そうだったのか!『いきなりステーキ』の名前の意味


『いきなりステーキ』は、たまに食べたくなる…。

高田馬場は『ケネディ』が撤退し、『いきなりステーキ』がいきなり登場し、続々と新たなステーキ屋さんが参入しつつある。

しかし、いきなりステーキのいきなりって何がいきなりなんだろう?

『いきなりステーキ』の『いきなり』は前菜がなくて、いきなりだから!

そうか、前菜があってから、メインにステーキが出てくるレストランを体験している人ならではの表現だったのか!
庶民にはいまいちピンときていなかった!(笑)

それは、「いきなり」ステーキではなく、「とりあえずメインの」ステーキだからだ。

なんと、俺のシリーズの坂本社長に、「うちは自分でステーキをやるつもりはない」で後押しされたという…。たしかにペッパーランチをやっていれば、そのステーキ単品の旨味はしっているはず。それを立ち食いで提供するのは、確かな後押しが必要だったのだろう。;

大人気の立ち食いステーキチェーンの生みの親である一瀬邦夫・ペッパーフードサービス社長は、その1号店をオープンする約1ヵ月前の2013年秋、ある人物と食事を共にした。その席で、新たに挑戦する業態の構想を、メニューを披露しながら熱弁してみせた。

構想を一通り聞くと、その人物は共感して言葉を返した。

「うちは自分でステーキをやるつもりはないから、あなたが『俺のステーキ』の名前でやってみてはどう?」

言葉の主は、立ち食いで高級フレンチやイタリアンと同じメニューを、格安で提供する「俺のフレンチ」、「俺のイタリアン」を大ヒットさせた坂本孝・俺の社長。そもそも一瀬社長は“俺のシリーズ”の人気に背中を押され、新業態の立ち上げに踏み切っていた。もともと顔見知りの2人。この日、一瀬社長は再び強く背中を押されたのである。

決して冗談ではなかったであろう俺のシリーズ入りの申し出に感謝しつつ、一瀬社長は新業態を「いきなり!ステーキ」と命名した。前菜なしでいきなりステーキを食べるという業態スタイルをそのまま伝えるものだ。

http://ascii.jp/elem/000/001/581/1581934/

いきなりステーキと俺のシリーズとの差別化

❏前菜なしで客の回転が速い
❏目の前で切るから仕込み不要
❏切って焼くだけのシンプルオペレーション
❏原価率は50~60%
❏わずか4年で店舗数は158店
※現在は200店舗超え、2018年内に400店舗で2020年までに1000店舗目標。

ブロンコビリーとKENNEDYの失敗

大量出店で売り上げこそ伸びたが、1店舗当たりの客数は伸びない。原価をコントロールすることで採算は取れたが、2001年の狂牛病騒動で客数が急減。創業来最大の経営危機に陥って、目が覚めた。

客はブロンコビリーに安さを求めているのではなく、炭焼きステーキやサラダバーを含めたオリジナリティーを支持していたのだと再認識。低価格路線と決別した。スタイルを元に戻し、さらに磨きをかける改革を進めたことで、客足が戻った。

ブロンコビリーのように戦略の見直しが間に合わなかったのが、低価格ステーキチェーンのKENNEDYを、首都圏を中心に約30店展開していたステークスだ。資金繰りがつかなくなって10月に営業を停止、東京地方裁判所に破産を申請した。

「出店による過去の投資が重く、その分のキャッシュを稼げず、投資と回収のバランスがおかしくなった。半額セールなどを重ねたが客が付かずに客単価が落ち、悪循環に陥った」と原田三寛・東京商工リサーチ情報本部情報部部長。他チェーンとの競争にさらされ、この数年は売り上げが落ち込んでいた。http://ascii.jp/elem/000/001/581/1581934/

「当たり前」は「過剰な思い」によって覆されるはず

時代は平成20年代に移り、日本は豊かになり、人は「その次」を求めていた。そんな中、彼は立ち食いの「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」(運営は、俺の)で知られる坂本孝社長と話した。その瞬間、彼はこう考えた。
「立ち食いで、ステーキ、出せないかなぁ」

日本人の食生活は、彼がビーフステーキの脂身を食べ、言葉を失った頃と一変していた。現在のビジネスパーソンは、お金があっても時間がなく「パッとステーキを食べたい」ニーズはあるはずだった。また生活スタイルが多様化し「一人焼肉」「炭水化物抜きダイエット」といったニーズも生まれていた。彼は冒頭のように、家賃や原価を弾いた。計算上は、成り立った。

ただし、ビジネスは最後は「賭け」。常識人なら「とまあ、そんな考えもあるよね」と電卓を置いたかもしれない。しかし、彼には過剰な思いがあった。

「やった理由って、いろいろあるけど、その最たるものは店にでっかく書いてありますよ。『炭焼きステーキは厚切りでレアーで召しあがれ!』って。旨いものを腹いっぱい食べるって、誰もが幸せを感じる瞬間じゃないですか。その瞬間を、僕は作りたかったんですよ」

「当たり前」は「過剰な思い」によって覆されるはず。ロジックは成り立っている。ならば、やるしかない! そう彼は決断した。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1712/27/news012_5.html