なんといってもこの動きを見て欲しい。サービスの美しさがそのまま劇場として見せてくれる。新入社員は必ずこの店にかつてはよく連れてきて、気づいたことを最低5つは書かせていた。ボクが新人研修の時に同じことをさせられた時に、この店からたくさんのことを学ばせていただいた。
サービスを考える時は、いつも無言の笑顔のご主人の所作から、なにかを学べるはずだ。
2001年の自分の記事より
http://knnarchive.jugem.jp/?eid=183
東京・目黒のとんかつ屋さんに「とんき」というお店があります。
とんかつのロース定食とひれかつ定食が1650円という少し高めのお店ですが、「サービス」とは何かという事をいつも教えてくれるお店であります。
特に新人研修の多いこの時期、この店へ新人を連れて研修?に来るお客様も多いようです。ボクも数○年前の新人研修でこの店のサービスを必死にメモした記憶があります。特に「とんき」にいくと、忘れていたような日常のサービスの本質を気づかせてくれる店なのです。「KYK」や「和光」では絶対に味わえないサービスがここには
あります。
まずは、店内に入って気づくのが、店内の半分以上もある”広すぎる”厨房です。1Fの客席はカウンターのみで、店のほとんどは厨房で占められています。まさに厨房の中はどこかでみたような景観。
まるで「料理の鉄人」のキッチンスタジアムのような雰囲気が漂っています。そこから繰り出される「いらっしゃいませ!」の声は愛想をふりまくでもない、いぶし銀のような職人のおちついた声です。
店内はいつも、キビキビしており、まるで武道の道場のような空気を醸しだし、一定のリズムで中にいる人たちがテキパキと働いています。一人も無駄な動きの人がいないのは、まさに美しさすら感じてしまいます。その空気はたぶん若いアルバイトさんにも伝わっているようです。真ん中で油をあげる老人を中心に広がっているようです。こちらがオーナーで2代目さんであります。ご兄弟で運営しているようで、よく似た顔の方がおられます。
一人のお客様には、3種類の新聞をキチンと2つ折りにして出して、選んでいただき時間を待っていただく。当然2人以上には出しません。オーダー後の料理の出る順番は、必ず女性から出てくるのです
「ゆっくり食べていただくためとレディファーストのため」だそうです。また、上がったオーダーは客にいちいち確認せずに本人の前に提供されます。キャベツの減り具合を常にチェックすることなど、無駄のないサービスにはいつも納得がゆきます。
作家の池波正太郎さんもよく通っておられたそうですが、JR目黒駅近辺におられたらちょっと奮発してこのサービスを味わってみてくださいネ。
店 名:とんき
エ リ ア:東京 (目黒)
住 所:目黒区下目黒1-1-2
電 話:03-3491-9928
アクセス:JR目黒駅西口を出て、駅前の権現坂商店街通りの坂を下り、左手、さくら銀行裏、とても大きな看板が見えます。
営業時間:16:00~22:45
休 み:第3月曜日および火曜日
席 数:1Fカウンター席40席程度、2Fはテーブル席
メニュー:ロースかつ定食 1650円 (消費税込み)
ヒレかつ定食 1650円
串カツ定食 1200円
(単品は500円引き)