このような状況でも、記者会見を開催してしまったところに、リスク管理上の問題があるだろう。
側近の判断が機能していない点が問題だ。
もし、記者が「大臣、もしかして、お酒を飲まれていますか?」とストレートに質問していたら、どう中川大臣は答えていただろうか?
ニコニコ動画ではMADムービーが当然、登場する。
ビールをつぐSEでこれだけ、酩酊ぶりが増長される
海外メディアのつっこみも…正直な感想だろう。言葉を超えても伝わっている。
しかし、民主党からの質問について、ユーザーコメントがだんだん変わってくるところに注目。
有利な立場である野党の質問が、酒にこだわりすぎることによって、嫌みな質問へと変化していくのに嫌気がさしてきているからだろう。
国会の質問時間が、結局「酒を飲んだか?」だけの質問しかできない点で民主党の評価を下げてしまったようだ。
今回の事件、中川大臣にとっては、致命的な失態となってしまった。
国民、いや全世界中がアルコールによる酩酊と判断する中、あくまでも風邪薬と疲労で答え続ける儚さが痛々しい。
昔の政治家だったら、「閉会してから酒を飲んで交流して何が悪い!」と記者の口を封じていた状態かもしれない。それくらいの開き直りでも、今の危機を回避することが職務だろう。
しかし、今は動画でこうやって共有される時代。生放送で見ていなくても、こうやって再生される。
この経済危機の段階に、こんな形で大臣が辞任に追い込まれることそのものが、政治家をますます萎縮させていくのかもしれない。メディア向けのポーズばかりを気にするパフォーマンスばかりに注力を注ぐようになってしまう。
テレビというメディアは、政治家の今までのすべての活動を一瞬に葬りさる力を持っている。
事実を報道するのが、ジャーナリズムであるが、与党のオウンゴールばかりを報道され、選手交代ばかりでは、試合にならない。オウンゴールの選手でもチャンスを与えることによって、命をかけた働きをするのかもしれないのだから。
失敗した人をこきおろすだけでなく、エールを送って再チャレンジさせる松岡修造のような視点も少しは必要だろう。