大学病院にいくためには、「紹介状」というものが必要らしい…。
「紹介状」とは、正しくは、「診療情報提供書」のことを指す。
町医者で診察してもらい、基本的な診断結果としての、「診療情報提供書」をもって大学病院へいく。大学病院は基本的な診断をもとに専門的な検査にかかれるためのしくみだ。
診断された情報は、患者側でUSBなどのついた医療情報かクラウド型の保険証のデータでマージさせれば済む話なのに…。
診療情報提供書の交付は、療養の給付対象(診療情報提供料Ⅰ(250点/レントゲンフィルム、血液検査結果などが添付してあった場合はさらに200点加算)で450点かかる。
つまり、それだけで、4,500円だ。国は7割負担なので、3,150円も負担していることになる。
フォーマットが決まってはいるが、PDFから、手書きまたは、ワープロ清書文字の紙文書でのやりとり。
診療情報提供書の例
※この文書に記載するのに250点=2,500円 国の負担は1,750円発生する。
医療データを右から左に運ぶだけで、3,150円(※レントゲン有りの場合)も国が負担する。個人にとっての、機密文書だが、物理データなので、佐川やヤマトが扱えば、315円もあれば十分に可搬できる。
いや、デジタルデータで処理すれば、超マイナンバー制度に組み込み、個人が開示できる暗号鍵と、医療従事者のみが開示できる暗号鍵のクラウド診療データ、もしくはクラウド保険証とすれば31.5円程度の運用費で、1/100に経費削減できる。
国民の貴重な時間を奪う診察関連コスト 待つコスト、移動コスト、何もできない時間がGDPの損失につながる
むしろ、それにかかわる患者の通院時間や労働生産性が奪われるGDPの損失と、医療専門機関の労務生産性が改善されることに期待できるだろう。
単なる無駄の中で、医療業界が利益が得られるような仕組みにも見えかねない。7割を負担する国の財政を考えると、この分野にも関心を持たざるをえないくなる。
現在、選択できうる最善な経費削減策がある場合、国は税制面においても、的確に精査し、改善し、その結果を広く国民に公開する責を担う。
それができてからの、予算編成や消費税の議論だと思う。
それでも赤字体質の健康保険組合連合会
平成 26 年度健保組合予算早期集計結果の概要
http://www.kenporen.com/include/press/2014/20140418.pdf平成 26 年度は、3,689 億円の経常赤字
-高齢者医療制度創設以降、7 年連続大幅赤字。累計赤字は 2.7 兆円-
-高齢者医療制度等への拠出額は、7 年間でついに 20 兆円を超える-
◇ 赤字組合は全組合の約 8 割
◇ 支援金・納付金額は、257 億円増の 3 兆 3,155 億円
高齢者医療制度創設前の 19 年度に比べ、約 1 兆円(42.8%)も増加
支援金・納付金の保険料収入に対する割合は
45.43%、同割合が 50%以上の組
合は 446 組合
◇ 保険料率を引き上げた組合は、全組合の約 3 割
平均保険料率は 8.861%で、前年度比 0.225 ポイント増加
協会けんぽの平均保険料率(10%)以上の組合は 251 組合に増加
◇ 実質保険料率(単純平均)は 9.632%、10%以上の組合は 500 組合
【関連】
「医療費のコスト削減策はこんなにある」
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年5月26日
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/134/