KNNポール神田です。
帰国しました! …と思ったら、今度はなんと「書類送検」!
http://www.asahi.com/national/update/0206/021.htm
http://www.sankei.co.jp/news/040206/sha051.htm
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040206i404.htm
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040206k0000e040041000c.
イラクから帰国した翌日、警視庁の交通捜査課より連絡があり、昨年の7月に開催した「セグウェイ広告」 http://www.1stsegway.jp/pr0707.phpに関しての事情聴取の報告書ができたので確認をしにいった。
昨年から、何度もこの件で任意出頭という形で警察に協力してきた。警察では、今回のイベントがどの程度の交通違反かどうかを判断するために、セグウェイそのものを調べないといけないということで、弊社のセグウェイを無償で「お持ち帰り」となった。
そこで警察は、
1.米国Segway社のマニュアルの全ページ翻訳
2.警察に出入りしている検査会社にての走行テスト
などをおこないセグウェイの出力を自動二輪相当と判断した。(そこまで税金と時間をかけないと判断できないと判断したそうだ)
そこで自動二輪とするならば、ウインカーやライト、ブレーキ、ナンバープレート、ブレーキランプなどがないセグウエイは「整備不良車」となり、整備不良車を運転した(させた)世田谷区の男性の取調べをおこない、検事によって判断をするための書類を送ったというのが、現在の「書類送検」の状況だ。
これから検事さんによって、どの程度の違反かの裁定がくだされるワケなので、あまり刺激するようなことは今のところは一応、控えておきたい(だって罰金もコワイもんね〜、さらにお持ち帰りになったセグウェイも早く返してほしいしょって言われていますから…モグモグ)。
そして、2月6日(金)の朝、警視庁はマスコミ発表をおこなったのをボクはひっきりなしにかかってくる電話で知ることとなった(ボクはその日の事をまったく知らされていなかった)。イラク映像の締め切り間際に、マンションにおしかけているマスメディア軍団。納品データはマンションの中にある。すでにマンションの前にはたくさんのマスコミが待ち構えている。
テンガロンハットを取り、サングラスをかけてマンションに入る。まんまと侵入成功。レンダリングの終了したデータをテープに録画する。その間もズカズカとエレベータに乗ってくるメディア。容赦なしにチャイムを鳴らす。こちらはそれにかまっている余裕はない。テープができた。一応、メディアに写る場合のための服装に着替えてから表にでた。
「神田さんですね?」とマンションを一歩、外に出ると、そこにはカメラとフラッシュが待ち構えている。オウム事件の横山弁護士の「やめろっちゅーに!」の気持ちがよくわかる。「お昼のニュースで報道したいので」と彼らは口をそろえて言う。こちらは夜のニュースと朝刊が狙いなのでお昼なんかに報道してもらっては困る。
「撮影しないでください」といっても、許可なく平気でカメラを向けてくる、マイクというメディアのナイフを無神経にズカズカと心につきつけてくる。三軒茶屋の駅へ向かうまでの間、必要以上に矢のような質問。「今、締め切りの納品で忙しいのであとで時間をとりますので…」といってようやく解放される。
警察も発表して事情がわかっているのならば、警備を2〜3人まわすべきだろう。殺人犯人でもなく、まだ何の違反かも決定していない一般市民を保護する気はないのだろうか? メディアを集めて発表したことによっての保護の責任はないのだろか?
クライアント先のテレビで、「報道しないでください」とのコメントをしたにもかかわらず、顔にボカシがいれられ報道される。しかも「世田谷区の会社経営の男」だ。どうみても犯罪者だ。対応を考え、こちらから局へ出向くことを考えはじめた。
無事、納品が終わり、ネットを見ると、yahoo!ニュースのトップで掲載されている。ここでは世田谷区の輸入販売業者となっている。警察もメディアもどこを見て発表しているんだろう。あれだけ調書で「ジャーナリスト」と言っているにもかかわらずだ。セグウェイの販売はあくまでもサービス事業であって会社ではないはずだ。他のメディアでは、なんと「イベント会社社長」となっている。イベント会社なんてどこにも書いていないゾ?
