2013年、テレビ離れする日本と、テレビシフト化するアメリカ メモ

米労働省が興味深い統計を発表した。「American Time Use Survey(米国民の時間の使い方に関する調査)」。

2003年から毎年実施しているもので、15歳以上の米国人が対象。最新の12年版では約1万2500人が回答した。 2012年は労働時間が減少した一方、睡眠時間やレジャーの時間が増加。なお厳しい雇用情勢を反映した結果となった。

 おもしろいのはテレビの視聴時間。
2012年は平均で1日あたり2時間50分と、11年から5分増えた。

もともとテレビ好きな国民とはいえ、「フェイスブック」や「ツイッター」に代表されるインターネット全盛の時代に、2年連続の増加は特筆されるべきだろう。

 米メディア業界で最近目立つ新聞社によるテレビ局のM&A(合併・買収)も、このデータで説明がつく。1990年代には全米で6000万部を超えていた新聞発行部数は4400万部まで減少。ネット時代にもあせないテレビの価値を評価し、収益の軸足を移していく戦略は当然ともいえる。

 新聞からテレビへのシフトは投資家も支持している。6月13日に地方のテレビ局20社を保有する企業を、総額約22億ドル(負債含む)で買収すると発表したガネット。「USAトゥデー」などを発行する同社の株価は発表後、3割近く上昇。再編ドミノへの思惑から、他のテレビ局大手の株価も軒並み上昇している。

 08年に経営破綻し、昨年末に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用から脱却したトリビューンも、進む方向は同じようだ。傘下の有力紙「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」など8紙の売却を模索する一方、7月1日には米投資ファンドから地方のテレビ局19局を約27億ドル(約2700億円)で買収すると発表した。実現すれば、保有するテレビ局は42に増え、1847年創業の老舗新聞社のイメージは大きく変わる。

 ニューズ・コーポレーションは6月28日、「ウォール・ストリート・ジャーナル」を含む新聞事業などを切り離す会社分割を完了した。ルパート・マードック会長は会社分割を新聞事業の競争力を高める好機ととらえ、電子版の拡大などデジタル戦略を加速する方針。だが、「新聞事業は過小評価されている」というマードック氏の主張に同意する向きは少ない。

 テレビ事業を主体とする「21世紀フォックス」と、新聞事業を中心とする新「ニューズ・コーポレーション」は1日からそれぞれの株式の売買がスタートしたが、取引初日の終値は21世紀フォックスが上昇する一方、新ニューズは下落した。

 限られた時間の配分を巡って激しさを増すメディア間の競争の最終的な勝者は誰か。米で加速する再編の行方を、市場は冷徹に見つめている。

http://www.nikkei.com/markets/kaigai/nyexpress.aspx?g=DGXNASGN03016_03072013000000

 

NHK放送文化研究所が発表した『2010年国民生活時間調査報告書』によると、国民全体の平日のテレビの平均視聴時間は3時間28分と、2000年以降ほとんど変わっていないという。しかし、視聴時間の減少傾向が最も顕著な20代男性では、2005年調査時は2時間11分だったのに対し、2010年調査では1時間54分と大きく下がっている。20代男性以外でも、30代以下は男性、女性ともにテレビ視聴時間が下がっており、やはり「若者のテレビ離れ」は進んでいるようだ。逆に、高齢者ほど長時間テレビを見る傾向があり、男性の70歳以上では平日、土曜、日曜の全てで視聴時間が5時間を超えている。現在テレビを支えているのは、高齢者と言って間違いはないだろう。
http://diamond.jp/articles/-/38402?page=5

 

1週間に8チャンネル全てのテレビ番組を録画することができる全録レコーダー「SPIDER」の発売、インターネットにつないで様々な映像コンテンツやTwitterなどのSNSを利用できる「スマートテレビ」の登場、米国発の「Hulu」といったビデオ・オン・デマンドの参入などにより、ゴールデンタイムやプライムタイムという放送概念、テレビ局が全時間放送することの意義、テレビCMという広告形態の在り方などが、問われることになるだろう。
http://diamond.jp/articles/-/38402?page=8 

 

 テレビをまったく視ないという人は微増している。NHK放送文化研究所が実施した「国民生活時間調査」では、平日のテレビ視聴時間が2010年までの5年ごとの調査

 ・1995年:8%
 ・2000年:9%
 ・05年:10%
 ・10年:11%

「ニコニコ動画」を運営するニワンゴが10年に実施した調査では、平日にテレビを視る時間を問う質問で最も多かった回答が「まったく視ていない」で20.9%だった。年代別では20代の24.3%、30代の22.7%の順に多く、若い世代にノーテレビライフが増えている傾向も垣間みられる。

http://biz-journal.jp/2013/05/post_2044.html

 

録画視聴率について

–これだけ録画でテレビを視る人が増えているのに、そうした事情を加味した視聴率調査はできないのでしょうか?

