233 Views

そんなの関係ねえ!

日曜日の深夜の番組で、2007年8月18日の24時間テレビ(日本テレビ系)で「熱湯コマーシャル事件」が起きていたことを知った。

YouTubeで検索すると、ほとんどの映像が削除されてしまっていたが、ニコニコ動画では、ツッコミ入りでまだ残っていた。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm871277

また、さらにWikipediaにも、この24時間テレビの模様は追記されている
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC

本当に、いい世の中になったとつくづく思う。見過ごしていたテレビ番組がネット上で再現されているのだから…。
今回の事件の発端は、ダチョウ倶楽部の上島竜兵氏が熱湯風呂に入ったあと、小島よしお氏の芸の「そんなの関係ねえ!」をネタとして披露したところに、スタジオ内にいた、小島よしお氏が乱入する。…スタジオでは、彼のリアクションに合わせて、テーマのリズムが流れ、そのノリで小島よしお氏は熱湯風呂にはいったまま「そんなの関係ねえ!」を熱湯の中で連発する。

当然、スタジオからは「熱湯だよ」という罵声が飛び、しばらくして、小島よしお氏は、ハタと事態の状況に気付き、熱湯風呂にはいったかのような演技をしたが、時はすでに遅し…。「熱湯コマーシャル」は、もうこれでテレビ界からは完全に封印されてしまうことだろう。しかし、ダチョウ倶楽部の芸のすごさを改めて感じると共に、長年テレビで、うまく騙されてきたと感じた。熱くもない熱湯に入っている「低温湯リアクション」では、今後は意味がない。

Youtube上に残る熱湯コマーシャル

http://jp.youtube.com/watch?v=NK3EpD2sPec

そんなことよりも、小島よしおの「そんなの関係ねえ!」ですべてを押し切ってしまえる芸風が、「今」を標ぼうしているパワーを秘めていると感じた。
テレビ業界の慣例やお約束芸、それらをすべて「完全否定」できてしまう怖さが露呈した。
「そんなの関係ねえ!」は、開き直った勇気なのかもしれない。この事件の後も小島よしお氏はテレビに露出し続けている。
一時の、レイザーラモンHGを彷彿させるパワーだ。

生放送には、常にハプニングがつきまとう。しかし、それだけに、生放送は芸人や出演者の緊張感が伝わりやすい。さらに生放送のハプニングだけが、動画共有サイトに勝手に公開されている。

YouTubeなどの著作権侵害が、あとを絶たない原因は大きく2つある。

1つは、失うものは、「取得ID」のみであるということだ。

取得したIDは、またどこかの無料メールアドレスサイトで取得して登録するだけである。それだけで、自分のIDは作りなおせる。それ以上の罪は何も問われないという追及性のなさである。また、削除されそうなコンテンツを誰かがダウンロードして保管し、またアップロードという無限連鎖の仕組みまで登場している。
動画共有サイトにかかわらず、ネット上のサービスそのものが、無料メールアドレスさえあれば、なんでも実現できてしまうところに、本当の問題が潜んでいるのだ。

そしてもう1つは、「この動画を共有したい」という欲求だ。

著作侵害をしてまでアップロードする人のメリットは限りなく少ない。アフリエイトすら存在していないにもかかわらずだ。
パソコンに映像を取り込む時間、アップロードする時間、説明タグを付け加える時間。アップロードにいつも成功するとは限らないので、何度もアップロードする。そしてそれらにまつわる作業と違法性。まるでデメリットだらけだ。しかし、そのコンテンツの視聴回数の表示が、違法アップローダーへのモチベーションとなっている。
この2つの大きな問題を理解しない限り、動画共有の著作権侵害は後を絶たない。

ボクは、この動画共有という、「ソーシャルビデオレコーダー」の役割に非常に価値を感じている。テレビ局側がこれを真摯にビジネスモデルとして前向きに取り組むことに意味を感じている。

テレビ局は、著作権侵害で削除要請という対応よりも、ネット上の再放送での課金手法などの視聴率以外のビジネスモデルを、総務省に申請し可能性を検討すべきであろう。
現在の「視聴されている」という行為をもっと理解すべきである。

テレビ放送は、動画共有サイトによって、もはや「生放送」が終わると空気と共に消え去るのではなく、ネット上でいつでも再現できるものへと変化しつつある時代である。
現状の生放送の視聴率上のみで成立している放送事業は、もはや薄氷の上のビジネスモデルである。視聴率が低下すればそれだけで、すべての放送業界の構造は破綻してしまう。

携帯のワンセグで視聴されていても視聴率に反映されないし、ハードディスクレコーダーやビデオで再生されていても反映されない。少なくとも、それらを反映すれば視聴率は向上するのかもしれない。
しかし、コマーシャルそのものが、「続きはウェブで」と展開をはじめることにより、テレビコマーシャル15秒で説明できないものを、ウェブ上で解説するための単なる「トリガー」として利用しはじめている。

今まで、視聴率は稼いだポイントによってどれだけ売れるのかの予測手法でもあったが、インターネットやライフスタイルの変遷によって、それらの軸足の環境が変化している。

視聴率の嘘800ホント200
http://homepage2.nifty.com/yama-a/reports.htm

動画共有サイト側からは、番組やテレビ局のコンテンツに対してのアフリエイトとして、映像をトリガーとして、iEPGで予約を可能にするタグなどで、フィードバックを提供できるようにする施策も考えられるだろう。
公共の電波を使用し、放送できる許認可事業であることもふまえて、そして日本の文化資産としての価値を再認識する必要がある。

そうでなければ、新しいネットテレビ局の進出によって、「そんなの関係ねえ!」的に他人のコマーシャルを付加されて流通される可能性まで登場してきた。

http://operator11.com/
などの動画を放送できるサイトのサービスは、CM挿入機能などさらに革新的なサービスが付加されてきているからだ。
まずは、テレビ局側が試験的な番組を動画共有サイトで展開してみて、新たなメディアを自ら開発する努力が必要な時期にきている。

この記事に関連する記事