KNNポール神田@バグダッドです。
みなさん、大変ごぶさたしております。昨年から日本を離れて、
ピースボートの船にのせていただき、インド、ヨルダン経由で
イラクのバグダッドにはいりました。
日本のテレビやメディアの情報をまったくみていないので、
「情報浦島太郎」状態なのですが、バグダッドの近況報告を
させていただきます。
現地のクルド人などの情報筋によれば、フセイン逮捕劇は、
アメリカの情報操作がかなりなされているようです(この情報も
どこまで信じていいのかですが笑)。
フセイン氏は、穴の中にいたのではなく、クルド人がとある家で
捕まえたそうです。また、彼らがいうには、ビンラディン氏は、
持病でかなり前になくなっているそうですが、アメリカはうまく
生きているように利用しているともいいます。
これもどこまで信じていいのか理解しかねますが、ニュース報道を
鵜呑みにするのではなく、疑ってかかるというのも非常に重要な
リテラシーかもしれません。
また、日本のyahooニュースで「狂牛病」や「鳥インフルエンザ」らしき
ものがまたまた取り上げられており、吉野家などで、牛丼がメニュー変更
するなどのことを知りました。
バグダッド入りするのにタイでも、鳥は何の規制もされておりません。
狂牛病の牛を半額以下で提供するようなところがあっても、いいと思うのですが、
どうでしょうか?
このバグダッドでも「劣化ウラン弾」
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/tokushu/index2.html
のことで被爆する恐れがあると、いいますがそれをいちいち気にしていては
取材になりません。
また、イラクでの自爆テロよりも東京都内の車による死亡事故のほうが多いのも
事実ですが、とりあげれることはありません。
しかし、ヨルダンからイラクに入りましたが、国境付近の米兵の護衛は5〜6人の
小集団であまり機能していません。夜間になると、さらにナーバスでビデオを
向けるだけで、かなりエキサイトしています。自爆テロの脅威は、きっと人数よ
りも米兵への心理戦略なのかもしれないとおもいました。
こちらのホテルでは、イラクの新政権ディナールよりも、USダラーに価値があり、
貨幣価値は、あまりフセイン政権での旧札の扱いとかわりありません。停電もし
ばしばあり、電力が安定しておらず、いつも自家発電ジェネレーターで動いてい
ます。その音がまた馬鹿でかく眠りになかなかつけません。
夜の8時以降は、かなり強盗とかも多いので、現地の人も恐れているようです。
夜間で一番怖いのは、ナーバスな米兵の自動小銃のほうかもしれません。
ボクがニコニコ近寄っているにもかかわらず、「フリーズ!」という声で威嚇し
ます。あと数歩近寄ると、威嚇射撃でもしかねない状態です。
それよりも、酒の飲めるバーなどがイスラム圏では少なく、夜の8時以降は、
とても退屈でたまりません。
世界の金のあるメディア陣は、完全24時間護衛つきのパレスティナホテルに滞在
し、フリーランスの我々だけが、民間のホテルでイラク人とともに、生活してい
ます。でも、バグダッドには日本のメディアにはすでに人気が落ちており、
主力メディアのほとんどが、日本の自衛隊取材のためにサモワ入り
しているようです。
今回はメディア報道のされ方をサーベイするために現地入りしていますが、
イラクは思った以上に平和で、阪神大震災の被害から比べると、比較にならない
ほど被害も少ないように見えます。
米国の計画的な砲撃は、狙ったビルだけを破壊しており、イスラム教のモスクな
どは、破壊せずに国民性を考えた攻撃をしているようです。
また、戦争慣れしているイラクの国民性らしく、きわめて平常時のように
イラク国民は生活しているように見えます。むしろ、経済制裁時から比較しても
物資ははるかに増えており、戦争で注目されていることが、イラク国民において
は、国益になっているのかもしれません。
わが国の自衛隊は、本当に「何しにイラクに来るの?」と質問したいくらいです。
いろいろなメディアで客観的といわれる報道がおこなわれていると思いますが、
ボクの主観と偏見に満ちた報道も、情報ソースのひとつとして、今回の自衛隊イ
ラク派遣について考えていただければと思います。
http://www.asahi.com/national/update/0128/021.htmlこんな記事もありますが、車に乗っている日本人を判明するのはむずかしく、
日本人だけでなく、英国も韓国も一緒の扱いをしてほしいものです。
夜間に一人であるいていても、テンガロンと赤ジャケットの邦人は、まったく
問題がありません。一応、バグダッド邦人のつもりなのですが…。