カジノ ラスベガス5800億円の50倍、マカオ2兆3500億円の10倍、それが日本のパチンコ産業の市場規模


※2015年4月テレビ放送時のデータ

※以下 2013年データ

いよいよ、日本でもカシノが解禁に向けて大詰め段階に入ってきている。

カシノ、加速する解禁への動き 莫大な経済効果期待と、注視すべき重要項目を検証

世界最大のカシノは、マカオのカシノである。その数、約33軒で、売上は、235億ドル(2010年)約2兆3500億円。

マカオのカシノは、ラスベガスのカシノ58億ドル(2010年)約5800億円の約5倍の市場ボリュームを誇る。

パチンコ産業年間20兆円、過去20年で540兆円が貸し玉消費!

一方、我が日本国内のパチンコ市場(12,000店舗)は、約20兆円市場(2012年18兆8960億円)で、マカオの約10倍、なんとラスベガスの50倍の市場を持っている。

かつて1995年のピークには18,000店舗で約30兆円あった産業だ。なお、日本人は、20年間で540兆円もパチンコに費やしてきていたといわれる。

それは、2011年度の国家予算(92兆円)の約6倍、名目GDP(479兆円)を凌駕するという。「パチンコに日本人は20年で540兆円使った

そして、さらに驚愕なのは、パチンコは、日本の余暇市場全体(レジャー白書2012年)の29%(64兆9500億円)を占めていることだ。

国民のレジャーの3割もある市場に、さらにカシノが本当に必要なのだろうか?

2014年度にパチンコ産業は18兆8,180億円に減少している。市場は平成元年から1/3にシュリンクしている。

マカオのカシノ33軒=日本のパチンコ16,000店舗分

ただ、カシノの場合の売上は、粗利であり、パチンコのそれは、貸玉料金売上の計算なので、約85%(粗利を約15%)で補正すると、パチンコの粗利は約2兆8344億円(約3兆円)ということになる。

つまり、マカオのカシノ33軒で、日本のパチンコ16,000店舗分とほぼ同等に稼いでいることとなる。

それを考えると、マカオのカシノクラスであれば、一軒で、日本のパチンコホールの約500ホール分のシノギが上がる計算となる。

当然、カシノとなれば、日本のパチンコ台やパチスロ台とはちがった、ルーレットやカード、スロットマシン、バカラなどが登場することだろう。

また、それに合わせた、オトナのためのエンターテインメントという要素、ショウ等の展開などが考えられる。

新たな劇場を伴うようなホテル&カシノの建設も必要となることだろう。

本格的なカシノの参入は、日本の新たなコンテンツ産業やエンタメ産業の育成という側面に大きく影響を与えるのかも知れない。

しかし、その半面、期待どおりの売上=税収が得られるかどうかはとても未知数だ。パチンコでさえ、この20年で10兆円も売上を落としている産業である。コンプガチャと呼ばれたケータイゲームもピークに達しており、新たなビジネスモデルで折り返しているほどである。

カシノで上がる収益に、税収を依存するだけではなく、カシノそのものを可能な限り、健全な市場にする努力が必要である。当然、カシノ依存者、中毒者を生み出さないような仕掛けを考えなければならない。

そのためには、どんな手法があるのだろうか?

ギャンブルとしてではなく、あくまでも上質で高価な大人のエンターテインメントの場としてのカシノ

ある意味、パチンコや他の公営ギャンブルを日常として捉えると、カシノには、非日常的な空間にするほうが良いと考える。

カシノでは、正装、お洒落をしていくようなドレスコードを保つなど、非日常空間を楽しめる場にしてはどうだろうか?

最低の掛け金も高めに設定することによって、生活弱者が最初の段階で参入する障壁を作り、負担をかけさせない縛りをつくることも必要だろう。

日本でドレスコードがあるのは冠婚葬祭だけだが、それ以外にショウを見たり、ギャンブルをしたり、社交化することが、非日常な場として定着すると、社会的に射幸心だけを煽らない、はじめての本格的なオトナの遊びの場となるのかもしれない。

その前に、政治家の先生たちが、法案だけ作るのではなく、自分たちも通いたくなるようなカシノにしなければならないだろう。

賭け事をしない人が、賭け事をする人だけに、税金を負担させようという魂胆だけでは、何かを得ることは相当難しいだろう。

民間人の感覚ならば、自分が行かない店を作ることは絶対にしないからだ。

入場料を一人2万円とかにすれば、一般の人はまず行かない…いや行けないから、そこで歯止めをつくるとかで良いのでは?

しかし、今度はそこに選民意識などが芽生えるから、日本は上流社会慣れしていない。総中間層で構成されているのかもしれない。外国人もわざわざ、カモられにくるとも思いにくい。カモろうとするとリピートもしない。

カシノは一体、誰の為になるのだろうか?

【追記】レジャー白書 2014 (2014年8月)
❏余暇市場全体 65兆2,160億円 +4,900億円増 前年比100.8%
❏パチンコ産業 18兆8,180億円 ▲2,480億 前年比 98.7%
❏パチンコ産業は余暇市場の28.8%
❏2013年におけるパチンコ参加人口は▲140万人減った970万人
・2011年に▲410万人の大幅減で1,260万人
・2012年に12年に▲150万人減の1,110万人
・約3,000万人の参加人口があった昭和から平成の初め頃にかけてのピーク時と比べると、約3分の1の規模にまで落ち込んだ
❏男性は20代の若年層が大きく落ち込み、数年来の傾向である若者のパチンコ離れが加速
❏1回当たりの平均費用も880円減の2,660円
❏1年間におけるパチンコの平均活動回数は、前の年からほぼ横ばいの27.5回。年の平均費用は2万3,900円減った7万3,200円

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