・ 2011年01月06日(木)Mac App Store オープン
http://www.apple.com/jp/mac/app-store/
ついに、Appleが、古くはDA(デスクアクセサリー)やダッシュボード、ウィジット&ガジェットなど、デスクトップでほぼ無償で提供してきたライトなアプリケーションから、完全に決別する日がやってきた…。それが、Mac App Storeの登場だ。
ダッシュボードは、結果としてiPod touchやiPhone のiAppに多大な影響を与え、iPhoneやiPadのアプリスタイルを形成してきた事は、周知の事実だろう。
また、iPodの単なる音楽ソフトウェアであった、iTunesは 「iTunes Music Store」と進化を果たし、世界最大の音楽配信プラットフォームとなった。
その後、「Music」のワードを取りさり、「iTunes Store」となり、ポッドキャストから、アプリ販売、そして、現在では、テレビ(日本では不可)、映画の購入からレンタルもできる、ダウンロードからレンタルまで管理できる巨大なプラットフォームとなった。
Back to the Macで、iPhone iPadで学んだ経験をMacBookAirに反映させ、そして今日からは、iPhone iPadで学んだiAppの経験をMacに反映させる本当の意味での、Back to the Mac の日となった。
これこそ、アップルの本来の最終目標であったのではないだろうか?とさえ思わせる。
次はこれに、OSが、次のデバイスやサービスの可能性を見込んでアップデートしてくる…。それが、アップルの進化の法則なのだ。
ここで、アップルのエヴォルーションスタイルを明記しておきたい。
かつて、アップルは、CPU、OS、ハードウェア、ソフトウェアという4つのジャンルを網羅した世界で唯一の企業であった。
現在は、CPUは他社に依存しながら、サービスという新たなジャンルを付け加え、OS、ハードウェア、ソフトウェア、サービス という4つのジャンルを成功させている唯一の企業である。
GoogleもMicrosoftもこのジャンルをすべて成功させているわけではない。アップルだけが成功している。
2000年以降のiPodからのアップルの進化は、まず、デバイスやハードウェアのデザインから始まる。そして、そのハードにあった、ソフトウェア、そしてサービス、プラットフォームという進化を遂げている。それを根底で支えるのが、OSである。
その流れは、iPod Touchに電話機能をつけただけのiPhoneを、24/365いつでも、定額料金でネットに接続できるというネット環境を通信会社にコミットさせるという圧力もなし遂げている。
音楽産業、テレビ産業、映画産業、出版産業、にも同等にプレッシャーとベネフィットをリ・インベンションしている。
いつでも、ネット環境が整備されることにより、それが流通さえも進化させた。ダウンロードコストが発生していないという今日の環境だ。しかも、アップルは、一銭もダウンロードコストを負担していないところがすごい。
それらの、経験が、いくつもの検証をふくめて、Mac App Storeというプラットフォームでデビューを果たした。ただ、これもスタートにしか過ぎない。今日から新たな進化に備えなければならないのだ。
デジタル時代ほど、経験に勝るものはない。まずは、トライだ!
まずは、我々もOSを 10.6.6 にアップデートする必要がある。
ビジネスマンなら、すぐにスノーレパードにして、この2011年を体験することをおすすめしたい。これから新たなニュースを、とても知識だけで吸収できるものではない。経験、体験が重要なのだ。
そうでないと、テレビ東京のWBSの小谷真生子キャスターになってしまう。あれだけ最新情報に囲まれながらも、デジタルに踏み込めない彼女は、どれだけ損をしていることか…。あれだけ拒んでいた電子メールも結局は使うハメになっているのだから…。
そう、「電子メール」も、もうすでに、「メール」という単語に変わっている。「電子」や「eなんとか」が付いている間は、本流ではない。
さて、 無事アップデートが終了し、リスタートすると、ドックに、「AppStore」というアイコンが登場しているはずだ。
ここから、AppStoreのアプリが立ち上がる…。
本当は、iTunes Storeとリンクさせるべきだったが、Appleにも間違いがあったのかも…、いや、映像、音楽、テレビ、映画と、肥大化するiTunesとは、このタイミングで、切り離しを図っているのかもしれない。Appleが何かを間違っているのか?と思いながらも、実はそのほうが、利にかなっていることも多々ある。
そこで、とりあえず、Mac App Store の初日のインプレッションとして感じたことをメモしておきたい。
1.価格破壊が革命的!
