ヒトはなぜ学歴を盛りたがる?安倍晋三首相の場合…

安倍晋三首相の現在のプロフィールに、米国留学(USC:南カリフォルニア大学)の痕跡はどこにもない…。

1954年 安倍晋太郎、洋子夫妻の二男として生まれる
1977年 成蹊大学法学部政治学科卒業
1979年 株式会社神戸製鋼所入社
1982年 外務大臣秘書官
1993年 衆議院議員初当選
1999年 衆議院厚生委員会理事
自由民主党社会部会長
2000年 内閣官房副長官(第二次森内閣)
内閣官房副長官(第二次森改造内閣)
2001年 内閣官房副長官(第二次森改造内閣)
内閣官房副長官(第一次小泉内閣)
2002年 内閣官房副長官(第一次小泉改造内閣)
2003年 自由民主党幹事長
2004年 自由民主党幹事長代理・党改革推進本部長
2005年 内閣官房長官(第三次小泉改造内閣)
2006年 第90代内閣総理大臣
2007年 内閣総理大臣を辞任
2012年 自由民主党総裁
2012年 第96代内閣総理大臣
http://www.s-abe.or.jp/profile

Wayback machine で検索すると…
https://archive.org/web/
2009年までしか逆上れないが、プロフィールはこのまま。
https://web.archive.org/web/*/http://www.s-abe.or.jp/profile

しかし、2004年に週刊ポストの記事「魚拓」によると…南カリフォルニア大学(USC)政治学科という肩書があったようだ。

今もそれは、wikipediaに残っている…。本人のプロフィールよりも、wikipediaのほうが真実を語っているようだ。たとえ虚偽であったとしても…。

1977年春に渡米し、カリフォルニア州ヘイワードの英語学校に通うが、日本人だらけで勉強に障害があると判断して通学を止め、その後イタリア系アメリカ人の家に下宿しながらロングビーチの語学学校に通った。秋に南カリフォルニア大学への入学許可が出され1978年に入学。政治学を専攻し春・夏・秋学期を履修した後、1979年に中退した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%8B%E4%B8%89

安倍晋三自民党幹事長の「留学経歴」に重大疑惑
南カリフォルニア大学(USC)政治学科在籍は虚偽

…とある。

安倍氏自身の留学経歴にも重大な疑惑が発覚した。同氏の公式の経歴書には、成蹊大学を卒業後、南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学したとされているが、USC広報者担当者によると、安倍氏が政治学部に在籍したことはなく、78年の春期、夏期、秋期にのみ在籍し、取得した6コースのうち、3つは外国人のための英語コースであり、そこには政治学は含まれていない。しかも安倍氏は、2年間留学といいながら、実際には1年間にも満たないことがこれで判明した。安倍事務所は「南カリフォルニア大には78年1月から79年3月まで在籍しています。政治学は履修したが、途中でドロップアウトしたため、記録が残っていないだけで、留学の実態はあったと考えています」と答えている。
http://megalodon.jp/ref/2012-1226-2007-11/archive.is/GkQm

名門である南カリフォルニア大学でも、外国人のための英語コースに留学しながら、本人は英語が苦手とするならばプロフィールに記すほどではないだろう。それが「政治学部」である虚偽があったならば問題であった。それを2004年に指摘されてからはなかったことになっているという。
名門大学にも、国際的に多様な学生が学べるように外国人たのめの英語コース「ESL(第2言語としての英語)」がある。
それが、また話題になっているのが、学歴詐称の問題が、日本ではまかり通っているからだ。学歴訴訟がきちんと「ワークしている」からといって良いだろう。

「週刊ポスト」(小学館)04年2月13日号が、当時、南カリフォルニア大に確認、広報担当者からこんな回答が得られたことを記事にしている。
「シンゾウ・アベは78年の春期、夏期、秋期のみ在籍しています。その間は本学の正規の学生であるが、専攻はまだありませんでした。取得したコース(講座)は全部で6、そのうち3つは“外国人のための英語”です、政治学は入っていません。1コースは4単位ですから取得単位は24。卒業できる数字ではありません」
 ようするに、安倍氏は南カリフォルニア大学には「1年間」しか留学しておらず、「政治学科」どころか、そもそも政治学系の科目すら1科目も履修していなかった。
これに対し安倍事務所は、以下のように反論している。
「南カリフォルニア大には78年1月から79年3月まで在籍しています。政治学は履修しましたが、途中でドロップアウトしたため、記録は残っていないだけで、留学の実態はあったと考えています」(「週刊ポスト」より)
http://lite-ra.com/2016/03/post-2079.html

ヒトはなぜ学歴を盛りたがる?

…というか、ヒトではなく日本人はなぜ学歴を盛りたがるのか?

それは激しい競争社会を勝ち抜いた証拠をショートカットできるからではないだろうか?

デンマークの幸福度は世界一とも言われている。そのデンマーク大使館の広報官、イェンス・イェンセンさんのインタビューを読んで、日本人の客観性を信じる国民性を非常に感じた。

日本人は初めて会う人とはまず、名刺交換をしますよね。僕、最初はこれにびっくりした。その人がどんな人物かということよりも先に、地位と肩書きを紹介される。すごく違うな、と感じました。

 それと、日本の場合、幼稚園から大学まで細かくランク付けされていて、どこそこの幼稚園に行かなかったらいい会社に入れないという暗黙のルールもありますね。これはデンマークにはない、というよりも、デンマーク人にはまったく理解できないシステムだと思います。
http://diamond.jp/articles/-/37277

このインタビューにもあるように、日本人は人を認識する時に、その人そのものよりも、その人の背景にある職業や役職、出身校、家柄などで判断するようだ。目の前の人を見ているようで見ていないことがよくわかる。

特に、面接などで、有名大学のディプロマを保有している人は、平均的以上の学力とスキル、それらを活かしたパフォーマンスを持っている人が多い。しかし、三流大学となると、その確率は確実に落ちる。

そう、確率の問題なのだ。東大を出てもバカがいるし、高校中退でもすばらしい経営者がいる。

まず、日本人に一番必要なのは、「30歳を超えて学歴だけで食べている人」を信用してはいけないということだ。
大学を出て10年以上経っても、大学を出たこと以上のパフォーマンスを経歴に書けないのは、能力と運のない証拠なのだ。

学歴は、その人の単なるバックボーンだ。そして、今までの会社や役職だけでなく、その人自身の「未来」を感じる目や評価軸を自分自身で持ちたいものだ。