インターネットの動画投稿サイト「FC2動画」の会員にわいせつな動画を配信したとして、京都府警察本部は大阪のインターネット関連会社を捜索しています。
警察は、この会社が「FC2動画」の実質的な運営会社とみて実態の解明を進めることにしています。
捜索を受けているのは、大阪市に本社があるインターネット関連会社「ホームページシステム」です。
京都府警察本部によりますと、この会社はインターネットの動画投稿サイト「FC2動画」の会員にわいせつな動画を配信し、有料で閲覧させた公然わいせつほう助などの疑いが持たれています。
警察はことし6月、「FC2動画」にわいせつな動画を投稿したとして大阪市の男と兵庫県内の女子短大生を公然わいせつの疑いで逮捕し、捜査を進めていましたが、会員が支払う登録料の流れや収益の実態などから、この会社が違法な動画の配信に関わっている疑いが強まったということです。
「FC2動画」は、アメリカに本社がある「FC2,INC.」が運営するとされる動画投稿サイトで、会員は2,000万人以上に上るとみられています。
テレビ番組やわいせつな動画などの違法な投稿が相次いでいますが、運営会社がアメリカにあるとされるため、日本の警察の直接の捜査が難しいと指摘されていました。
「FC2動画」の会員に動画を配信した会社が強制捜査を受けるのは初めてで、警察は、この会社が「FC2動画」の実質的な運営会社とみて実態の解明を進めることにしています。
そもそも「わいせつ」とは…
「わいせつ(猥褻)」とは、社会通念に照らして性的に逸脱した状態のことをいう。
「逸脱(いつだつ)」とは、逸脱(いつだつ、英: deviance)は、平均的な基準からの偏向の総称のこと。 一般には、単に統計的な意味で出現頻度のごく少ないという意味にとどまらず、その上に「ルールから外れた望ましくない」という道徳的裁定が込められる。
よって…
「わいせつ」とは、社会通念に照らし、性的に平均的な基準からの偏向があり、ルールから外れた望ましくない状態の行為のことをいう。
生殖行為は、果たして「わいせつ」なのだろうか?
かつての江戸時代の村祭りでの「夜這い」の慣習もわいせつな文化だったのだろうか?
部落間での血族で結ばれた契りも「わいせつ」だったのだろうか?
そして、「社会通念」は、一体、いつ、だれが、どこで、決定しているのだろうか?
また、現在の日本では「性器および外性器」の露出に限定したことをいい、「ヘアーヌード写真集」で、陰毛や肛門は性器でないとの判決が降りたことにより、「解禁」という解釈もなされている。しかし、クスコなどでの内性器を露出することに関しては、れっきとした「性器」でありながらも、「内蔵の一部である」との見解で、外性器と判断されていないようだ。
実際にFC2ライブのアタルトでは、クスコを利用して、内蔵を無料で何千人もに披露している20代以下の女性もいる。
しかし、彼女たちは、外の世界の実際の風俗嬢を務めることなく、おそらく自室で好きな時に好きな時間に風俗嬢以上に効率よく稼いでいる。ヤクザや病気や見知らぬ男性にカラダを売ることもなく、マスク姿で稼いでいる。
シングルマザーも、育児の合間に、セクシーな会話とポーズと露出で、コンビニの何十倍もの分給で稼げ、風俗業界に身をおくことなく生計を立てることができている。
これが良いことかどうかは、わからないが、インターネットが起こした業態の変容のひとつだと思う。
FC2の有料会員である男性も、同様に風俗に行くこと無く、いつでもどこでも、スマホからでも1分あたりの料金に納得して支払うという、需給の法則が成立している。
日本では、「外性器」の公然(不特定または多数人が認識しうる状態)で露出していることが、「わいせつ」という範疇におさまる。
なので、外性器を祀っている神社や春画なども「わいせつ」という範疇なのかもしれない。また、社会通念に照らしあわせることを、誰が、いつ、どうやって調査し、判断するのかも気になるところだ。法律そのものが、曖昧な解釈となっているのではないだろうか?
自分の女性器を3Dプリンタで出力できるダウンロード用のURLを配布した芸術家の「ろくでなし子」さんは逮捕され、釈放された。
「私は、『わいせつだけど芸術だ』と言っているのではなく、『そもそも女性器はわいせつなものではない』と考えています」という。
http://www.asahi.com/articles/ASG947WFSG94UTIL061.html
自分の女性器をモチーフにした作品を作ってきた漫画家・アーティストのろくでなし子さん。制作資金を支援した人たちにお礼として、3Dプリンターで出力できる自分の女性器のデータのダウンロード用URLをメールに記して送ったところ、わいせつ物頒布等の疑いで7月に警視庁に逮捕され、その後、釈放された。
http://www.asahi.com/articles/ASG947WFSG94UTIL061.html
何がどこまで、わいせつで、どこからがわいせつでないかを明確に、客観的に判断できる基準が必要になってきていると思う。
インターネットで国レベルの「わいせつ感」も大きく揺らぎはじめているからこそ、日本国民としてのわいせつの定義を今一度再確認したいと思う。