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CNETによると、Googleの時価総額は約1518億ドル(18兆2160億円)に達するそうだ。
1株あたりがまもなく500ドルに達するからだ。
IT企業では、
Microsoftの2897億ドル(34兆7640億円)には、及ばないものの
Yahoo時価総額は362億ドル(4兆3440億円)、
eBayは464億ドル(5兆5680億円)、
Amazon.comは176億ドル(2兆1120億円)
をはるかにしのいだ形となった。
Time Warnerは、811億ドル(9兆7320億円)
Walt Disneyは、691億ドル(8兆2920億円)であるから、従来のメディア企業は、Googleの企業価値の半分ということになる。
オンライン広告では、2006年、米国のネット広告のシェアを25%をGoogleが確保すると予測される。ちなみにYahoo!は18%(米eMarketer)
この時価総額の高さを米国のアナリストは当然と見ているようだ。
Googleの強さの秘密は、なんといっても、常に自社利益だけを考えていないところが他の企業にないところかと個人的に考えている。
ついつい、顧客を抱え、排他的に独占的にロックインしてしまうビジネスの中で、これほどまでにおおらかに、万人にチャンスを与え、しかも、物事の本質的な部分を、インターネットでシンプルに実現しているところに好意さえ感じる。
Yahoo!に買収されたFlickrのサービスも愛用しているのだが、Yahoo!傘下になってからは、IDをYahoo!IDに変化させようとする(しなくてもいい)動きが見え隠れしてきて、少しいやな思いをしている。もちろん、Yahoo!のIDも持っているが、FlickrはFlickrのまま使いたい。YouTubeのアカウントが、Gmailなどと連動してくれるのとでは、意味が違う。
単純にポータル的なシナジーだけを考慮すると、Yahoo!!のように統一したがるが、Googleの場合は、それぞれを広告媒体として考えているから複数のメディアが存在することにこそ価値がある。
ポータル化してしまうことにより、ユニークな存在が、パターン化してしまうのである。
このあたりが、Yahoo!が、自社がメディアであろうとするところと、Googleは人様にメディアになってもらう意識の違いがよくあらわれている。
Googleはトラフィックを集めるつもりもなく、できるだけユーザーがシンプルに情報を探すお手伝いをするだけである。その際、ユーザーに迷惑にならないように、申し訳程度に広告を出させていただく。この謙虚さが、重要だ。
日本のビデオポータルGyaoだと、広告主のCMは、スキップできないし、別画面を同時視聴することさえできない。無料で見ることができるのは、すべて広告主様のおかげですといわんばかりに、ユーザーよりも、広告主を見ているようだ。
Googleは、きわめて、ユーザー側に常に意識が働いている企業であり、ユーザーに気にいられる努力をたえずくりかえしている。結果として、ユーザーが気に入るサービスを提供することによって、広告主からもメディアからも支えられるという循環が成立し、現在の時価総額が結果として形成されている。
しかし、Googleといえども、万能ではない。ユーザーとの意識のズレがいつしかやってくることだろう。Yahoo!はかつてユーザー志向の非常に強い会社であったが、いつしかポータル戦略の中で、ユーザーよりもバナー広告を大切に考え始めたことが歯車を狂わせた。
Googleも、現在のまま思考しながら、さまざまな買収を繰り返し巨大化していくなかで、傘下の企業間同志のシナジーを考え始めた時、それぞれのユーザーとの思惑と相容れない部分が登場してくるはずである。
企業の急激な成長は、いつしか顧客の微妙な心理的な成長から遠のいてしまうケースが多い。GoogleがGoogleのまま、成長し続けるということが、これからの一番の彼らの試練だと感じる。
かつて、マイクロソフトは、IBMに対してのカウンターカルチャーであった。ネットスケープに対してのカウンターカルチャーは、Yahoo!であり、Yahoo!のカウンターカルチャーがGoogleである。そろそろGoogleに対してのカウンターカルチャーが現れるタイミングなのかもしれない。
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