ソニーの「ソニーらしさ」はどこにいったのか?

Toshiaki Kanda 2007年09月04日 火曜日
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ボクはソニーという会社が大好きだ!いや大好きだった…といったほうがいいのかもしれない。ソニー製品に投資した金額は、相当な金額に上る。特に映像関連ではすさまじい投資をしてきた。しかし、投資に見合うだけのパフォーマンスがあったからこそ投資については、一切後悔していない。いや、たぶんしていない。

同じような会社にアップルという会社がある。年間どれだけ、この会社にお金を投じているのかという時期もあった。食費のエンゲル係数よりもアップル係数のほうが勝っていた年もあった。しかし、この数年、アップル係数も2年に1台のiPodと4年に1台のMacintoshというオリンピックやワールドカップクラスのリプレイス頻度に落ち込んでしまった。

ソニー製品に至っては、4年前なら、VAIO、CoCoon、スゴ録、PSXと次々と投資していたが、今年になってからは、MyloとHDビデオカメラHC-1の2台しか購入していない。しかも、HC-1は、継続機種の新製品が気に入らなかったので、わざわざオークションで探して高値で旧モデルを買っている。Myloはあまり使ってはいないが、こんな製品こそソニーらしい製品だと思う。

「何に役立つかわからないけど、面白そうだから作ってみました」的な製品こそ、ソニーには必要だと思う。初期ロットは必ずつぶれる。「ソニータイマー」とも言われるが、ソニーファンは最初からそんなことは、わかっている。
新製品をまだ店頭に並ぶ前から予約してしまう。しかも最初のロットは不良品だらけだけど、発売初日に手に入れると「未来へのテクノロジー」を誰よりも早く知ることができるのだ。これはもう「ソニーロック」がかかっているといっていいほどの強固なヘビーバイヤー化現象だ。

僕のCoCoonはかれこれ3度目の修理から帰ってきたが、まだ現役だ。地デジ版のCoCoonが登場しないことが本当に残念だ。次に壊れた時は、もう永遠のお別れになってしまう…。Hi-8デッキのNS9000も今年ついにお亡くなりになってしまった。さらにDVテープを再生するビデオデッキさえ民生機では存在しない。
こんな愛すべき製品が市場から次々と消されているのが残念だ(これらの修理をする専門メーカーだけでも市場は成立するのかもしれないぞ)。

PS3は今だに購入していないが、WiiやNintendo DSは購入した。
ハイスペックな機能だけでは、あまり意味がなく食指も伸びなかったからだ。PS3でないと体験できないようなコト、グラフィック性能以外のUSPが必要である。それこそが「ソニーらしさ」だと思う。残念ながらPS3には、そんなソニーらしさを感じることができなかった。ソフトウェアも発表が予定されている「home」の開発キットだけでも先行発売すべきだろう。そうでもしないと、SecondLife市場に食い込めない。

そんな画期的製品に恵まれていないソニーが、わざわざ、ティザー広告まで展開しながら、「Rolly」という製品を発売しようとしている。

この製品にはどれだけの期待を寄せていいのかわからない。しかし、とても気になる。それが「ティザー(じらし)」の役目だ。もちろん、自信がない製品にティザーなどはやらないだろう。だからこそ、期待は寄せ集めなければならないのだ。

音楽プレーヤーなのか?映像も関連するのか?センサーが搭載されているのか?通信機能は?意味深な動画が続々とアップされている。動画が意味するのは何?期待は高まる。裏切らないでほしいという気持ちのほうが高ぶる。

ブログパーツも提供されたので、さっそく自分のエントリーに貼り付けてみた。しかし、そこで何が起きたのだろうか?

エントリーに貼りつけたつもりだったが、それ以降、どのエントリーにも、そうこのエントリーにも右下に「Rolly新聞」のバナーがコマーシャルのように登場する始末だ。いつも、「ソニースタイルの小久保です」が見え隠れする。
あたかもRollyのバナーにブログを占拠されてしまったような気持ちになってしまった。小久保さんには悪いが、こんなところで名前を売る必要はない(笑)。
期待の製品なだけに、ブロガーのサイトをあたかも自分のメディアのように、突然どのページにもRollyのリンクバナーがあらわれるようにするソニーの心情をどうかと思う。これで、このプロモーションに果たしてソニーは満足できているのだろうか?

ブログパーツには大きな2つのミッションがある。
それは、

1.ブログ読者へのサービス
2.ブログオーナーへのサービス

そして、最後の最後に、ブログパーツを提供する側のメリットだ。

役に立たないブログパーツは、単なる「バナー広告」にすぎない。

今回のブログパーツは、1のミッションも2のミッションも果たしていない。
ティザー広告の発表の場として、無料でターゲットに情報が伝搬できる「ブログ」を選んだにすぎないとしか考えられない。

ボクが担当者であれば、ブログパーツに常時つけたくなるようなサービスをつけるべきだと思う。

たとえばボクのサイトには左下にユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/
を貼り付けている。このパーツはいつでも、アメリカ西海岸の時間がわかるように設定している。しかもアラームや音も設定できる。ユニクロはその限られたスペースでファッショナブルなコマーシャルを展開している。
この場合、最低、「2.ブログオーナーへのサービス」は満たしている。

●ソニーはどうやらCGMを勘違いしているようだ

そういえば、ソニーのブログで成りすましや「ヤラセブログ」
ブログ・ウォークマン体験日記
http://www.so-net.ne.jp/blog/walkmandiary/
が話題になったり、CGM分野では失敗を続けている。

ついにこんなブログまがいの宣伝まで
http://www.jp.sonystyle.com/Walkman/Special/7days/index.html
彼女のコメントがとてもサブい(当然広告なので一般の人はコメントできない)。

ブログとコマーシャルは似ても似つかない。
「ブログは広告を掲載するためのメディア」ではなく、「コミュニケーションのためのメディア」という本質をわかっていないからだ。

一番のソニーの失敗は「ブログの炎上」ではなく、それを削除してしまったという「行為」だ。この「行為」でブロガーらのソニーへの信頼関係は崩れてしまう。炎上するにはそれなりの理由がある。それまでも否定ではなく、抹消してしまうと議論の意味さえなくなってしまう。そんなソニーが残念で仕方がない。

今回の礼儀を知らない失礼なブログパーツといい、せっかくの製品を、ウェブ販促チームがすべて台無しにしてしまいそうな勢いだ。

新製品の発表が終わっても、ブログパーツがこのままブログを許可なくジャックし続けているとしたら、ソニーのCGMに対する考え方に対して不満がおきることだろう。
ソニーの製品の販売協力をわざわざ好んでやる必要性さえ感じなくなる。ソニーが好きだからこそ、パーツを貼り付けているだけなのに、そんなユーザーマインドを理解できないところにきているとしたら、相当に重症なのかもしれない。

今、一度、ソニーには、かつての「ソニーらしさ」を取り戻してほしいものだ。
Rollyには期待をこめて…。しかしアップルのNew iPodも気になる今日この頃…。

「新iPod?ビートルズ?Appleが9月5日に発表会」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/30/news024.html

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