藤平 やろうとすれば、すぐにでもできますよ。すでにアメリカやイギリスでは数年前からやっていますし、それをもとにしてCMは売り買いされているのですから。そうした調査をビデオリサーチ社が開発できないのであれば、そのシステムを買いさえすればいいわけです。そうすれば、

 ・ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラスセイムデイ
  …24時間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス3デイズ
  …3日以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率
 ・ライブ視聴率プラス7デイズ
  …1週間以内に録画された番組の視聴率+ライブ視聴率

の4つの視聴率の算出が可能になります。

http://biz-journal.jp/2013/04/post_1945_2.html

忘れてならないのは、視聴率というのは、人々の番組の嗜好を測定する指標であると同時に、テレビ局や広告代理店にとってはスポンサーのCM料金、すなわちテレビ局の売り上げにかかわる重要な広告効果の指標の1つでもあるわけです。そういう視聴率調査に、CMは早送りで視る人が多い録画で視る人の数を加味しても、彼らにとっては意味のない調査になるのでしょうね。「録画で視る人を視聴率調査する必要がない」という電通の意向が、このシステムの導入を大きく阻害しているのだと思います。

http://biz-journal.jp/2013/04/post_1945_3.html

 

こんな便利なスマートビエラが登場したにもかかわらず、民放でのCM放送は拒否されている。

 http://panasonic.jp/viera/voice_remocon/index.html

パナソニック新型テレビ、民放各局がCM放送拒否

テレビ画面に放送番組とインターネットのサイトなどが一緒に表示されるのは問題だとして、民放キー局がパナソニックの新型テレビのCM放送を拒否していることがわかった。大手広告主のCMを放送しないのは異例だ。

 民放関係者によると、問題にしているのは4月下旬に発売された新型の「スマートビエラ」。テレビ起動時に、放送中の番組の右側と下に、放送とは関係ないサイトや、ネット動画にアクセスできる画面が表示される。

 民放側はパナソニックに対し、視聴者が放送番組とネット情報を混同するおそれがあるとして、表示方法の変更を求めている。放送局が提供するデータ放送に不具合が生じるケースもあるとしており、パナソニックと協議を続けているという。

 一方、パナソニックはいまのところ、番組とネット情報を明確に区分しているとの立場だ。同社広報は、「スマートテレビは新しいサービス。放送局側と協議して放送と通信の新たなルール作りを進めているところなので、現時点ではコメントを控えたい」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130707-00000006-asahi-soci&1373146030

 

Googleグーグル、テレビ番組のオンラインサービスを検討―メディア各社に打診

 インターネット検索大手の米グーグルは、従来のテレビ番組をストリーミング配信するオンラインサービスを検討しており、コンテンツのライセンスを取得すべくメディア企業に打診している。関係筋が明らかにした。

 

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 グーグルが事業化を進めれば、ケーブルテレビ(CATV)会社による複数のテレビチャンネルをパッケージ化して提供するサービスをブロードバンド回線を通じて行うことになる。

 半導体大手のインテルやソニーが同じようなサービスの提供に向けて取り組んでいるほか、アップルもここ2年ほど、さまざまな番組ライセンスに関連するアイデアをメディア企業に売り込んでいる。

 グーグルはここ数カ月の間に、この取り組みに関する予備的な交渉をいくつかのメディア企業と行った。少なくとも1つのケースでは、同社が製品のデモンストレーションを行ったという。実際にこのデモを見たある関係者が証言した。グーグルのコメントは得られていない。

 インターネットテレビサービスがもし始まれば、伝統的なテレビ業界の仕組みに大きな影響をもたらす可能性がある。このほか、契約者のつなぎ止めに既に苦戦している有料テレビ運営会社の競争相手が新たに増えることになる。

 ネットフリックス、フールー、それにアマゾンといった既存のインターネット動画サービス会社はオンデマンドで番組を配信しているが、今回のグーグルなどの取り組みの狙いは伝統的なテレビチャンネル、つまり従来の番組提供にあり、消費者がケーブルテレビで行うのと同じように簡単にチャンネルを変えられるようになることを目指している。

 グーグルがライセンス契約を結べるという保証はない。メディア企業は新規参入者へのコンテンツ提供が、従来の収益性の高い提携関係を損なうことを恐れている。

 メデイア企業の幹部らは、むしろ現存の配信事業者に提供するオンライン、オンデマンドのコンテンツの拡大に前向きだと話す。

 価格に関しては配信規模の最も大きい企業を最も優遇することが多い。グーグルやその他の企業は、現在検討中の新サービスのライセンス契約について、満足できる妥当な価格で結ぶには、標準的なチャンネルをひとまとめにした契約方式を受諾しなければならないのはほぼ確実だ。CATV会社や衛星テレビ会社が現在結んでいる契約方式、つまり、人気のチャンネルとそれほど人気でないチャンネルをひとまとめにしたパッケージ契約だ。

 関係筋によれば、グーグルも2年ほど前、同じような「オーバー・ザ・トップ(OTT)」サービスに関する協議をメディア企業と行っていた。関係者の1人によると、交渉はそれほど進まなかったという。

 しかし、それ以降状況は変化している。いくつかのハイテク企業が同様のサービス提供に向けて取り組んでいるだけでなく、有料テレビ事業者までもが全国的なストリーミング権をメディア企業に求めている。

 グーグルは近年、テレビ事業やインターネット動画事業を拡大するその他の方策をいくつか講じている。傘下のインターネット動画サイト「ユーチューブ」向けのオリジナル番組製作に資金供与したり、カンザスシティーで「グーグル・ファイバー」を通じたCATV事業を始めたり、CATVのセットトップボックスにインストールするソフトウエア「グーグルTV」を開発したりしている。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324802804578610641560890754.html 

ソーシャルTVサービスのビジネスモデルと可能性
http://media.looops.net/naoto/2013/01/10/social-tv-business/

 http://blog.trendrr.com/2012/05/21/social-tv-ecosystem-2011-2012-infographic/

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