大阪府警富田林署で勾留中だった樋田淳也(ひだ・じゅんや)容疑者(30)が逃走した事件で、樋田容疑者が29日午後6時半ごろ、山口県周南市で食料品を万引きしたとして窃盗の疑いで山口県警に現行犯逮捕された。指紋が一致した。逃走から48日ぶりの逮捕で、自転車で逃げていたとみられる。
世間が忘れかけていた頃にようやく逮捕のニュース。
逃亡から約1ヶ月近く。
これを考えると、逃亡サバイバルがいかに大変かということがわかる。
身元を秘匿したままでの、報酬を得る労働活動がいかに難しいか…。
ひったくりや潜伏を繰り返しているものかと思えば、自転車旅行者となっていたらしい。
これでは、操作の網にかかりにくい。
逃亡させた大阪富田林署のメンツは丸つぶれで、しかも窃盗の通報での逮捕だから、実質警察の捜査のものではなかった。
所持金280円では、今日を生きるのも厳しい。
ゆっくりと心が休まる場所などに止まらない。風呂も入れない。雨もひどく、寒くなってくる。
よほど捕まった方が、生活は快適だ。10時間以上睡眠ができ、3食ありのおやつまであるからだ。ないのはまさに自由だけだ。
それでも人は、なぜ?地獄のようなシャバの『自由』をリスクを負ってまで選択するのか?
リンゼイアンホーカーさん殺害の市橋容疑者の逃亡の凄まじさと、比較してみたいと思う。
市橋容疑者が、2年7ヶ月も逃亡できたのは、報酬を得る仕事につけたからだ。
アンホーカーさんの市橋容疑者との違いを考えてると…
あの事件以降、身元を伏せて働ける環境が少なくなっているのかもしれない。
対価が得られないと、ホームレスの集まりに参加しない限り、全うに生きていくことは難しい。
280円ではなく、28万円であったとしても、1ヶ月間も、家なしで生きるのは、厳しい。
たとえ280万円の貯金でも、一般の人々が暮らせるのは、日々の雇用から生み出してくれる報酬があるからだ。
生活保護が受けられるのも、規定に合致しているからだ。年金がなくなったら、生活保護がなくなったら…。
数十年先の日本は難民国家であるのかもしれない。
今のこの『自由』な社会のうちに、根本的な政策を考えないと…。
『逮捕されるまで』は、まさに自分が当事者になったかのような気分で読みつつ、何度も、捕まったほうが楽じゃないの?を自問自答した。
『I am ICHIHASHI』は、ディーンフジオカ主演で、かなりナルシストな犯人像にせまっている。無人島での生活は、もうサバイバル術に近いものがあった。
- 作者: 市橋達也
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 1,224回
- この商品を含むブログ (35件) を見る