ケビン・ベーコン
一冊の本を読んだ。
「新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く」
アルバート・ラズロ・バラバシ(著)青木 薫(翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140807431/qid%3D1047225119/249-6476278-3119523
アルバート・ラズロ・バラバシという物理学者が、現在の広義の「ネットワーク」を解説したものだ。エイズワクチンから、アルカイダ、クラッカー、さらにケビン・ベーコン(笑)まで、さまざまな事象を「ネットワーク」というキーワードで切り開いていく。
ネットワーク・トポロジーを説明する「Six Degrees」は、米国俳優の「ケビン・ベーコン数」として解説されている。「世界の誰もが6人を経由するまでにケビン・ベーコン」にたどりつけるというのだ。
本来、社会学者のスタンレー・ミルグラム博士 http://www.stanleymilgram.com/が、1967年に「狭い世界」現象として発表した理論である。それが、30余年の時を経て、米国のテレビ番組で「世界はケビン・ベーコンを中心にしてつなが
っている」とバラエティ番組で提唱されてから世界的に話題となった。
さらにそれが、インターネットの映画データベースhttp://www.imdb.comを活用して、誰もがリサーチできるからリアリティを増した。それが、「The Oracle of Bacon at Virginia」だ。
http://www.cs.virginia.edu/oracle/
https://oracleofbacon.org/
そもそも「ベーコン数」とは、ケビン・ベーコンと共演した人をベーコン数1として、自分が共演した人がケビン・ベーコンと共演していれば、ベーコン数は2となる。ちなみにハリウッドの俳優の平均ベーコン数は2.86となっている。
ハリウッドの俳優の結果は、
ベーコン数1の人:1384人
ベーコン数2の人:9万3760人
ベーコン数3の人:19万6582人 となる。
思いあたる俳優や監督をインプットすると即座にベーコン数がわかるはずだ。もちろん、ケビン・ベーコンが長生きして共演し続ければベーコン数1はもっと増えるはずだ。
ちなみにボクのベーコン数は4となった。
一昨年「NHK BS デジタルフェア」で藤原紀香ちゃんと共演&インタビューし知り合いになった。藤原紀香ちゃんは「チャイナ・ストライク・フォース」でジェニファー・リンと共演し、ジェニファー・リンは、「ファミリー・ゲーム双子の天使」で、パトリック・マーマックと共演し、パトリック・マコーマックは、「インビジブル」でケビン・ベーコンと共演したからだ。
検索結果はこちらだ。
「Norika Fujiwara was in Lei ting zhan jing (2000) with Jennifer Lin Jennifer Lin was in Parent Trap, The (1998) with J. Patrick McCormack J. Patrick McCormack was in Hollow Man (2000) with Kevin Bacon」
そして、ボクの事を知っている人のベーコン数は「5」となる。そしてボクを知っている人を知っている人のベーコン数は「6」となる。世界は6人の人を経由すれば誰にでもたどり着けるというのもなんとなくうなずける気がしてきた。
また、「新ネットワーク思考」でアルバート・ラズロ・バラバシ氏は、イラクをいくら攻撃してもテロはなくならないという複雑系のネットワークの仕組みも解説する。高度に発達したコミュニティは、リーダーが先導するのではなく、分散化して自己完結型で組織化されているからだ。フセインやビンラディンを仕留めても、同じ思想の人が繰り返すだけだと警告する。
そして、それはコンピュータのウィルスやエイズにも例えることで、より理解しやすくなる。IT業界で考えると、マイクロソフトがソフトウェアビジネスでなぜ成功したのか、Googleがなぜ後発でありながら検索エンジンでトップに躍り出たのか? などもこの書籍は解説してくれる。
少し、難解なパートもあるが、ネットワーク時代にも法則性が働いていることをイメージしやすくなるので一読をオススメする。