午後になってから、各メディアの取材に対応する。各メディアによって犯人扱いしたいところと真摯に報道しようというところと大きく態度が違う。
NHK=警視庁からの発表のみ報道。独自取材なし。
TV朝日=取材に応じたにもかかわらず氏名の表記なし。世田谷区の会社経営の男性(42)ならまだしも、「世田谷区の男」よばわりはやめて欲しい。「反省の色なし」という批判のテロップまで。おいおい!まだ検察が起訴する前の段階で、反省する必要があるんだよ! 取材するディレクターの心情を疑う。報道局長あてに内容証明で抗議文を送る。
フジテレビ=電話取材。7月のイベント取材の素材を活用。悪意ある報道姿勢が電話取材で内容が変わった。こちらの趣旨は伝わった。
TBS=スタジオに招いていただき、丁寧に取材される。こちらの意図していることはかなり編集されているが伝わったと思う。「ニュース23」や「サンデージャポン」とワンソースマルチユースが行き届いている。
TV東京=遅れてきてマンションで待ち伏せするが、ボクがわからずに退散(笑)
新聞はすべて電話のみでの対応。
大半のメディアが警視庁発表の本人コメントを掲載するが、本人にそのコメントを確認するメディアは少ないのが非常に驚きだ。
「法律を改正してでもセグウェイを広めたかった」と報道されるが、そんなことは、一言も言っていない。
「セグウェイですら、対応できない今の日本の道路に関する法律はおかしい」とコメントしたはずだ。確かに外人が翻訳すると前者のような解釈になるのかもしれないが、こうまで日本語が通じにくいとは思わなかった。
また、日本のテレビメディアが警視庁の大本営発表をコピー&ペーストのみで報道するということに疑問を抱かざるをえない。
また、セグウェイのニュース騒動はその日だけで、翌日からはメディア以外で大騒ぎ、続々と知人からの応援メールと知らない人からの中傷メール。さらに、…とあるクライアントの微妙な反応。一応、事件だが「交通違反」の範疇ですと説明して判断はゆだねる。
「書類送検」と「送検」では意味が違う事も説明要だろう。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~yoshi-oh/law/lawkoramu001.html
セグウェイに関しては、アメリカほどではないが、韓国、フランス、イタリアなどでも歩道のみの走行が可能ということになってきた。日本ではナンバーつけて道路を走らなくてはならないという判断がいまだにおかしいと思う。すると当然、歩道で走れなくなるし、エレベーターや屋内では走れない。
セグウェイで3人の事故が起きたという。何人の人が世界でクルマによって亡くなっているんだろう? セグウェイで死んだ人はまだ一人もいない。
セグウェイが危ないかどうかは、大阪で雨の日にカサをくくりつけて買い物カゴに荷物をたくさん積んで子供を前と後ろに乗せて猛スピードで走ってくるおばちゃんと勝負させてみるといいでしょう。自転車でさえも乗る人によって凶器になります。
制度を死守することばかり考えるのではなく、制度が時代にあっているのかどうかも考える土壌が必要なのではないか? ニュース番組の中でも木村太郎氏がフォローのコメントをしてくれた。
さらに、セグウェイにブレーキが必要だという国も日本だけだ。この不可解でありアンタッチャブルな「車検制度」に対しても、一石を投じるチャンスなのかもしれない。国際的に見ても、「車検制度」の必要性を検討する必要があるかと思う。
今回の、ウインカーやライトが必要はまだしも、セグウェイにブレーキをつけなければならないという発想そのものを考えなおしていただかないと、日本のモビリティ産業全体の発展、しいては国益にまで、今後は影響するかと思われます。
実際にセグウェイと同様、いやそれ以上のものを日立やトヨタで開発しているけれども、道路法規や車検に通らないということでプロジェクトがお蔵入りになっているそうだ。
そのうちこんなカナダの乗物「エンブリオ」が登場しても、日本だけで乗れないなんて情けないのかも…。
http://www.wired.com/news/images/0,2334,61216-9889,00.html
http://www.wired.com/news/mediaplayer/0,2108,61384-61384-embrio_qt_hi,00.html
少なくとも、2003年にクレイジーな奴が日本の道路関連法に疑問を抱いたことは歴史に残ったはずだ。しかし、なんで交通違反を決めるのに7ヶ月もかかるの? スピルバーグなら映画2本作っています(笑)。
ニュース報道一覧
http://news.tbs.co.jp/20040206/headline/tbs_headline902442.html
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040206i404.htm
http://www.sankei.co.jp/news/040206/sha051.htm
http://www.hotwired.co.jp/nwt/031202/msg00014.html
blog
http://neta.ywcafe.net/000114.html
http://216.58.174.152/taiichi/mt/archives/000160.html
http://www.sndy-d.com/mt/000078.html
http://joi.ito.com/archives/2004/02/07/busted_in_tokyo_for_riding_segway.html
(英語)