葬儀におけるビジネスチャンス

■KNNエンパワーメントコラム by日刊デジクリ
葬儀におけるビジネスチャンス

神田敏晶
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KNNポール神田です。

先週はすっかりお盆休みモードで、休みすぎてしまいました。
皆さんは、しっかりお休みになられましたか?

●初めて葬儀を主催した

DGCRお休み中にいろんな事がありました。
「人生はたった3万日」
http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200403011430000000005757000でも書かせていただいた、母の神田喜久子が7月28日に永眠しました。
2万6,000日の人生でした。たくさんのお悔やみをいただきまして、この場を借りて御礼を申し上げます。

長い闘病生活だったので、彼女もようやくゆっくり休める状態になったと思います。まだ実感も沸かずですが、その後、東京拘置所にセグウェイの件で3日間、収監されるなどもあり、感慨ぶかい夏となりました。

さて、入院期間が長かったので、いろんな準備を生前から準備できていたのですが、葬儀を主催(?)するのは初めてですが、こんなにも葬儀にビジネスチャンスがあるのかとビックリしました。

母親が息を引き取った瞬間から、葬儀にまつわるエトセトラが開始されます。まず、最初に死んだ時刻を電話で親類関係にお知らせします。ある程度、事前に伝言ルートができていたのでスムーズなのですが、葬儀関係のスケジュールが決まるまでには時間がかかりました。

そして父の知り合いの葬儀社へ連絡。さっそく車を手配して、通夜準備が催されます。通夜や葬儀を予算にあわせてどの場所で行うのかの打ち合わせです。
葬儀社が決まっていたので、他社と見積もりをとる余裕がまったくありませんでした。これは失敗ですね。決まっていても、他社からは見積もりをとっておくべきでしょう。

亡くなった時刻がおそかったので、その日は仮通夜で、翌日が通夜、そして葬儀と決まります。通夜も勝手に決められるのではなく、お坊さんのスケジュールが優先です。神田家の宗教がなんだか天台宗らしく(はじめて知りました)、近くにお坊さんがおらず、遠くのお坊さんを呼びます。お坊さんと連絡がつき、はじめて通夜から葬儀の開始時間が決まりました。

それから、親戚縁者関係と母の知人関係、会社関係と連絡をとりますが、便利だったのがソーシャルネットワークとBlogでした。最低限の情報だけですが、アップすることによってこちらに負担がなく葬儀を周知することができました。

遺体を病院から葬儀場に運びこんでからは、気がつくと葬儀社との「打ち合わせ」という名の「営業現場」に連行されていました。亡くなった母を段取りよくドライアイスときれいな布団と線香を添えてからは、おもむろにカタログが登場し、葬儀のオーダーが始まります。

まず、一番値段をはる式壇から行きます。だいたいこのあたりが平均的なところでと100万円コースから始まりました。ページを右へめくっていき300万円コースまで、豪華な祭壇をプレゼンされます。ボクは左にめくると80万円、60万円と落ちていくのでこちらではどうか? と打診します。一番安いのは40万円。「これでいいですよ」とボクはそれを指定。

「これは家でこじんまりとやるものなので…」というのですが、「大丈夫です。祭壇の豪華さを見せるのではないので。また、こんなのにお金を使うと死んだ母から怒られます」というと葬儀屋さんは「カッコ悪いですよ」といいます。「カッコつけるために葬儀するんではないんですから」と拒否(しかし、葬儀当日には、準備の段取り上、値段はそのまま80万円相当の式壇になっていました)。もらえるワケでもないものになんでそんな費用がかかるのやら…世界のナゾです。

次は、「棺おけ」です。こちらも5万円から始まり天井しらずです。「これってすぐ燃やしちゃうんですよね?」「まあそうですがぁ」「一番安いのは?」「5万円からです」「棺おけはどうしてもないとダメですか?」「ないと葬式になりません」。

5万円といえば、母が高校に入学した時に買ってもらったベッドと同じ値段だ。
母に恩返しをする5万円なら問題ないが、葬儀屋さんの売上げに協力する必要はない。「棺おけがないほうがみんなに見てもらいやすいですよね?」「それは無理です。葬式のルールです」と言い切られる。どうやら葬式にもルールがあるらしい。

その後も、あれやこれやと口頭で説明されて、「ノーサンキュー」をいい続けてきたが、結局は大台に乗る葬儀費用となった。世間並みにとお願いしていれば、この2倍はかかってしまったことだろう。

神田家はほとんど宗教に無関心な家系であり、母親も祖父や祖母が亡くなった時に、「葬式ってほんまアホらしいわ。葬儀屋さんとボンさんが儲かるようにだけなってるだけや…」と、いつもこぼしていたので、最後の最後の親孝行のつもりです。

さて御通夜でありますが、式壇が整い、お坊さんのありがたいお経の後、いろんな人たちがかけつけてくれした。しみったれた事がきらいだった母を思い、こんな形で告知した。
———————————————-「お通夜BAR〜”Great Mother”に最後の孝行をする飲み会〜」のお知らせ (神戸市兵庫区)

KNNポール神田敏晶(自称27才)のかねてから病気療養中の実母、神田喜久子(かんだ・きくこ)が73年間の人間生活を7月28日午後6時19分に卒業され、さらなる生命体として、新しく生まれ変わりました。

彼女の人生は、まさに、歴代まれにみる自他ともに認める不肖息子に悩まされ続けた人間生活でしたが、ようやくそれから解放され、あらたな「旅」へと出かけられました。

今夜は、彼女の残した「抜け殻」を囲んで、おもしろおかしく、彼女の新たな旅立ちを祝う宴をささやかながらご用意させていただきました。人間界ではそれを「お通夜」というそうですが…。

また、彼女はボクの警察出頭の日を選んで旅たち、時間稼ぎをしてくれたり、いまだに面倒を見てくれています。本日は検察庁へ出頭する日でした。
http://blog.livedoor.jp/kandaknn/1479160f.jpg

そんな、彼女と僕と神戸にゆかりのある人たちで、集まって突然ですが、「Great Motherに感謝する飲み会」を開催いたします!

