JW-R10
確か、5万円を切ったワープロ初号機だった東芝RUPO JW-R10
もう発売日にすぐに、購入した。
記憶ちがいだ10万円を切った初のワープロだ。
サラリーマンになった年に購入し、大活躍した。
よく10万円ものワープロを買ったなぁ…。
信じられないかもしれないけれども、このマシンの前には、ワープロは、なにもなかった。
いや、何百万円もする日本語ワープロか、もしくはすでに遺跡化している「和文タイプ」のみだ。もしくは、パーソナルコンピュータ用だ。
1985年は、日本のワードプロセッシングの革命的な年でもあった。
この東芝RUPOの発売や「jX-WORD太郎(※一太郎の前の製品)」がNEC PC9801シリーズ向けに販売開始。
しかし、ワープロ専用機で10万円を切ったというのが、一般のノンプログラマーで専用職でない人に普及していくきっかけとなった年だ。
もちろん、スマホもインターネットもなにもない時代。
しかし、このRUPOを触った瞬間、日本語の辞書を手元に置かなくても、漢字がすぐに書ける時代のすばらしさを体感した。
RUPOを手に入れ、すぐにブラインドタッチをおこない、たったの※10文字ほどのディスプレイからA4の文章を入力する。
まさに文字をプログラミングしていた時代だ。
インクジェットプリントなので、いろんなワインのラベルカードを作るという時間が作れた。
ワイン雑誌に投稿すると驚かれて、採用されたりした。
ワインと映画のコラムなどを投稿する。
有坂芙美子さん時代の「ヴィノテーク」だった。
http://www.vinotheque.co.jp/
刑事コロンボの「別れのワイン」や007のダイヤモンドは永遠にの「クラレット」などのワインの登場する映画のコラムだ。
かつての映画コラムもビデオやDVDやオンデマンドが普及している時代ではないので、映画の資料は映画館やテレビの録画を見るしかなかった。
当時の給与の大半は、VHSのビデオテープを激安店で買うために費やされていた。1本あたり1000円はしていたから大変! 数百本のVHSテープはいつしか磁気も薄れて粗大ゴミ
ワイン業界に入って、しかも新人でワインにハマるものの、そんな歴史のある専門的な雑誌に勝手に投稿して、誌面をいただけるとか、無鉄砲だ。
映画×ワイン という得意分野の組み合わせで、専門的な分野でも新たな市場があることに気づけただけでもよい経験になった。
しかし、そのおかげで、ヴィノテークに転職する話しもあったので、あの時、ヴィノテークに行けば、出版業界の関わりも、今とはまた違った関わりだったかもしれない。
ワインジャーナリストという肩書きになっているかもしれない。
現在に至る選択は常に最適だったと思うけれども、有坂さんの会社であれば、ワインの試飲漬けの日々を送れたかと思うと、少しだけ後悔している。
現在は、田崎真也さんが発行人なんだ。よかったよかった。
東芝RUPOの話しを書くつもりが、当時の記憶がいろいろと蘇ってきた。
そして、本格的な執筆活動をするのは、NECの書院シリーズを購入してからだ…。