女性版バイアグラのフリバンセリンが 1240億円でカナダの製薬会社に買収

2015年8月18日にFDA認証を待っていたのか偶然なのかの買収劇。
2015年8月20日に合意。買収額は約10億ドル

女性用のフリバンセリンは、男性のバイアグラのように局部に効果がでるのではなく、閉経前の女性の脳に刺激を与えるもの。

カナダのバリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルが、女性版バイアグラのフリバンセインを販売する米製薬会社はスプラウト・ファーマシューティカルズを1240億円で買収する合意がなされた。

女性用バイアグラ企業を買収1240億円でカナダ社:経済:中日新聞(CHUNICHI Web) : http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015082001001874.html

フリバンセリンとは…

❏「女性用バイアグラ」といわれていますがファイザー社が製造販売している「バイアグラ」とは全く違います。ファイザー社のバイアグラは勃起を促す薬剤でフリバンセリン(Flibanserin)は性欲が減退した閉経前の女性のために開発されています。
❏バイアグラは性欲を増す効果はなく、勃起の補助をする薬剤で、女性用バイアグラはアディ(フリバンセリン)は性欲を増すため性欲増進剤ですので全く別系統の薬剤になります。
❏2015年8月18日、FDA(米食品医薬品局、Food and Drug Administration)は、「女性用バイアグラ」とも呼ばれている女性の性欲を高めるために開発された初の薬剤フリバンセリン(Flibanserin)を認可しました。
❏フリバンセリンの開発元である独ベーリンガーインゲルハイム社を買収した米スプラウト・ファーマシューティカルズ(Sprout Pharmaceuticals)から販売され、商標名はアディ(Addyi)となる予定だそうです。
❏アディ(フリバンセリン)は2010年と2013年の2度、FDAに申請を却下されていましたが3度目の正直で2015年8月18日に「後天性・広汎性の性的欲求低下障害(HSDD)」を適応として認可したそうです。
❏フリバンセリンは、抗うつ薬として開発されている途中で実験動物やヒトで性的衝動が高まることが見つかり、臨床研究にまで発展した薬物だそうです。
❏臨床試験では37%の性欲向上効果が見られており、服用すると1/3の方に性欲増進作用が見られます。
❏飲み方・服用方法は1日1回夜に服用します。アディ(フリバンセリン)の副作用にはアルコールや他の薬剤と一緒に服薬すると、失神や極度の低血圧などが知られています。
❏機序は明らかになっていないようですが5-HT1A セロトニン受容体アゴニスト、5-HT2A セロトニン受容体アンタゴニスト、D4ドーパミン受容体部分アゴニストの作用が知られており、我々からするとバイアグラというより早漏治療薬のプリリジー(ダポキセチン)に近い感じでしょうか、機序的には違いますが。(プリリジーは選択的セロトニン再取り込み阻害薬です。)

女性用バイアグラのアディ(フリバンセリン)とは
上野ユナイテッドクリニック :
http://www.united-ueno.com/column/2469/

【世界を読む】性的不能治療の「女性用バイアグラ」登場か 「まるで電気スイッチが入ったかのように…」 肉食系女子に朗報? 産経WEST :
http://www.sankei.com/west/news/150715/wst1507150002-n1.html