つい昨日まで、19,800円で販売されていたAppleのApeture3が、MacAppStoreでは、9,000円に!なんと、昨日1日で10,800円も値下がり! これはパッケージのソフトを購入する意味をなくす。
http://www.apple.com/jp/aperture/ ※すでに、「今すぐ購入」リンクもMac App Storeに変わっている。
なによりも、アップルはすべてのデベロッパーから、30%もの手数料収入を得ることができる。いや、売価から30%を引いた70%を支払うという胴元になるといったほうが正しい。
この胴元ほど美味しい商売はない。常に、申請されて、公開する、売上を管理する、銀行に支払いをする。これらの仕組みがすべてApple側がコントロールでき、ルールも自由に改変することができるという圧倒的な有利なポジションを得ている。
デベロッパーも完成品を1本納品し、あとはアップデートするだけ。それが、何千、何万と複製されたもので市場が形成される。CDのプレスやマニュアルや梱包など一切不要だ。
だからこそ、価格破壊は、日々進化する。実は価格でなく、パフォーマンス対比だ。
115円アプリのパフォーマンスはこの2年で大きく変わっているのだ。100均ショップ程度がいまは、1000円くらいのパフォーマンスでないと115円では売れなくなっている。
現在のMac App Store の価格は安いといっても、iPhone iPadとの価格差は歴然だ。パッケージの半額くらいだが、もっと安くすることもできるはずだ。いや、もっと安くすべきだ!
機能が同じだから、価格が半分でも安くなったはずだが、iTunes storeの価格帯で慣れているボクたちには、Mac App Storeの価格が異常に高く感じる。 2,000円のパッケージソフトは陳腐でも許されたが、iAppの2,000円では、最高の出来栄えでないと決して納得しない。それは、アップルがユーザーに自ら与えた「予期せぬ影響」なのだ。
また、App Storeの情報量は少なすぎる。App Storeよりも詳しい情報サイトを立ち上げるだけで、アフィリエイト収入がウンと稼げるのかもしれない。
実は、アップルは、ここで、一気に、画面のサイズと、マウスとキーボードが使えるというMac Appになることによって、価格帯を上げさせようという戦略なのかもしれない。
面白いのは、画面サイズによって価格の力学が違うところだ。
iPhone > iPad >Mac
という画面サイズによって価格が上昇している。
このビジネスを継続するとなると、大画面テレビで動くApplrアプリがあれば、さらに値段を高くすることも可能かもしれない。 古い3Dテレビを最新型にするアプリ15,000円とか…(笑)テレビは買い換えるよりも、アップデートを繰り返させたほうが儲かるビジネスモデルに変わるのかも!
2.ソフトウェア流通がノンパッケージに!
いままでのソフトウェアというのは、パッケージを上げ底にしたり、マニュアルを分厚くして、ボリューム感をだすのが80年代の常識だった。アドビを代表として、本棚に並んだ時にできるかぎりヨコ幅を取らなければ高級アプリにならなかった。
それが、今では、アップル製品を見てわかるように、マニュアルなんて、ほとんど皆無に等しくなってしまった。しかし、なんだかその方が、とても洗練されているようにも見える。
熟読できないマニュアルよりも、使っているうちにわかるというUIの方が大事になったのだ。
ネットにはビデオマニュアルがあったり、コミュニティがあったり、いろんなソリューションが用意されている。また、アプリのセミナーは大概、アプリと同様に高価だったりもする。
ソフトウェア流通がノンパッケージになることによって、アプリに対するサードパーティーから、フォースパーティーのビジネス生態系が形成されている。
書店にいくと、Evernoteの書籍やDropBoxの書籍が並び、twitterやfacebookのセミナーが盛んだ。ノンパッケージ化することにより、新たな関連ビジネスが誕生している。
3.所有の概念が、アップデートの概念が変わる!
IDさえあれば、どこからでも、どのマシンにもダウンロードできるのが、App Storeの特徴だ。しかも、何度も…この点は、すごいと思う。
もしかしたら、知人のマシンにご愛嬌でダウンロードしてあげるという人も登場していることだろう。
今までのコスト意識が、さらに大きく変わる。CDやDVDのアプリケーションパッケージを管理する場所、IDやパスワードをソフトウェアごとに入力し、管理する手間が大きく変わった。
某Microsoft社が、新たなOSやアプリケーションを登場させる度に、ホログラム化したり、10数桁の呪文のうようなコードを打たせる手法や、事ある度に、ユーザーが正規ユーザーがどうか疑うアラートを出したり、再起動しようとしたら、いきなり、アップデートを更新し、「終了しないでください」などなど…。
AppStoreに慣れた人にとっては、それはまるで非人道的で拷問のようなものでしかない。なぜ、Windowsユーザーは怒らないのだろうか?
このMac App Storeは、MSにとっては、痛烈な宣戦布告となるであろう。かといって、MSがいきなり、これに対抗するプラットフォームもなければ、デベロッパー教育もない。だから、MSには、このAppleの流れを変えることもできなければ、止めることもできない。かといって、参入もできないという三重苦が訪れていることだろう。
Mac App Store が成功すれば、デスクトップやノートもAppleにというユーザーが増えるだろうし、企業にとっても、安価なオフィスやサーバーアプリケーションが入れば、古いWindowsマシンを使い続ける理由もない。
Appleが企業向けのエンタープライズのコーナーを設けるだけで、Mac App Storeに、英断を期したデベロッパーが登場するかもしれない。
近い将来、MSは、Xboxキネクトだけの玩具屋になっているのかもしれない…。
そして、ライバルは、Androidを持つ、Googleだ。 Googleはおそらく、Chrome OS を搭載したマシンで、Chrome App Store を展開することだろう。
また、すべてのプラットフォームで稼働する、Google Apps Storeで開発者を囲っていく可能性もある。
4.開発者が30%のマージンだけで販売できる!
