2010年Time,Inc.の提案する雑誌の未来図 Sports Illustrated Terry McDonell

Toshiaki Kanda 2009年12月07日 月曜日
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アップルのタブレットがどんなものかは、おそらくNDAでよーく知っているはずのTime,Inc社がデモビデオをYouTubeにアップロードしている。

Sports Illustrated 誌の電子タブレット版である。
編集長であるTerry McDonellが自ら紹介する

まず、最初にこちらのビデオを見ていただきたい…。
http://www.youtube.com/watch?v=ntyXvLnxyXk

タブレット型、kindle DXくらいのサイズだろうか…。サクサクと雑誌のページが時折サウンドとムービーと一緒に登場する。楽しそうな雑誌だ。

注目は、facebookやおそらくtwitterにも気になるところをポストできる機能。さらに広告をクリックして広告へ「深入り」することができるところだ。

当然、お約束の水着の女性も音楽と同様に登場する。さらに、テレビの画面におそらくネット経由で表示もできる。

いろんな、アップルのナレッジナビゲイター時代から描かれた20年来の見果てぬ夢が、2010年には登場するというデモである。

しかし、どこか全体的に既視感がある。

そう、まるでCD-ROM時代のMacromedia社(現:Adobe)Directorのプレゼンテーションである。

「雑誌はこれからCD-ROM時代になり、インタラクティブにマルチなメディアになるのです。音、写真、動画、VR(当時は360度写真のこと)と多機能になるのです…」

とマルチメディア時代はCD-ROMドライブ搭載に牽引をかけた。ジョン・スカリー当時Apple会長を筆頭に…。

まさに、同じテツを踏もうとしている。

雑誌をめくるフリック音はいらないし、いちいち、雑誌に動画が必要とも思わない。写真ごとにクリックも指先でのピンチもおそらくタブレットならば不要だろうし(iPhoneのような小さなデバイスだからこそピンチは必要だが)。

まるで、雑誌が「飛び出す絵本化」しようとしているようだ。そんなものは創刊号だけがやたらに安い、ディアゴスティーニでやればいい話だ。

むしろ、電子雑誌で必要な機能は、5つある。

1.「検索機能」 単語検索だけでなく、関連ワード、検索保存、外部リンクなど

2.「共有embed機能」 外部のブログやSNS、facebook,Twitterなどへの相互リンク

3.「ネット連携機能」 ビジネスモデルにかかわらず、保存やブラウズできなければならない。

4.「通信機能」 WI-FI 3G ホームネットワーク は必須だ。

5.「アフィリエイト機能」 書籍の記事を紹介したり、読者が紹介することによる収益構造。

だろう。

操作は、雑誌のインタフェース、目次からのジャンプだけでよいと思う。紙材、印刷、輸送をともなわないことにより、ビジネスモデルは、フリーペーパー化するかもしれない。おそらく、紙媒体よりも高価になっては電子媒体の意味はない。書店で販売しているものとは別媒体としてあつかうべきだ。

むしろ、電子化とパッケージ化は相反する作用なのかもしれない。

電子雑誌で見たら、パッケージの本物(少なくとも、現在は…紙が本物という意識がある)が欲しくなるだろう。

電子媒体で付加価値を求めると、CD-ROM時代へのゾンビ化がはじまる。誰だ、雑誌の3D化まで考えている奴は?(笑)。

遅かれ、早かれ、2010年は電子雑誌、電子新聞がタブレットモバイルのデバイスによって誕生するだろう。

もしかするとPCのデスクトップ文化さえも凌駕する変革かもしれない。初代iMacのようにブラウン管のリ・デザインで終わるかもしれない。

ボクにとってのタブレットは、Kindleサイズがカラーとなり、通信機能がつく、iPhone DX(かなり大きな)という仕様。そこまででいい。

テレビやPCと融合する機能はあと3年はいらないと思う。

つまり、デバイス側が「機能」を決めるのではなく、それぞれのユーザーが使い勝手のいいメディアのコンポーネントを組み合わせて、メディアのハックが検証され、そこからようやく、市場という名の「需要」が形成されるからだ。

それまでは、単機能のデバイスでオープンでAPIを公開していく。それが一番進化するかと思う。自社媒体へのロックアウトの夢はもう、本当の21世紀にはふさわしくないようだ。

Time,Inc.の未来の雑誌は、20世紀の人たちが、いまだに21世紀を予測しているようにみえて仕方がない。

http://www.youtube.com/watch?v=ntyXvLnxyXk

Download:

FLVMP43GP



Category: コラム
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Toshiaki Kanda