アメリカでは1980年(34歳)から2000年(14歳)までに生まれたミレニアル世代(Millennial Generation)が、集団社会において一風変わった頭角を現しはじめている。
◯米国の人口比率のトップは、ミレニアル世代
◯約8,000万人の、若く自由主義なミレニアル世代
◯2013年時点で、アメリカで大学を卒業したての22歳が、最も人口比率の高い年齢
◯彼らは顕示欲が強く、自信があり、ポジティヴな自由主義者で、変化を厭わない。
◯他人の言うことをそのまま信用できずに、すぐに「ググって」しまう傾向がある。
◯自由な思想をもっていて、異性間にとどまらない愛のかたちが世の中に良い影響をもたらすと思っているし、ネット上でさまざまな価値観にふれる機会が多いせいか、特定の宗教や政治的な組織との強い繋がりはもたない
◯彼らは歴史上初めての、「世界と繋がっている」ことが常にあるデジタルネイティヴ世代である。
◯彼らはソーシャルメディアという枠内で、自分のセルフィや様々な情報をシェアしたりして、共感を得ることである種の自己顕示欲を満たしている。
◯端末サーヴィスを手足のように使いこなし、ソーシャルメディアの延長線上に確固たる自己アイデンティティを築いているのだ。これはアメリカに限らず、日本でも見られる現象だろう。
◯ミレニアル世代の81%がFacebookのアカウントをもっていて、彼らの友人数の中央値はだいたい250人というPew ResearchのX統計がある。
◯注目すべきは、この世代の250人というオンライン上の“友人数”だ。現在では6次どころか4次でも世界中の総人口を網羅できてしまうという研究結果が出ており、ミレニアル世代が知覚するグローバルネットワークはどんどん狭くなっている傾向がうかがえる。
◯ネット上の自らのプラットフォームにおいて、政治、宗教、社会問題に限らず、さまざまな世相について容赦なく率直な意見を述べるものである。そして、ひとたび関心のある何かに出合うと、アイデアや知識はまたたく間に国の垣根を飛び超えて世界中で共有される。最近ではアイス・バケツ・チャレンジなど
◯かつて、これほどまでに、ある世代のほとんどが数百人規模の“友人”と繋がっていた時代があっただろうか。ミレニアルの自己顕示欲とシェアの力が織りなす異色の情報伝達力は、波紋のように世代の異なる家族や友人たちへと浸透していく。
◯情報とは、もはや土地や組織で束縛されることはなく、それらを配信する個人のプラットフォームは世界へ進出する窓口となっているのである。ベビーブーマーや日本の団塊世代が若かりしころにはもち得なかった“武器”だ。
◯国籍を問わず、ソーシャルネットワークという新たな社会のプラットフォームにおいて、人々が共有する集合知識とシェアの威力はただならない。そしてこの世代は、いまだ14歳から34歳と若い(1980~2000年生まれ)。
◯彼らはしばし、私主義、つまり自分を中心に据えた“ナルシスト”で、多くの場合自分が正しいと思う自信過剰世代である
◯どこかに所属したいという欲もあまりなく、特定の政治的・宗教的組織には属しない傾向が強い。
◯宗教に対しても同様で、年上の年代に比べると神を信じる層は減り、信じない層が増えている。また、神は信じるがよくわからない、といった層も増えており、インターネットやソーシャルメディアで他視点を目にする機会が多くなっていることをうかがわせる。
◯この世代のリベラルなところや、多様性を受け入れるグローバルな体質をつくり出したのは、世界中からの移民の影響と言っても過言ではないだろう。実際にミレニアルの11%(2010年Pew Research調べ:PDF)が、移民の両親(または片親)をもち、人種的にも文化的にも実に多様化している。
◯希望をもって新たな土地にたどり着いた移民もまた、子どもをたくさん残す傾向にある。文化や人種的な違いは、新鮮で、ときに魅力的なものだ。移民の子どもたちには、グローバルな視点と行動力、そして未知なものに対する好奇心が受け継がれ、これが同世代との交流を通してミレニアルの性格を形づくっているのかもしれない。同性同士のカップル(同性婚含む)、異なる人種間での結婚、複数の言語など、従来の世俗にとどまらないモデルをかつてないほどに支持するグループもまた、ミレニアル世代である。
◯たとえ20代半ばから30代前半になっても、年上の世代が“成人の指標”として用いた「定職、家、結婚、子供」のパターンがあてはまらない。しかし、そうできるだけの財力や信用がないというのもひとつの理由
◯消費者金融サーヴィス会社、Bankrateのリサーチでは、63%のミレニアル(19~29歳まで)がクレジットカードを持っていないことが明らかになっており、信用がないためにクルマや家のローンを組むのが難しくなっているという。
◯かつてないほどに教養があるミレニアル世代は、学生ローンを始めとした借金も多く、また景気や雇用の問題もあって、経済的には厳しい状況だ。
◯大学から家を出ることが常だったアメリカで、近年、親と同居する若者が増えてきているのは、こういった背景があるからだろう。しかし、それでいて「将来的にはなんとかなる」と前向きに考えているのも、ミレニアルの特徴である。(Pew Research調べ)
一方、日本のミレニアル世代はどうだろうか?
西暦になおすと、1980〜2000年は、昭和55年〜平成12年となる。
※和暦で表記するのはもうやめて欲しい…。
政府統計の人口データより 2013年(平成25年)10月時点
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118081
15〜19歳 604.7万人
20〜24歳 620.5万人
25〜29歳 686.9万人
30〜34歳 762.3万人
日本のミレニアル(15〜34歳)世代は、2,674万人
問題はこの後の世代だ。
0〜4歳 523.9万人
5〜9歳 536.1万人
10〜14歳 579万人
日本のミレニアルの次の世代は、(0〜20歳)2,243万人
とミレニアルから、431万人減少する。
現在の出生数が100万人を割り込もうとしているので、431万人減少ということは、日本で生まれる4年分の赤ちゃん分に匹敵している減少だ。今後も16%ずつ減少していく(431万/2674万%)とも考えられ、加速度を増す。
人口ピラミッドはこんな状態だ。もはや、ピラミッドになっていない…。
日本のミレニアルはジリ貧状態だ。
アメリカのミレニアル属性と比較しておいてほしい。