけサーブするキャンペーンをした。その企画に対して、最初営業担当からは「10 万円も払ってオムレツを食べる人はいないよ」とさんざんだったが、フタを開けてみると予約が殺到した。

なぜか。10 万円のオムレツはオムレツだけでなく、リッツでテーブルマナーや料理のウンチクまで学べる場であったことが評価された。その企画を否定した営業担当は「自分の年収」「自分の価値観」「自分の経験則」など、ナイン・ドットの中でしか発想していなかったというわけだ。10 万円の価値を認める人の年収、価値観、経験したいことに思いをめぐらせることができなかった。

高野さん(※元 ザ・リッツ・カールトン・ホテル日本支社長 高野登)の話はこれで終わらなかった。

ひとつの仮説に過ぎなかったオムレツにニーズがあった。リッツ・カールトンの社員に「制約ははずさなくてはならない」という認識をもたせた。これが第一章。

そして第二章は、「いろんなことを試してもいいんだ」という意識転換である。「制約を越える」ことで大切なのは、「考えたことを実行してもいいんだ」「実行できるんだ」という企業風土である。だから考えることがおもてなしにつながるという意識が生まれ、それから「考えさせる技術」「考えさせるプロセス」を業務に組みこんでゆく。手法やプロセスが先ではない。社員が本気になること。こっちからだ。

今朝の社内ミーティングでもこんな会話があった。自分の業界内の掟で考えるのはたいした発想がでない。せいぜい改善どまりである。業界の枠は取っ払うこと。なぜならお客様は業界を選択してお金を払うのではなく、あなたの会社、あなたのサービスに対してお金を払うのだから。

http://marketing-brain.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_9e1e.html

リッツ・カールトンのナインドッツ

リッツ・カールトンには2つの源流がある。19世紀後半、ホテル王といわれるスイス人のセザール・リッツが、パリにホテル・リッツの源流となる「ホテル・リッツ」を開業した。これが一代目。高野さんは「二代目」と表現されていましたが、1983年米国に進出したリッツ・カールトンは、アトランタから今日のリッツ・カールトンの流れをつくりました。

【おもてなしとは現状否定/発想の制約解除から】
おもてなしイコール・サービスと直接的に思いがちですが、リッツ・カールトンのおもてなしのDNAは、セザール・リッツ氏の「発想の制約を外す、現状否定をする」というものに端を発するという。

リッツ氏は数々の現状否定を実現してきた。19世紀から20世紀にかけて(つまり今から100年前)、シャンデリアの明るさを変えたのもひとつ。現代のように調光機能など当然にあるわけもなく、そのような考え方自体が存在しなかった。リッツ氏はただ「女性をもっとも美しく見せること」から発想したという。あるいはホテルの全室にシャワー室を備えるのもパリのリッツからだったそうです。それまではシャワー室に行くのが当然でした。

【Go beyond Nine Dots/発想の制約をとる】
現代のリッツ・カールトンの営業研修では、いわゆる「ナイン・ドット」をやる。それこそ「脳がびしょびしょになるほど」考え抜かされるという。

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4本の直線ですべての穴をとおらなくてはならない。これは5本の例

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謎々好きの方はナイン・ドットはご存知だろう。「4本の直線で9つの点をすべてたどる」というアタマの体操である。すぐ種明かしだが、9つの「枠」の中だけではできないのだ。「9つの点の外にはみだす」直線を考えなければできない。つまり「まだあなたは枠の中で考えていないか?」という問いかけをするものである。

Ninedots の正解

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http://britton.disted.camosun.bc.ca/ninedots/ninedots.gif

ドットには意味をもたせることも重要である。「施設の制約」「設備の制約」「コストの制約」「人材の制約」「自分の経験」「過去の成功体験」「エリアの制限」など、制限や制約を書き込んでみて、それを飛び越えないとほんとうの商品戦略改革、事業戦略改革はありえない。
http://marketing-brain.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_9e1e.html

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