ヨドバシカメラ秋葉原「双眼鏡売り場」から学ぶ顧客視点の売り場

「さいたまスーパーアリーナ」や「横浜アリーナ」など、全部で6つのイベントホールの会場図がずらりと並び、座席別に最適な倍率の双眼鏡を紹介している。さらに、上の看板をよくみてみると、しっかり「コンサート会場でアーティストの表情を見るなら12m位の距離で見られる倍率がおすすめです」という文言が。そのほか、関東地区の主要なイベントホール全17か所での座席からステージの距離をまとめた表も。
http://j-town.net/tokyo/news/localnews/207738.html

現場で性能を確認できないものを顧客により具体的にイメージさせる

このドームや会場別の「倍率表」は見事な顧客ニーズに対応している。そう、顧客のほとんどが野鳥を観察するのではなく、ドームの米粒のようなアーティストを自分の肉眼の拡張機能である双眼鏡で観たいのである。誰かが撮影したカメラ映像をドームではほとんど見ていることとなる。それではなく自分の席からの肉眼で観たいという欲求を理解しての売り場だ。

全国のカメラ売り場に望むこと

もしも、このヨドバシカメラの双眼鏡売り場の担当の視点でカメラ売り場を見たらどう見えるだろうか?

ボクならば、まずカメラ売り場の蛍光灯をやめたい。白熱色のLEDにすれば電気代金もほとんど変わらず、カメラ売り場の雰囲気が変わる。
カメラ売り場で試し撮りする時、鎖に繋がれたカメラ本機で撮影するが撮影できるものが店内の殺風景なものばかりだ。それを蛍光灯の光がさらに冷たく映し出す。そんな画像でカメラを欲するとは思えない。特にビギナー層はそうだ。

白熱色の照明にして、イミテーションでいいので、観葉植物や食品、動物、マネキンの人物、いろんな被写体を用意してほしい。きっと売上が変わるはずだ。機能だけのチェックで購買を判断しているカメラマニアであれば、脳内で補完してイメージできるが、カメラ初心者にとっては、蛍光灯での殺風景な現場写真でしか、そのカメラの機能を確認できない。

ズームレンズやズーム機能のあるカメラでも、引きの映像が何も取れない場所に置かれていたりする。売り場の構成かもしれないが、「ズームレンズ比較コーナー」をつくれば、遠景の取れるところを体験できる。ズームレンズの機能がさらに引き出せるはずだ。

ぜひ、カメラ売り場の現場でこのヨドバシ秋葉原店の双眼鏡売り場のパネルを見て、顧客視点を考えてほしい。