2000年01月17日(月) 第582号 日刊!関西インターネットプレス
西武の松坂投手の広告解禁によって、さまざまな広告スポットが見
られるようになりました。中でも全日空ANAの「ハンバーガー計画」
編はよくできたCFだと一瞬、思いました。
飛行機もののパニック映画の雰囲気で…
「お客様の中で、昨年新人賞をとられた方はいらっしゃいません
か?」
「はい…」
「お客さまの中で、150kmの速球を投げられる方はいらっしゃいませ
んか?」
「はい、調子がよければ…」
「お客さまの中で、ハンバーガーを3つ以上食べることができる方
はいらっしゃいませんか?」
「はい…」
松阪投手の起用は、とても冴えています。しかしこのCFの目的
は、てっきり、西武と全日空の提携か、もしくは、マクドナルドと
全日空との提携かと思いました。
また、意味深な「ハンバーガー計画」「ANAは若い」に…。これから
どんなキャンペーンが起きるのかとっても期待していましたが、ど
うやらイメージアップだけのキャンペーンのようです。
ANAに乗ると、「ビッグマック」が食べられる訳でもなく、西武の
オープン戦のチケットが当たるわけでもないのです。ただ、単に
「ヒコーキをカジュアルにもっと楽な乗り物に変換する」ことが目
的だったようです。
ANA’S ハンバーガー計画
http://svc.ana.co.jp/matsu/m_2.html
ちょっと、これにはがっかりしました。あのイメージで若い
ボクたち(^^)が、ANAが若い!と思って利用するかといえば…大いに
疑問です。+1000円でシートが広くなったり、専用の液晶がつくより
も、機内で安定航空後は、携帯電話が自由に使える、またはそれだ
けのパケットを用意する(米国ではGTEがサービス中です)、パソコ
ンの電源が搭載で自由に機内で電源が供給される。喫煙席がある。
希望者には、ハンバーガーが食べられる(^^)。スターバックスコー
ヒーがある。SKY PerfecTVのチャンネルがすべて見られる。最新の
雑誌やマンガがすべてある。搭乗チケットの半券で映画が半額にな
る…などなどのサービスがあれば、きっとハンバーガー計画は成功
するのでしょうが、今のままで、「ANAは若い!」と自画自賛されて
も、「ANAは甘い!」と言わざるをえません。
また、これと同じ路線を歩んでいるのが、ローソンのCFです。小錦
さんが、がんばっても街角の店内の雰囲気は以前と変らず…。
カルロス・ゴーンさんが来る前の日産もこんな感じで、CFも「もっ
と日産になる…」なんていっていましたから、自動車業界同様、ANA
もスターアライアンスの一員に買われてしまうなんて事になってしま
うのでしょうか…。また、ユナイテッド航空のように社員持ち株会社
となり、いっそ社員が大株主となって運営するような会社の選択もい
いのではないでしょうか?
ユナイテッド航空のアナウンスは、すごいです。「我が社の大株主
の代表があなたさまの質問をこれから承ります」とコメントします
からね(^^)。なんだか、顧客側は、すごくもてなされているような
感じがします。また、社員も大株主としての代表ですから、しっか
りする人とエラそうになる人との2手にわかれるかもしれません
が、しかし、奉行人の一人と思うよりは、いいサービスができると
思います。
また、逆に新幹線のCFは秀逸です。スキーにいくのに、車にいっ
て、小便を我慢し過ぎて、「どうしてこんなに我慢するんです
か!」と病院にかつぎこまれ、しかられるバージョンがありまし
た。車が雪道で動かなくなったり、誰もが経験するような事象が登
場すると、「やっぱ新幹線かなあ…」って思ってしまいます。
また、情報雑誌系では、「カーセンサー」の優香ちゃんの「じゃ
ん、じゃん、まあね〜」というCFと、何の本かわからないけど、く
れよんしんちゃんの表誌の「ちんたいばぁ〜ん」は、印象に残りま
す。神田うの嬢と梅宮アンナ嬢のCFの方は、今ひとつ現実感がとも
なわないので記憶に残りにくいのです。
「ハンバーガー計画」のCFは、これだけ記憶に残っているのですか
ら、テレビのコマーシャルとしては成功かもしれません。しかし、
同じだけの経費をインターネットで行ったとしたら、もっとよかっ
たかもしれませんね。
i-modeで乗りたい便を選び、ちらっと見せるだけで搭乗券になった
りする時代は、年内にも登場しそうですね。新幹線もそうやって予
約ができたり、TAXIも近くにいる空車が携帯電話を押すだけでやっ
てくるとか、今後はいろんな事が可能になる年でしょう。
コマーシャルの世界で、今度はどんなインターネット上のサービスが
表現されるかとても楽しみです。
米IBM社のCFはとても秀逸です。
ある男がスーパーでガンガンと盗みまくる。そしてレジを通らずに
表に出ようとする。
ガードマンが呼び止め、あわやという瞬間に、ニッコリ「領収証で
す」とさしだします。
ECでの買い物がイメージ化されたCFでした。
浜崎あゆみのライコスや、ジンロの「それは楽しいお酒」と間違え
るようなYahooのコマーシャルだけではなく、もう少し、その世界
感を感じられ伝えられるようなCFを作ってほしいと感じました。