アカデミアの同期の林要(はやしかなめ)さんのロボット紹介記事より。
どうやらノンバーバルなロボットを作っているらしい。
Groove X という新会社。
人類が持っている「寂しさ」の理由がとても腑に落ちた。
【インタビュー】Pepperの父・林要さんの新会社「GROOVE X」が作るロボットとは?
屈強な男は、自分で肉を持ってきて一人で生活をすることもできます。でもそれでは子孫を残せないんですよね。自分の子を宿した女性が子育てを完遂しないと子孫が残らないわけです。恐らく当時はどの子供が自分の子供なのかという明確な区別もつかなかった可能性は高いでしょうから、結果的に集団みんなが生き残るような互恵的な性質を持つ遺伝子が選択的に生き残ったわけです。結果的に、どんなに屈強の男でも肉を分け与えたくなるし、そうでないと確率論的に自分の遺伝子を持った子供が後生に残りませんでした。それらのプロセスを何世代も経て選択的に残った遺伝子は、ある特徴を持ったものになったと言われています。その特徴はポジティブな面とネガティブな面の両面があり、ポジティブな面が人と一緒にいると楽しく感じる社会的な面、ネガティブな面が人と一緒にいないと寂しいという孤独感。それらの本能が、人が集団生活を営めるのに丁度良くなるよう、20万年かけて発達してきたわけです。僕らのDNAは生き残り戦略として積極的に「寂しさ」を培ってきたわけです。体がどんなに屈強でも、寂しさを十分に持っていない個体は、たとえ肉を独り占めにして生き延びる事ができても、子孫を継続的には残せず淘汰されてしまいます。つまり、私たちは子孫を残すために寂しさを感じるようにできているわけですし、互恵的にもならざるを得なかったわけです。私達は利己的な遺伝子を持つが故に寂しいし、互恵的性質を持つわけですね。
林:ポイントになるワードは、「寂しさ」「無意識」、そして「ノンバーバル」です。
編集部:最近のロボットの企画を構成するワードとは思えないですね。
林:私が影響を受けた本に「孤独の科学」という本があります。その本で書かれているのは、「人間の孤独とは、生きるために必要な機能だ」ということです。人間は、大脳新皮質が大きく学習能力において大幅な優位性を持っている代わりに、頭が大きいがために未熟児で産む必要があり、結果として子育ての期間が長くなるという、生物が生き残る上で大きなマイナス要因と思われる特徴も持っています。結果として肉体的にかなり弱い部類になります。他の草食動物や猿よりも筋力が弱いにも関わらず、他の動物に比べて圧倒的に未熟児で産まれた子供を長い期間育てる必要があったわけです。だからこそ、20万年前から、私たちは群れる必要がありました。
groove-x.com
http://www.groove-x.com/
https://www.facebook.com/groovex.robot/
Kaname Hayashi
https://pioneers.io/asia/jp/speakers/
林要氏、日本に拠点「起業の土壌つくる」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98770260T20C16A3X13000/