「とくダネ!」のモーニングトークはテレビのブログなのかもしれない
数あるTVのモーニングショーの中でCXの「とくダネ!」だけは毎日かかさず視聴(録画)している。いや、司会の個性豊かな、小倉智昭(おぐら・ともあき)氏のモーニングトークという約7分間のミニトークを毎日楽しみに見ているといったほうがいい。
小倉智昭(おぐら・ともあき)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%80%89%E6%99%BA%E6%98%AD
小倉氏の経営する会社
http://www.og-land.com/
朝のモーニングショーでありながら、冒頭の7分間は、小倉氏の独自の価値観による報道がなされている。新聞に掲載されるニュースから個人的な趣味、小倉氏の興味のアンテナの守備範囲は非常に広い。
さらに多彩な趣味と経験により、専門分野もAV、音楽、マラソン、ゴルフ、競馬と多岐にわたる。時には個人的な偏見や思い込みも存分に発揮してくれるが、そこがまたユニークなのだ
今日のモーニングトークは、昨日話をしたという高崎義一氏の話であった。
神戸で居酒屋を経営していた高崎氏はモスバーガーのライスバーガーと出会ってから、居酒屋からモスのフランチャイザーとして、阪神間で3店舗を経営する。現金を扱うので、夜間金庫を利用していたという。しかし、阪神淡路大震災の時に、夜間金庫が使えず、あるはずの売上金が見事に消えてしまったという。
普通、従業員の不正を追求するのが、経営者であるが、高崎さんは、「現金がそこにあるからなくなってしまう。現金がそこになければ社会は変わる」と思い、モスバーガー3店舗分を売却し、電子マネーの開発にたずさわり、ソニーのFericaカードの基礎技術にかかわったという。
その高崎氏の会社が、新しいサービスを開発したと小倉氏は報じる。
キズナジャパン株式会社
http://www.kizuna.co.jp/
日本のアルバイト・パート人口は1200万人。市場は13兆円にも及ぶ。
しかし、今、バイトやパートの求人をしても人が集まらない。時給を上げても集まらない。その理由が30日間、働かなければ給与がもらえないからだ。高崎氏は、では「即日払い」の給与体系を考えてみた。
それは企業のコスト高が原因であった。
月払いでも一人あたり1000円のコスト、それが日払いとなると3500円のコストがかかる。そしてそのコストを低減する仕組みをつくった。
日払い・週払い給与対応勤怠管理システム
http://www.kizuna.co.jp/services/02_dayweek.html
イーバンク銀行のリアルタイム決済やセブン銀行のATMなどの社会的インフラが整備されているからこそ、365日24時間、アルバイトの携帯電話から勤務時間を申告し、承認されていれば、自分で会社の口座の自分あての給与から自分の銀行口座に本人が振り込むという仕組みである。
人事部と総務部がおこなっているフローをシステムで一本化することによって実現したという。
今日の「モーニングトーク」は、朝の情報番組ネタではなかった。しかし、小倉智昭氏の気になったフィルター、もしかするとバイアスがかかっているのかもしれないが、ユニークな情報を得ることができた。
他局が代わり映えしない同じニュースをコメンテーターがいじくりまわしているのと違って、独自の価値観で放送される90分のうちの10%弱の「小倉タイム」は、小倉氏のテレビを使ったブログだと感じた。
ニュースのバリューで番組をはかるのではなく、今日の「小倉目線」を知ることによって、社会を違う角度で知ることができる。