お通夜という日本的な慣習に左右せれず、平服(半ズボン水着可!)でCOD(キャッシュ・オン・デリバリー)チャージ500円ワンドリンク500円というリ
ーズナブルな価格で、フーズ、お土産(塩つき!)をご用意してお待ちしております。お香典は、失礼ですが、お返しが面倒なのでご遠慮させていただいております。

場所は親戚との建前上、クラシカルな神社仏閣スタイルですが、ボクと母、神田喜久子つながりで新たな出会いや再会をジェネレーションを超えて、楽しめればと思います!

【イベント名】「”Great Mother”に最後の孝行をする飲み会」
【日時】2004年7月29日(木)22:00からオールナイト
【場所】感應寺(カンノウジ)
 神戸市兵庫区中道通5丁目2-1  TEL.078−578-0935
【費用】1,000円(チャージ500円&1ドリンク500円)
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この告知と共に、神戸からのたくさんの参加と東京からもわざわざかけつけてきてくれた方もおられました。本当にありがとうございました。

●「神田教」を設立する

それからゾクゾクと電報も届きはじめますが、中にいくつか「うるし塗り」の電報がありました。さすがに結婚式のようなドラえもんの電報はありませんでしたが、「うるし塗り」という高価な電報ははじめて拝見しました。

この電報というビジネスモデルですが、慶弔事でしか目にすることがなくなったメディアです。これは現在の宅配であれば、もっといいサービスができるはずです。ヤマトや佐川が「お悔やみメール便」でもいいでしょうし、アマゾンであれば、「おくやみギフト券つきメール」。宝くじを3,000円分送れる
「宝くじ便」などいろんなサービスで事業参入できる分野でしょう。

頂いた「うるし塗り」電報の束をかかえて、何かに再利用できないかと考える日々です。

お通夜が終わり、翌日、葬儀が始まります。御通夜の時にはゆっくり話しができましたが、葬儀の時はそうはいきません。参列者の焼香がすべて終わってから、最後のお別れのMCが入り、棺おけに思い出の品々と花を入れてお別れとなりました。せっかくの参列者に遺族は、満足ゆく挨拶もできません。

母の遺影を胸に、霊柩車と共に焼き場に向かいます。暑い中、喪服姿の人だらけで焼き場も大混雑です。今年の夏は亡くなる方が非常に多かったそうです。
焼き場から再度、チャーターしたタクシーで戻り、親族で「精進落し」ということで会食をします。そして、また遺骨を拾いに焼き場へ戻ります。なんだかこの式そのものに疲れてしまいました。

そして「初七日」を簡易で終わらせるために、そのままお寺で「初七日」を終えるといいます。もうお経を聞ける状態でなく、爆睡状態です。それからお坊さんから「戒名」をいただきます。

戒名って「戒律を守り仏道修行に入った出家者だけに贈られるもの」だったはずなのですが、今では誰でも買えるものになり、お坊さんにとってのビジネスモデルとなっていました。そんなんいらんて!

お坊さんが袈裟に着替える前にしていた、腕に光るロレックスの金のデイトナがとてもまぶしかったのを覚えています。

そして、また今後いついつにお参りにこられるというスケジュールもなぜか勝手に一年分、言い渡されました(すぐにキャンセルさせていただきますが…)。

こんなことなら生前贈与とか以外に「生前改宗」として、簡素な葬儀をする新しい宗教に改宗しておくべきでした。むしろ先祖を敬いやすい環境はもっと簡単にあるべきかもしれません。

なんと、喪家にかかる全費用の相場は現在203万9000円だそうです。
http://www.e-sogi.com/okonau/hiyo.html

この1/5の価格でサービスしたら、上場できるような葬儀サービスになることでしょう。祭壇は使いまわしなのですから、葬儀専用会場でそなえつけにしておけばかなり格安ですね。また、どの宗派にも対応できる専任のハイブリッドなお坊さんがいればさらにコストは下がります。

キャッチコピーは、「価格は最安値。まごころ最高なお葬式」で宣伝する方法はありでしょう。検索エンジンでヒットすることによってお葬式の概念を変えることができそうです。

それ以外に、さらにお墓には、墓所の永代使用権を得る料金(永代使用料)公営で15〜30万円、民間90〜300万円」と「墓石の料金(200〜300万円)」や
「管理料(1,500〜10,000円)」がかかります。先祖の墓に入るだけなら、楽チンなのですが、それ以外は膨大な費用がかかりますね。

お墓がいらないネット時代の宗教があればこの経費はかからないことでしょう。
ネットで宗教法人の作り方を調べてみると「宗教法人設立」がありました。
http://www.h7.dion.ne.jp/%7Ef-office/syuukyouhoujinnseturitu.html

「神田教」を作って、バカバカしい葬儀関連費用を削減し、より先祖をお参りしやすい宗教法人にするのも引退後の社会的なビジネスとしてありかなと考えました。とりあえず、活動をしていることが必要だそうなので、本日より「神田教」を開始します。

神田教の経典は「パソコンに向かい、心から一日1分だけご先祖に感謝するだけ」です。20年間活動すれば宗教法人にすることは可能なのかもしれません。これだけグローバルでITな時代だから、どんな葬儀にするかは世界の中から選
んでも楽しそうです。

「世界の葬儀」
http://www.sousai.com/hp/anoyo/http://www.nakagawachi.co.jp/w_frame1.html

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