そして、最後に何よりも、プログラム開発者が30%のマージンだけで、完成品を一本おさめるだけで、世界を相手に商売ができるところが革命的だ。
今後、iPhone iPad Macと、アプリの汎用度が違うから、今回を機にして、MacAppの開発者にiPhone iPad開発者が大量に併用して開発するようになる。
これは、アップルにとっても、開発者にとっても、Macユーザーにとっても福音をもたらすはずだろう。
そして、2011年6月のWWDCで新OSの「ライオン」の「ランチパッド」機能でこれらのアプリを使いやすく統合化するという流れになりそうだ。
http://www.apple.com/jp/macosx/lion/
ということで、初日のインプレッションでした!
【News Release】
AppleのMac App Storeがオープン
2011年1月6日、Appleは本日、Mac App Storeが無料と有料を合わせ1,000
本以上のアプリケーションを揃え、オープンしたことを発表しました。Mac App StoreはApp Storeの革新的な体験をMacにもたらすもので、素晴らしい新アプリケーションを見つけ、iTunesのアカウントを使って購入し、ダウンロード、インストールするという過程をワンステップで行なえます。MacApp Storeは、Snow Leopardのユーザを対象に、 ソフトウェアアップデートによってMac OS X v10.6.6の一部として提供されます。
「1,000本以上のアプリケーションを揃え、Mac App Storeはすばらしいスタートを切りました。好きなアプリケーションを発見し、購入するためのこの革新的で新しい方法をユーザは気に入ってくれるものと思います。」と、AppleのCEO(最高経営責任者)、スティーブ・ジョブズは述べています。
Mac App Storeは、教育、ゲーム、グラフィックス&デザイン、ライフスタイル、仕事効率化、ユーティリティといったカテゴリのアプリケーションを提供します。Mac App Storeでは新しいアプリケーションや注目のアプリケーションを閲覧したり、人気のアプリケーションを見つけ出したり、スタッフのお気に入りを参考にしたり、カテゴリを検索したり、有料や無料アプリケーションのトップチャートを確認したり、他のユーザの評価やレビューを読んだりできます。
全く新しいアプリケーションや、すでに多くの人に愛用されているアプリケーションが、Autodesk、Ancestry.comそしてBoinxといったデベロッパから提供されます。Appleの人気の高いアプリケーションスイートであるiLife ’11に含まれるiPhoto、iMovie、GarageBandアプリケーションもMac App Storeでそれぞれ1,700円で個別に購入することができます。また、iWorkに含まれるPages、KeynoteそしてNumbersアプリケーションはそれぞれ2,300円で購入することができます。Appleのパワフルな写真編集管理ソフトウェア、Aperture 3は9,000円で購入することができます。
「当社のプロフェッショナルグレードのペイントおよびドローイングアプリケーションであるAutodesk SketchBook Proを、Mac App Storeがオープンした最初の日に提供できることを嬉しく思います。Mac、iPhone、iPad向けにいくつかアプリケーションを提供していますがいずれも非常に成功しています。このたびSketchBook ProをMac App Storeで提供し、アーティストの皆さんが簡単なスケッチからハイクオリティのアートワークまでを、すべてMac上で簡単に制作できるようになることをとても楽しみにしています。」と、AutodeskのCEO、Carl Bass氏は述べています。
「私たちがMac App StoreでAncestry.com Family Tree Makerアプリケーションを提供することにより、人々が家族の歴史を発見し、アクセスすることがこれまで以上に簡単になります。Mac App Storeは新世代のイノベーションをMacプラットフォームで実現します。」と、Ancestry.comのCEO、Tim Sullivan氏は述べています。
「数々の賞に輝いたアニメーション、ビデオ制作さらには写真ソフトウェアを、新しいMac App Storeで提供できることをとても嬉しく思います。MacApp Storeを利することで、お客様はこれまで以上に簡単に、Mac用にデザインされた革新的なソフトウェアのすべてにアクセスすることができるようになります。」と、Boinx SoftwareのCEO、Oliver Breidenbach氏は述べています。
Mac App Storeへのアクセスは、Mac OS X v10.6.6ソフトウェアアップ
デートをダウンロードするか、apple.com/jp/mac/app-store をご覧
ください。Mac App Store向けアプリケーションの開発についての詳しい情報
は、 developer.apple.com/programs/mac をご覧下さい。2011 Apple Inc. All rights reserved. Apple, the Apple logo, Mac,
Mac OS, Macintosh, App Store, iTunes, Snow Leopard, iPhoto, iMovie,
GarageBand, iLife, Pages, Keynote, Numbers, iWork and Aperture are
trademarks of Apple. Other company and product names may be
trademarks of their respective owners.
まだ、執筆中…
agilemedia広告が過去にはいっていました