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ドバイの将来を憂う


読売新聞の朝刊一面トップにレポート物
当日におそらくトップ記事がなかったのかもしれない。

「ドバイにも金融危機の影…止まったクレーン・解雇の波」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081221-OYT1T00714.htm
2008年12月21日23時52分

  読売新聞

世界一高いビル、世界一豪華なホテルなど「世界一」を冠する建築物を次々に登場させ、21世紀に入って猛烈な勢いで発展を続けてきたドバイ。中東の物流・
金融センターとして、200に及ぶ国籍の労働者や投資家を引きつけてきたこのペルシャ湾岸の小さな首長国にも、金融危機の影は忍び寄っていた。その現場を
歩いた。

思い出してみてほしい。

この夏までの石油の高騰で大変なことになるだろうというストーリーを…。しかし、サブプライとリーマン騒ぎが大きくなりすぎて、石油の投機熱が流れてしまったおかげで石油価格は完全に暴落。石油のことなど誰も気にならなくなった。

石油の代替エネルギーによる開発が進めば進むほど、ドバイの石油以外のエンタメ産業には、拍車がかかる。ドバイも有り金をはたいて、次世代産業の開発に必死なのである。政府系ファンドも含めて…。

石油なき、自分たちの価値を彼らが一番よく知っている。二度と砂漠の民には戻りたくないからだ。

しかし、彼らの国では本当のエンタメ産業は育たないとボクは感じている。

ドバイに行ってみて愕然としたのが、絢爛豪華なハードな割にソフト的なサービスがチープすぎることだ。国民全体が、サービスする喜びを、中国並みにサービスの意味がわかっていないからだと思う。

サービスクオリティの低さが彼らの弁慶の泣き所になるだろう。
常に建設ラッシュでどこも工事しているのも最悪だ。彼らは常に、世界ナンバーワンという未来だけを見つづけており、現在をまったく見ていない。
まさにバブルそのものだった。

自分たちは、ディスターシャ(白い布の男性用)やアバヤ(黒い布の女性用)で過ごしているのに、ファッションブランドが続々と観光客のためにオープンしている。自分たちが買わない衣服や、食べないレストランに投資だけしている。これで一緒に共感できるか?というとそうではない。

かつては、ゴールドスーク(金の市場)だけしか無かったはずの場所も観光地化してくる。しかも、金製品はすべて、デザインや形状は無視され、グラム単位で値段が決まる。これでは、クリエイティブの価値はまったくゼロに近い。

また、ドバイに寄った次いでにどこに行くか?もアクセスの面でも不利だ。まわりは砂漠だらけで、石油が出なければここには誰も価値をみとめなかった場所だ。

7ツ星ホテルという称号もおそらく金で買ったとしか思えない。
まともに日本語がまったく通じないのは当たり前。英語で、しかも本当になんとかコミュニケーションできる程度だ。立派すぎるまでに立派な外装や内装と比較して、サービスは地方のグランドホテルという感じだ。マニュアルをキチンとこなすことが最大のサービスなのだ。
それ以上でもそれ以下でもない。それでどこから7ツ星というのが誕生したのだろうか?

人口も、出稼ぎ労働のインドやパキスタンらの人らが、ユニークな商売をはじめており、砂漠の中のアジア人のほうが、新たなアジアン市場を生み出している。得にアジア人、労働者の屋台のほうがホテルのレストランよりも美味しいと感じる時さえある。

今のドバイを見ていると、かつての日本のバブルを彷彿させてくれる。
すべての人々が土地やマンションに投機している。投資ではなく投機に近い。
町をあるけば、大量のブローカーだらけ。観光客にまで斡旋する。

そのおかげで、The Palmの物件を案内してもらえたりもする。世界有数の別荘地の工事中を見かけたが、すべて未来の話ばかりで構成されている。
やれ、あそこがベッカムの別荘だ。あそこがトムクルーズの別荘とか…。
だから…何? そのものに価値がないから、付加価値を語りたがる。

ドバイは、単に世界が注目しているという具体的で根拠のない話ばかりで、バブル投機が回っている間はいいが、回らなくなってからがとても怖い。

なぜドバイなの?と質問を3回続けてみると、彼らは答えに困ってしまうのだ。

ちょうど、神戸のポートアイランドや六甲アイランドの夢物語を小さな頃に聞いたことを思い出した。埋め立て地特有の薄氷のドリームに満ちあふれている。

日系企業の進出も多くなり、日本人向けのサービスも増えてきたが、そろそろこの国の人たちに無駄な投資を忠告してあげたほうがいいと思う。

莫大な富による投機が続くが、それを楽しむ客がいることが継続的にいることが、前提で考えられている。
砂漠の中のスキー場、それは、一度いけば十分だ。かつての、ららぽーとのザウスから比較するとしょぼい限りだ。そのザウスだって消えてしまった。

もう一度行きたくなるような、ハード以外の話題がドバイから登場するのがないと、一生に一度行けばいい都市のような気がする。