沖縄基地関連収益メモ
沖縄経済の「基地依存度」はどのぐらいなのか。
外人住宅の賃料や軍人らの消費、軍用地料収入、基地従業員の給与……。県の集計だと、こうした「基地関連収入」は
2007年度に2088億円。県民総所得に占める割合は5.3%で、本土復帰の1972年(15.5%)から3分の1にまで低下した。「受益者」には偏りがある。777億円に及ぶ軍用地料のうち年間500万円以上を得ているのは地主全体(約4万人)の8%に過ぎず、100万円に満たない人が54%を占める。
米軍施設を抱える自治体への国からの財政支援にしても、歳入に占める割合はキャンプ・ハンセンなどを抱える宜野座村の31.8%など5町村で20%を超える一方、那覇市など29市町村は5%にも満たない。
「多くの県民は基地の恩恵と無縁といっていい。だが、高額の地主や基地労働者などにとっては死活問題。基地経済を論じる難しさだ」。県幹部は言う。
沖縄県は平成25年度に798億円にも上る基地の賃貸料収入を得ている
高額な賃貸料を得ているのは、上記の施設である。これら収益は利益額=賃貸料となるため、非常に実りの大きいものである。例えば、沖縄県が盛んに県の観光収入が4000億円を超えたと宣伝しているが、これは売上のことであり、利益額を示したものではない。
4000億円の売上があったとしても、コストが4000億円であれば、利益はゼロだ。そして、利益を上げれない赤字に陥っていると法人税の支払い義務は発生しない。世界的な超一流企業の収益率でさえ10〜30%の水準が一般的であることから考えると、普天間基地が沖縄県の財政に貢献する額には到底及ぶまい。
❏沖縄の自主財源は全国最低水準にある。平成26年度(2014年)の一般会計歳入予算にしめる自主財源の比率は26.4%だ。額にして、およそ1910億円しか自力で確保できていないのだ。残りの73.6%(約5330億円)は国から補助金に頼る、いわゆる依存財源である。
❏「沖縄振興予算」といい、内閣府の沖縄担当部局に支払われるので沖縄県の予算に計上されることはない。平成26年度の概算要求は総額3048億円だ。そしてこの沖縄振興予算のオイシイ点は、用途が限定されていないことだ。要は沖縄が自由に利用できる金である。