東京オリンピックの想い出 聖火ランナー1964年

1964年10月 神戸市兵庫区の上沢通りと下沢通りの間を走る聖火リレー【撮影者】神田友治

この頃、3歳だったボクは、この写真の光景をとても覚えている。父(友治)に肩車してもらいながら、この聖火ランナーのくるのを延々と待ち続けた。

長田区の方面から、パトカーに先導された白い小さな狼煙がだんだんと近づいてくる…。

オリンピックが目の前にむかってくるのである。

白い狼煙と、白いランニング、白い靴、目の前をさっそうと駆け抜けていった。

湊川公園へ向かう聖火ランナーの行列はほんの一瞬だった。

しかし、ボクの脳裏には永遠に刻まれた瞬間だった。

聖火ランナーのリレーは、全国各地で行われた。東京で行われたオリンピックだが、神戸の片田舎でも、その聖火リレーを見ただけで、参加者の一人を体験することができた。

開会式を、祖父、祖母、母、親戚、みんなで見た。そのみんなは、もうこの世にはいない。
しかし、その想い出はずっと心に刻み込まれている。

昭和40年代、高度成長まっただ中!
すべてが右肩上がりだった。アメリカというお手本を目指していればよかった。

2020年、東京オリンピック あと、たったの6年後だ。

右肩下がりを迎える。老齢化社会へまっしぐらだ。
世界にお手本はいない。超高齢化社会のお手本を、今度は見せなくてはならない番だ。