300万人も契約していて、話題にならない音楽サービスって知っていますか?
このうち、何人が知らない間に携帯電話を契約した時に入ってしまっているのか?
携帯キャリアのオプションはわかりにくく、料金体験が複雑で発見しにくい。
そんなところが話題になりにくいのか?
LINE MUSICやAWA Music、Apple Musicが登場した際も、dヒッツまで含めて比較するメディアは少なく、ネットを見渡す限りでは、300万会員突破というニュースも意外感を持って受け止められている。記録には残っているが、記憶には残っていないサービスともいえるだろう。では、dヒッツが定額の音楽配信市場で存在感を発揮していくには、どうすればいいのか。dヒッツが成功している理由とともに、今後の展開を追った。
充実したコンテンツと必要十分な機能を見極め、価格の安さを打ち出す
dヒッツは、ほかの定額制音楽配信サービスと大きく異なる点がある。他社はストックされた楽曲の中から、ユーザーが好きなものを自由に選び、プレイリストを作成できるのに対し、dヒッツは「ラジオ型」と呼ばれるものに近い作りになっている。ラジオ型とは、サービス提供側が用意したプログラムに沿って、音楽を聴く形のスタイル。ユーザー側の楽曲選択がある程度制限されている代わりに、「(レコード会社との)許諾がラジオ型になるため、楽曲のラインアップが充実させられる」(ドコモ コンシューマビジネス推進部 部長 前田義晃氏)のが特徴だ。
これは、レコード会社が、プロモーションの一種と見なしているため。一番のメリットとして挙げられるのが、国内メジャーアーティストの楽曲が、ズラリとそろっていることだ。ドコモと共同でdヒッツを運営するレコチョクの執行役員 板橋徹氏によると、同社がアラカルト型で提供する上位300アーティストのカバー率は、85%になるという。ほかの定額音楽配信サービスが55%程度の中で、これは頭1つ抜けた数字といえるだろう。レコチョクで配信する上位300アーティストということは、主に邦楽でトレンドにも合ったものだ。
プロモーション扱いになることで、価格も引き下げられる。dヒッツには2つのコースがあり、安い方が300円、より高機能な方が500円となっている。1000円前後するほかのサービスと比べれば、価格の安さが際立っている。機能限定で価格も安い。つまり、dヒッツはライト層向けのサービスということだ。
情報源: ITmedia Mobile