【書籍】ワインバーグのオレンジジューステスト発想

コンサルタントやSEに人気のあるジェラルド・M・ワインバーグの名著「コンサルタントの秘密」の中に「オレンジジューステスト」というテストがある。

「あなたは、出席者700名におよぶ営業部員年次大会の会場設定を任されています。しかも創始者が営業部の神聖な伝統として打ち立てた、新鮮なしぼりたてのオレンジジュースで全員が成功を祈って一番最初に乾杯しなければなりません。このミッションを持って、宴会担当者と相談し、会場を選ぶというテストです。

宴会担当者の答えは…
A.「そんなことはできません」
B.「簡単にできますよ(缶ジュースならば)」
C.「それはできますよ。でもこれだけかかります」

ワインバーグの正解はCの答えである。あなたはどのように展開され、それがいくらのオプションで可能なのかという情報を得られることができます。しかし、ワインバーグの著書の時代からはン十年も経過している現代では、それだけの答えではもう不満足である。

もし可能であれば、D.の答えとして、「オレンジ絞り器を3人に一台用意して、新鮮なオレンジを参加者自身が協力しあって自ら絞りあって交流を深めながら、ジュースの乾杯をしたほうがいいのでは?」という提案ができることだろう。「しかも価格はこれだけ安くでき、朝一番のコミュニケーションが円滑になるでしょう」という新たな提案が担当者からでてくることを期待してもいい時代でもある。

宴会担当者は、机の上にグラスとオレンジと出席者の1/3にあたる絞り器だけを用意するだけで、顧客のオーダー以上の解答を返すことができる。もちろん、C.の予算よりはるかに安く思い出に残るセレモニーを演出することができるだろう。顧客であるあなたはその宴会担当者の会場を選ぶことによって、他の会場では得られぬ満足がゆくサービスがきっと得られることだろう。