「裁判員の通知届いた」——mixi日記で告白相次ぐ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/01/news037.html
裁判員法は、裁判員や候補者に選ばれたことを、不特定多数に対して個人が特定できるような形で公表することを禁止している。
mixiでは全体公開の日記で「通知が届いた」と告白しているユーザーが複数おり、中には本名を明かしている人もいる。裁判所からの封筒の画像をアップしている日記もあった。
「ぶらり無賃乗車の旅」 mixi日記で東京ガス社員が不正旅行記
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/24/news107.html
「ピザ食ってないのに」 サイゼリヤに返金求め「稼いだ」とSNS日記に“告白”
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/22/news112.html
ネットでの指摘が相次いだ後、男性はSNSを退会。日記は見ることができない。
なぜに、mixiでここまで告白するのかが、とても不思議に感じた…。
ボクもmixiで自分ネタをなんでも公開する主義だが、犯罪となるとおいそれとは公開してはいけないと思う。セグウェイの時は、罰金になるまで、ずっと異議を唱えていたが…。
おそらく、それは、大量の「足あと」に踏まれたログの数に本人が驚き、さらに過激になっていったのではないかと推測する。
知ってもらいたい症候群のはじまりである。
いつもの平常時であれば、親しい知人の中だけの「身内ニュース」だけなのに、話題のある裁判員制度などは、日記ネタとしては、最高のネタであろう。すでに身内以外にも関心を持たれる。
マスメディアでさえも、裁判員制度の通知を受け取った人を紹介している。この時点でマスメディアも犯罪幇助である。
これを「不特定多数に口外してはならない」と言われても、知人のSNSのミクシィだからいいんでは?とか、勝手に選んで送りつけて、拒否しにくいなんてものをもらったこちらのネタにしてもいいだろうと普通は思う。いや、罪の意識はそこには働いていない。
犯罪にならなくても問題を未然に防ぐ意味あいでも、具体的にmixiなどに書き込むと、第○条違反で罰せられることがありますと注意書きを具体的に示しておくべきだとボクは思う。
とかく、感じるのが、この国ではやっていいことと、やってはいけないことの差のグレーゾーンが多すぎることが問題かと思う。表と裏の使い分けが巧みすぎて、素人にはわかりにくいのだ。
無賃乗車の日記は、おそらく、ライフハック技の披露の延長であったのかもしれない。
ドイツの鉄道で驚いたことがある。改札口の機械がなかったことだ。
無銭乗車が増えるのでは?と思うが、発覚した時には20何倍もの罰金費用がかかるという。無賃乗車がないから、改札口でチェックがいらないということで、改札機械のない自由を得ている。
改札口がなく、電車が乗れるなんて日本では夢のような世界だ。基本的に人を信じているという姿勢なのかもしれない。すると、「ぶらり無賃乗車」なんて話題になる前に注意されることだろう。しかもこれが、上場会社の勤め人だから、話題になる。これも変な話だ。犯罪の重さに勤務先は関係ないはずなのに、犯罪にまで、勤め先によって、記事の大小が変化するのが日本のメディアのユニークさだ。
サイゼリアの件では、損害の認証のしくみづくりに関する、いたずら感覚であっただろう。レシートを持ってこさせるということはできただろうが、サイゼリアとしてはそんなことは言えない。そうするとサイゼリア側としては、謝罪の意味でもこのしくみのなかで対応せざるを得ない。
そこで、「4戦3勝」という表現があらわれてくる。サイゼリアが怒るのではなく、SNSの知人の知人、もしくは、たまたま見た人の怒りをかって、SNSをやめるはめになる。
これをSNSの自浄作用と考えることもできる。
また、止めてしまえば、一から出直しできるという見方もできる。
むしろ、SNSの身内や自分ニュースが、社会的なニュースになるということ自身が、問題なのかもしれない。
SNSは、井戸端会議ではなく、すでにメディア、いや、社会の公器の域に達しているような気がしてきた。